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マキアヴェッリ「君主論」

マキアヴェッリの近代性 いま、原著で政治思想史をたどろうとしている。あまりに手を広げすぎても読み切れないから、いちおう西洋近代の政治思想史に限定している。まずは近代の政治思想史の起点としてホッブス「リヴァイアサン」から読み始めた。 「リヴァ…

「騎士団長殺し」の既視感

「1Q84」の挑戦 「騎士団長殺し」の前作の「1Q84」は失敗作かもしれないが、村上春樹の世界を広げるターニングポイントとなる作品だと思っている。 「アンダーグラウンド」「約束された場所で」で、オウム事件の被害者、オウム真理教信者へのインタビューを…

3/11の頃

忘れられるはずがない、忘れてはならない記憶も薄らいでいく 今年も3月11日になった。 忘れられるはずがない、忘れてはならない、と思いながら、やはり時とともに記憶は確実に薄らいでいく。 その当時に書かれたブログのエントリーを読み返して当時の記憶を…

“Politically Correctness” and Clint Eastwood’s film “Gran Torino”

トランプ大統領が支持される理由のひとつに「ポリティカル・コレクトネス」を無視した発言がある、と言われている。私自身、トランプ大統領を支持している訳ではないけれど、「ポリティカル・コレクトネス」には疑問を感じているところもある。 クリント・イ…

ホッブス「リヴァイアサン」:主権国家の成立について

「主権国家論」 今年は、民主主義について考えるために、政治哲学に関する古典的な本を系統的に読んでいこうと思っている。その第一弾として、ホッブス「リヴァイアサン」を読んだ。 書店の書棚に、岩波文庫版の「リヴァイアサン」の一巻、二巻がならんでい…

Peter Stark "Astoria”:北米太平洋岸のグローバリゼーションの歴史

北米太平洋岸のグローバリゼーションの歴史 夏休みに旅行したポートランドで買ったPeter Stark "Astoria"という本を読み終わった。この本は、19世紀前半、ジョン・ジェイコブ・アスターという事業家が、オレゴン州とワシントン州の州境を流れるコロンビア川…

「リッチな一族はそれぞれの仕方でリッチである」:Kevin Kwan "Crazy Rich Asian"

グローバリゼーションと華人華僑 このブログのなかでも、ここ数年、グローバリゼーションの歴史について追いかけている、ということ書いたことがある。 グローバリゼーションというと範囲が広すぎるので、暫定的に追いかけているテーマを絞り込んでいる。い…

前近代と近代の狭間:谷崎潤一郎「細雪」雪子と妙子

日本近代文学の成立と文明開化の成果 以前も何回か書いたことがあるけれど、三十代に入ってから約十年かけて、日本近代文学をその成立(二葉亭四迷)から第三の新人(小島信夫、庄野潤三)まで順を追って読み進めたことがある。 個々の小説の質についてはさ…

ドナルド・トランプとアンドリュー・ジャクソン:反エリートの民主政治、矛盾に満ちた発言

ドナルド・トランプの同時代性とアメリカ性 ホワイトハウスの引き渡しのとき、トランプ夫妻とオバマ夫妻が並んでいる写真を見て、この二つのカップルは実に対照的だけれども、それぞれきわめてアメリカ的でもあると思った。 goo.gl ドナルド・トランプの当選…

名著のエッセンスを3分で理解できる(かも?):読書ノートの棚卸し

読書メーターとGoodReads あれこれ本を読み散らかしているけれど、読みっぱなしだとあっという間に内容を忘れてしまう。 どんな形でもよいけれど、その本の内容を自分なりに咀嚼してアウトプットすることが重要なんだと思う。 とはいえ、すべての本について…

デカルト「方法序説」を読む

デカルト「方法序説」を読む 読書メーターで去年読んだ本を振り返ってみたら、時事的な読書が多かったことに気がついた。目先の興味関心に流されると、どうしてもそうなってしまう。今年は意識的に古典的な、寿命が長い本を精読しようと思う。 bookmeter.com…

iPhone6バッテリー交換記

iPhone6のバッテリーの不具合 2015年2月にiPhone6に機種変更をして、今月で満二年になる。最近、急激にバッテリーの調子が悪くなった。 たいしてアプリを使っていないのに、3時間ぐらいでバッテリー残量が数%になってしまう。100%充電したところでコードを…

新年の抱負:健康第一、中高年の成長

平凡ではあるけれど、自分にとっては重い新年の抱負:健康第一 一日早いけれど、新年の抱負について記録に残しておこうと思う。 新年の抱負をひとことでまとめると「健康第一」である。平凡だけど、自分にとっては身銭を切って学んでたどりついた重い抱負だ…

翻訳の楽しみ(1):パズルとしての和文英訳

なぜ翻訳をするのか 最近は中国語の勉強を優先しているので開店休業状態になっているけれど、英語のブログ"Everyday Life in Uptown Tokyo"を書いている時期があった。 yagian.blogspot.jp たいていは英語で自分の言葉を書くようにしていたけれど、日本語を…

残りの人生で読める本

来月で50歳になる 人生を10年区切りで考えることに意味があるかどうかよくわからないけれど、今度の誕生日には大きな感慨がある。 40歳になるまでは、夢中で生きていて人生を振り返って考える、などということはしたことがなかったから、20代、30代が終わる…

大きいことはいいこと、ではない:原子力政策と地球温暖化対策に共通する大きすぎるリスク

古典的なソフトウェア開発手法:ウォーターフォール・モデルとその限界 古典的なソフトウェアの開発の進め方に、「ウォーターフォール」モデルというものがある。ウォーターフォールは、文字通り「滝」という意味である。ソフトウェア開発を「要件定義」「概…

在日ファンクはすなおに楽しめる。しかし、なぜかブルーノ・マーズにわだかまってしまうのはなぜだろう。(附論:ブルーノ・マーズとピコ太郎の世界)

在日ファンとチャン・ギハと顔たちのライブに行く 先月、在日ファンクとチャン・ギハと顔たちのライブに行き、楽しい時間を過ごすことができた。 在日ファンクとは、SAKEROCKで星野源とバンドを組んでいた浜野謙太(通称:ハマケン)がボーカルのファンク・…

"The President":トランプ大統領のリアリティ・ショー

メリル・ストリープがクリント・イーストウッドを「正す」 大統領選挙をめぐるクリント・イーストウッドとメリル・ストリープのやりとりが、今回の両陣営の関係を象徴していたと思う。 クリント・イーストウッドは、エスクァイアのインタビューで次のように…

面倒くさい人、バラクに幸多かれ(そして自分も)

ミシェルとバラクと「ドゥ・ザ・ライト・シング」 オバマ家にはなぜかずっと関心を持っている。 以前、長女のマリアが反抗期で、公的な行事でもふてくされた態度をとっていたときは、これからどうなるのかずっと気になっていた。その時期には、ミシェルとバ…

ヒラリーの悲しみ

夫が好きで好きでしょうがない BSで各国のニュースを紹介する「キャッチ!世界のトップニュース」という番組で、国際政治学者の藤原帰一が月1回さまざまな国の映画を紹介するコーナーがある。映画の選択もいいし、国際情勢、社会情勢を絡めた解説もわかりや…

クラフトビールと一期一会

アメリカのビールはカヌーに似ている 以前のエントリーで紹介したPodcast "How I Built This"で、今度はクラフトビール企業の草分け、サミュエル・アダムスのオーナーのインタビューが放送されており、なかなか興味深かった。 今ではアメリカのクラフトビー…

サルトルによるノーベル文学賞辞退声明の和訳

過去にノーベル賞を辞退した人たち 今回のノーベル文学賞のボブ・ディランへの授与に関するニュースを見て、そういえば過去にノーベル賞を辞退した人はいるのだろうかと思い、検索してみたところ、Wikipediaにジャン=ポール・サルトル、レ・ドゥク・ト、ゲル…

Airbnbのストーリー:地に足がついた展開

朝はポッドキャストを聞き、夜は音楽を聴く 朝の通勤の時は、まだ元気があるので、たいてい英語のポッドキャストを聞いている。 夜帰宅する時は、リラックスしたいので、たいていGoogle Play Musicで音楽を聴いている。 iPodでは、ニュースを聞くこともある…

独裁的な政権による秩序か、民主的な政権による混乱か

混迷が増すシリアの情勢と日中戦争下の中国の情勢 今回もアメリカとロシアと停戦交渉が破綻し、アサド政権とロシアによるアレッポへの爆撃が激化している。 シリア内戦は、国内のさまざまな勢力がそれぞれ外国と結びつき、混迷が増している。ある種のバラン…

I'm feeling lucky radioつながりで:Eels "Souljacker Part I"

Google Play Musicで音楽を聴く ようやくSpotifyが日本にやってきた。しかし、今のところ音楽のストリーミングサービスはGoogle Play Musicで満足しているので、当面引っ越すことはないと思う。ただ、インターフェースはGoogle Play Musicはどうにもかっこわ…

努力は報われるか:クリント・イーストウッドとバッドエンディング

「クリント・イーストウッドの真実」 「ハドソン川の奇跡」の公開とタイミングをあわせて、スカパー「イマジカBS」でクリント・イーストウッドの特集をやっていた。そのなかで、「クリント・イーストウッドの真実」というドキュメンタリーを見た。デビューか…

時間の流れる方向

中国語検定(4級)講習会に参加した 大学時代に第二外国語で勉強をした中国語を久しぶりに勉強している。 自分に刺激を与えようと、中国語検定を受験することにした。といっても、独学なので自分のレベルがよくわからない。中国語検定協会のウェブサイトで、中…

ベンチャー・キャピタリストの目のつけどころ:菊池寛と芥川龍之介

スタンフォード大学留学帰国報告会で 先日、会社からスタンフォード大学に派遣されていた社員の社内での帰国報告会に参加してきた。 去年から1年間一人ずつスタンフォード大学に派遣されるようになり、今回は二人目の帰国報告会である。去年の報告会に比べて…

ポートランドあれこれ

ポートランドあれこれ 先日はポートランドの食と酒について書いたけれど、今回はそれ以外のあれこれについて書いてみようと思う。 yagian.hatenablog.com ポートランドまでのエアライン デルタ航空が、成田発ポートランド(PDX)着の直行便を運行している。今…

旅先で本を買う

旅先で本を買う 昔から旅行をしているとその土地の本屋、古本屋、大学生協が気になってよくのぞいていた。旅先で本を買うと荷物になるのでがまんするけれど、品揃えがよい本屋に出会うと抑制できなくなることもある。京都の恵文社(恵文社一乗寺店)とか。 "…

筒井康隆「モナドの領域」を読んで:妬み恨み嫉みという感情

筒井康隆「モナドの領域」 しばらく前に図書館で予約を入れた筒井康隆「モナドの領域」の順番が回ってきた。 最後に筒井康隆を読んだのは「虚航船団」や「文学部唯野教授」だから、もう20年以上前になる。 ずいぶん久しぶりに読んだ「モナドの領域」は、予想…

ポートランドはおいしい

アメリカの食の新しい潮流 今年の夏休み、オレゴン州ポートランドに一週間滞在した。 アメリカというと、食事がおいしいというイメージは乏しいと思う。しかし、最近、アメリカの食事情は大きく変化しつつあり、その変化の最先端、中心となっているポートラ…

Twitterにはファーガソン事件、Facebookにはアイスバケットチャレンジが並ぶ

中絶合法化が犯罪率を減らした?:「ヤバい経済学」と「エビデンス・ベースド・アプローチ」 「ヤバい経済学」は、これまであまり「エビデンス・ベースド・アプローチ」(実験や調査によるデータの定量的分析に基づく手法)が適用されてこなかったさまざまな…

至福の日曜日、及び、モヒートの作り方

至福の日曜日 今日は週末のルーティーンに通りに過ごしている。 朝、ワイシャツにアイロンをかけ、靴を磨く。 午前中は近くの雑司が谷体育館のスイミングプールに行く。最近のメニューはこんな感じ。 水中ウォーキング:100m ビート板キック:200m フリー(…

鎌倉三十三観音霊場巡礼結願

鎌倉三十三観音巡礼結願 ここ数年、鎌倉に通って三十三観音を巡っていた。先週の土曜日、三十三か所目の参拝を済ませ、ようやく結願することができた。 巡礼というと四国八十八箇所が有名だと思う。それに比べるとずいぶんこじんまりしているけれど、鎌倉市…

夏の夕暮れの至福:トム・コリンズを飲む

季節とお酒 たまに「お酒は何が好きか」聞かれることがあるけれど、いつもなんと答えてよいか迷ってしまう。結局「季節、気候、場所、料理次第かなぁ」と曖昧に答えてしまうことが多い。 寒い季節には身体を温めてくれるお酒がいいけれど、暑くなってくると…

「找自己」(「自分を取り戻して」)陶喆(David Tao)

第二外国語としての中国語 大学の第二外国語で中国を選択していた。 学生時代(1980年代後半)、上海と杭州を旅行した。神戸から鑑真号というフェリーに乗って上海に着いた。そのころの中国は、改革開放時代に入っていたけれど、まだまだ文革の香りがして、…

離脱派は愚かだったのか

離脱派へのネガティブ・キャンペーンと実態 EU離脱に関する国民投票の結果、イギリスはEUから離脱することになった。その直後、残留派から離脱派に対するネガティブ・キャンペーンがいっせいに始まった。 彼らの主張を読むと、離脱派の人々は「イングランド…

最高のNBAシーズン:レブロン時代の頂点

しばらく寝かせてからブログに書く ここのところ、毎週日曜日にブログを書くようにしている。 ウィーク・デイにブログのネタを思いつくと、はてなブログにタイトルと概要を書いてをドラフトとして保存するようにしている(そうしないとすぐ忘れてしまう)。…

テレビ報道の公平性

BBCの「EU離脱」に関する報道 NHK-BSやスカパーでBBCのニュースをよく見ている。最近は、当然ながら「EU離脱」に関する報道が多く、なかなか興味深い。 BBCとしては「EU離脱」に対して中立的な立場を保っている。残留派、残留派の双方の政治家に対するインタ…

ベン・フォールズを全部聴く:平凡さを「ロック」する

ベン・フォールズを全部聴く 今年に入っていから、Google Play Musicで特定のミュージシャンの音源を「全部聴く」ということをしている。 これまで、ビートルズとメンバーのソロ活動、トーキング・ヘッズとデイヴィッド・バーンとトム・トム・クラブ、プリン…

クラシックカーとなることを拒絶するクルマづくり

クラシックカーのリストア番組でトヨタ車が取り上げらることはほとんどない 以前のエントリーで、「ディスカバリー・チャンネル」(https://japan.discovery.com/index.html)で、クラシックカーをリストアすることをテーマとする番組がたくさん放映されており…

身体は飢餓に備えている:節制生活継続中

減量節制生活その後 一昨年の8月に「減量節制生活中」というエントリーを書いた。 yagian.hatenablog.com このエントリーでは、これまで20数年間ダイエットとリバウンドを繰り返してきたが、今回の「減量節制生活」では目標の60kgに到達できそうだ、と書いた…

明るい「貧乏」:「キューバ・アメ車天国」(ディスカバリー・チャンネル)

最近、地上波で見たい番組がほとんどない 最近、地上波で見たいと思う番組がほとんどない。特に、民放のバラエティやドラマはまったく見る気が起きない。 NHK-BSで海外制作のニュースやドキュメンタリー番組、スポーツ中継を見ることが多い。特に、世界各国…

「グローバリズム」の歴史的展開:「インディアスの破壊についての簡潔な報告」を読んで

「グローバリズム」の歴史の起点 近年「グローバリズム」の是非について語られることが多いけれど、「グローバリズム」は昨日今日はじまったことではない。「グローバリズム」の問題について考えるためには、現代の「グローバリズム」だけに着目するのでは十…

「教養」は「役に立つ」のか?

しばらく前、文部科学省が国立大学の「文系」学部廃止の方針を示したという風説が流れ、結局それはデマだということで落着したことがあった。その時、「文系」の学問や「教養」を擁護するために、それらは一見有用性に乏しいように見えるけれど、実は「役に…

全部聴く:トーキングヘッズ、トム・トム・クラブ、デイヴィッド・バーン

80年代のポップ・ミュージックで今でも聴いているもの ビートルズとソロ活動を全部聴き終えて(http://yagian.hatenablog.com/entries/2016/04/09)、こんどはトーキング・ヘッズ、トム・トム・クラブ、デイヴィッド・バーンを全部聴いてみた。 80年代は私の中…

全部聴く:ビートルズとソロ活動

ストリーミングサービスの楽しみ 音楽のストリーミングサービスが本格的に始まった時、Apple MusicとGoogle Play Musicのどちらに加入するかかなり迷ったけれど、結局、Appleの生態系に取り込まれすぎるのも嫌だなと思い、Google Play Musicを選んだ。 スト…

ドナルド・トランプの対日政策

定期的にブログを更新することにしたことをきっかけとして、「はてなダイアリー」から「はてなブログ」に移行しみた。さすがに同じ会社のサービスだから移行はかんたんでトラブルもなかったけれど、画面は多少なりとも読みやすくなっただろうか。 さて、ここ…

40歳代から50歳代へ

最近はblogから離れていたけれど、久しぶりに書いてみようという気持ちになった。以前のように毎日書くということはないけれど、週に1回ぐらい更新できればよいかな、と思う。 しばらく前、「夏目漱石記念施設整備基金」(http://www.city.shinjuku.lg.jp/ka…