時事

これからが本番:FIFA World Cup

目が覚めてTVをつけたら、ちょうどBrazil対Chileの試合のpenalty shootoutが始まるところだった。 決勝までの組み合わせを見て、Brazilにとっても簡単な試合はひとつもないな、と思っていた。実際、最初からぎりぎりの勝負になった。 日本のgroup league敗退…

懸命さ、必死さ:日本とUSAのFIFA World Cup初戦

早寝早起きが習慣になっているので、今回のWorld CupのTV観戦にはつごうがいい。 group league初戦がおおむね一巡したところだが、引き分けが少なく積極的に得点を取りに行く試合が多くて退屈しない。Spain対Netherlandsのような番狂わせもあった。前回のWor…

日本のintellectualsはもっと英語で発言しよう

日本の英語教育をめぐる議論を読んでいると、どうにも気持ち悪い。 英語教育を改善すべきとの提案は善意から発しているのだとは思う。しかし、そのような議論をしているのは英語の習得に時間をかけることができたintellectualsであって、結局のところ「蒙昧…

学校における英語教育のあり方について

日本人の英語力が低くglobalizationへの対応について懸念する声がある。そして、英語力の低さの原因を学校における英語教育にあると考え、そのあり方が批判されている。 確かに日本の学校における英語教育には多くの問題があり改善の余地は大きいけれど、学…

「純文学」と「エンターテイメント」:佐村河内守名義の新垣隆と新垣隆名義の新垣隆

佐村河内守事件について音楽関係者からいくつかの論評がでてきた。 伊藤乾「偽ベートーベン事件の論評は間違いだらけ」(http://goo.gl/0S6Pxs) 森下唯「より正しい物語を得た音楽はより幸せである〜佐村河内守(新垣隆)騒動について〜」(http://goo.gl/vt3w…

人間の弱さについて:佐村河内守と藤村新一の事例

佐村河内守の代作者だったという新垣隆の記者会見があった。(http://goo.gl/LtVncX) この記者会見の内容に対する佐村河内氏側からの発表がないから、どこまでが事実なのか断定することは難しいけれど、事件の輪郭がある程度わかってきた。 この記者会見の記…

東京都知事選挙「選挙公報」を読む:都知事をどうやって選ぶのか

東京都知事選挙「選挙公報」を読む 東京都知事選挙の選挙公報が我が家にも配達され、今、それを眺めている。 候補者が提出した版下をそのまま印刷しているのだろう、内容、レイアウトなど、有力候補、泡沫候補によって千差万別である(内容にある程度の制約…

原子力発電所の再稼働に関する思考実験

今日も実現可能性の乏しい極論を書く。おそらく実現はしないと思うけれど、論点を明確にする効果があると考えている。 今日の主題は原子力発電所の再稼働をどのように決定すべきか、という問題である。 私の答えは、放射性廃棄物の最終処分、重大事故発生時…

「負け犬」のための民主主義

選挙が近づくと投票を呼びかける広報を見かける。 確かに投票をすることは重要なことだけど、私の場合は虚しさも感じる。 都知事選挙は、選挙権を得てから一回も当選した候補に投票したことがない。今回も有力候補に都知事としての魅力をまるで感じないから…

佐幕派改め共和主義者の改憲論

「佐幕派の「維新レジームからの脱却」論」(id:yagian:20140114:1389648498)にも書いたように、呉智英「封建主義者かく語りき」を意識しつつ「佐幕派」を称していくつかの極論を書いてきた。舞台裏を明かすのは野暮だけど、「佐幕派」という少数派の極端な立…

「あふれる"ポエム"」「パワースポットブーム」「前向きソング」

NHK「クローズアップ現代」で「あふれる“ポエム”?! 〜不透明な社会を覆うやさしいコトバ〜」(http://goo.gl/qsq5O3)という特集を見た。 このなかで取り上げられていた「居酒屋甲子園」というイベントや、やけに「前向き」な居酒屋に対して、Internet上で違…

佐幕派の「維新レジームからの脱却」論

呉智英のデビュー作に「封建主義者かく語りき」という本がある。戦後民主主義を「封建主義」(主として論語)の立場から批判したものである。 もちろん呉智英は半分冗談なのだけれども、半分は本気である。その気持はよく分かる。日本の戦後民主主義は確かに…

"Bandit(匪賊)"としてのAl-Qaeda

Eric Hobsbawm "Bandits" (エリック・ホブズボーム「匪賊の社会史」)を読み返した。 Eric Hobsbawmは、イギリスのマルクス主義歴史学者で、"The Invention of Tradition" (「創られた伝統」ちなにみ、kindleで廉価版が発売されているので、一読することをお…

道徳的な福祉:ObamaCare反対論への誤解

Americaには、根強いObamaCare反対論がある。この反対論は、きわめてAmerica的な現象であるため、反対論の根拠について誤解があるように思う。 日本におけるObamaCare反対論者のstereotypeは、創造説を信奉している頑迷なTea Party Movementの支持者か、Wall…

佐幕派の靖国嫌い

私は靖国神社が嫌いだ、佐幕派だから。 靖国神社のwebsiteに次のように書かれている(http://www.yasukuni.or.jp/history/detail.html)。 靖国神社の起源は明治2年(1869)6月29日に建てられた東京招魂社に遡ります… … …国内に避けることのできない不幸な戦い…

安倍晋三のいつかきた道

このところの安倍晋三首相を見ていると、第一次安倍内閣がたどった道に戻ってきたと感じている。 安倍晋三の信念は一貫していて「ブレて」いない。彼は、彼の考える日本の自立を目指し、憲法の改正、教育の改革、軍事力の強化を実現しようとしている。 第一…

抑圧される人と抑圧する人の解放:Nelson Mandelaと「深いcommunication」

しばらく前、社内で事業部門の人たちと顧客満足度を高める方法について議論をした。 相手の業界によっては、外注先(ここでは私の会社)の社員を日常的に怒鳴ることもあり、社員の「ストレス耐性」を高めることが必要だという意見がでた。 私の会社の社員は…

East Asiaにおける日米安全保障条約の存在価値

日本における日米安保条約に関する議論は、沖縄における基地負担、集団的自衛権の是非、実際に紛争が発生したときに米軍が介入するか、といった論点が中心である。 やや視点を変えて、East Asia諸国から見た日米安全保障条約の存在価値について考えてみたい…

"YOSAKOI"国日本

英語版のWeblogに、日本文化は「茶道」「禅」「浮世絵」「寿司」「オタク」だけではなく、「ヤンキー文化」(ないし"YOSAKOI")という世界が、実は主流の文化だということを紹介したことがあった。"Yanki and YOSAKOI: the Real Dominant Culture in Rural J…

The US Marine Corpsと橋下市長

野中郁次郎「アメリカ海兵隊」を読み、橋下市長の従軍慰安婦に関する発言について考えてみた。 ここでは、橋下市長が米軍普天間飛行場の司令官に「合法的に性的なエネルギーを解消できる場所が日本にはある。真っ正面から風俗業を活用してもらわないと、海兵…

憲法改正は必要か?

昨日は憲法記念日だったので、mass mediaやinternet上で憲法改正に関する記事をいくつか目にした。一日遅れになってしまったが、感想を書いてみたい。 私は「教条的」な護憲論者でもないし、かといって積極的な憲法改正論者でもない。憲法の改正が必要なら改…

「ボストンへ、ランナーを名乗る世界の一市民から」

村上春樹がニューヨーカーにボストンマラソンに関するエッセイを投稿していた。 "BOSTON, FROM ONE CITIZEN OF THE WORLD WHO CALLS HIMSELF A RUNNER" May 3, 2013, posted by Haruki Murakami (http://goo.gl/aT5l8) もともとは日本語で書かれたものを英訳…

陰謀論者とBuddha

昨日のentry「WTO脱退論?」(id:yagian:20130427:1367007188)で「アメリカ陰謀論者」について触れた。今日は、陰謀論とはなにか考えてみようと思う。 「陰謀論」には事実の裏付けはなく、それを信じていない人から見ると荒唐無稽に見えることが多い。「陰謀…

WTO脱退論?

昨日のエントリー「ミナサン、減税はおキライですか?」(id:yagian:20130426:1366927946)で、TPP交渉への参加の是非について基本的な考え方を整理してみた。今日はその補足をしたいと思う。 TPPに参加することは日本の主権の重大な部分を譲り渡すことになる…

ミナサン、減税はおキライですか?

TPP参加をめぐる賛成派の主張も反対派の主張も本質をついてないため、隔靴掻痒の感がある。 関税の引き下げは減税である。したがって、その関税の対象品目を購入する人のすべてに利益をもたらす。 ミナサン、減税はおキライですか? 一方、関税の引き下げに…

「グローバル人材」とは(なんじゃらほい?)

最近「グローバル人材」という言葉をよく目にするが、強い違和感を感じる。 なぜ「グローバル」がカタカナで、「人材」が漢字なんだろうか。「グローバル人材」に対応する英語があるのだろうか、それともよくある「和製英語」的な言葉なのだろうか。「グロー…

福島第一原子力発電所事故に関する個人的総括

東日本大震災から2年が経過して、福島第一原子力発電所事故に関するさまざまな調査結果、書籍などが発刊された。3月11日以来、集中的にそれらの本を読んでみた。その印象を簡単にまとめたいと思う。 いちばん説得力があると思ったのは、国会東京電力福島原子…

すべてはクリント・イーストウッドの映画から学んだ

英語版のウェブログ(http://goo.gl/EuVns)でクリント・イーストウッドの同性婚に関するインタビューを取り上げたエントリー"Let's Spend A Little More Time Leaving Everybody Alone: Clint Eastwood and Me"(http://goo.gl/tkTyX)を書いた。日本語話者にも…

オリンピックとレスリング

レスリングがオリンピック競技から外れる可能性が高まったということで連日ニュースに取り上げられている。私自身あまりオリンピックには興味がないというバイアスがあるけれど、オリンピック競技であることにこだわり過ぎるのもよくないのではないかと思う…

ほんとうに選挙に行くべきか?

日本語でウェブログを書く意義を見失っていることと、最近体調が下降気味なので、すっかりこちらのウェブログにはご無沙汰してしまっている。今日は、日本の衆議院選挙というドメスティックな話題なので、久しぶりに日本語で書いてみようと思う。 私は選挙は…