小説

「賭けをして、そして、生き延びた 」村上春樹インタビュー和訳:エマ・ブロックス、ザ・ガーディアン

以前、村上春樹のカタルーニャ賞でのスピーチを英訳したところ(英語の品質には問題はあったけれど)好評だった。いまでもけっこうアクセスする人がいる(http://goo.gl/Gi2hH)。今度は「1Q84」の英訳が出版された機会に、英語の媒体(the Gurdian)に出た村上…

日本近代文学の死(2)

昨日のエントリー「日本近代文学の死」(id:yagian:20110923:1316721100)の続き。 「日本近代文学の死」といっても、日本語で文学作品が書かれなくなるという意味でもなく、日本語の文学作品を読む読者がいなくなるという意味でもない。 「やがて哀しき外国語…

日本近代文学の黄金時代と日本近代散文の成立

水村美苗は「日本語が亡びるとき」で次のように書いて、かなり批判された。 …それは、日本に日本近代文学があった奇跡を奇跡と命名する勇気を私についに与えてくれた。だが、そお奇跡はそのまま喜びに通ぜず、その奇跡を思えば思うほど、ふだんからの悪癖に…

世の無常

島崎藤村「夜明け前」を読み終わった。 改めて書く必要はないかもしれないけれど、「夜明け前」は幕末から明治のはじめにかけて生きた島崎藤村の父親、島崎正樹をモデルとした歴史小説だ。 話は黒船来航から始まる。木曽街道の宿場町、馬籠の本陣の息子とし…

とろけるような甘さ

最近読んだ本は、仕事のための勉強用のものが主で、読書のための読書ではなく、何かの役に立てようと思って読むものばかりだった。 勉強用の本といっても、なかなか興味深い本が多く、それはそれで楽しい読書ではあるけれど、うるおいには欠ける。 気分転換…