漢文

日本近代文学の黄金時代と日本近代散文の成立

水村美苗は「日本語が亡びるとき」で次のように書いて、かなり批判された。 …それは、日本に日本近代文学があった奇跡を奇跡と命名する勇気を私についに与えてくれた。だが、そお奇跡はそのまま喜びに通ぜず、その奇跡を思えば思うほど、ふだんからの悪癖に…

夏目漱石、西洋と東洋の文化の狭間で

以前のウェブログに「近代日本語は、伝統的な日本語「やまとことば」、漢文、西洋語が合成されたものである。」と書いた。(id:yagian:20110409:1302297897) 近代日本文学において最も重要な小説家の一人と評価されている(私は近代日本最高の知識人だと思っ…

和臭、英臭

最近、ウェブログを英語と日本語の両方で書いている。日本語のウェブログは英語の直訳ではないけれど、なるべく忠実に翻訳するようにしている。その方が、日本語学習者のために役立つのではないかと思っている。 日本人が書いた漢文は、よく「和臭」がすると…

ソ連と老子

今月の文藝春秋(平成二十年四月号)に「「見えない貧困」がこの国を蝕む」と題して佐藤優と桐野夏生が対談していた。そのなかで、かつてのソ連の実態について次のように語られている。 桐野 崩壊前のソ連というのは、やはり悲惨な状況だったんですか。 佐藤…

テイクオフ

今朝は久しぶりに元気があってジョギングをすることができた。満開になった梅の木の下を選んで走っていると、花の香りが漂ってくる。甘かったり、酸っぱかったり、木ごとに香りが違っていることに気がついた。体調がいい方向に向かえばいいなと思う。 昨日の…

論語の魅力

夕食前に飲んだギネスの缶ビールがやけに水っぽく感じられた。ビールは生ものだからけっこう味にばらつきがあるように思うけれど、それにしても薄すぎる。どうしたことだろう。 それはさておき、今日は、津田左右吉「論語と孔子の思想」(岩波書店 津田左右…

ヒキコモリ明け

ここのところ調子があまりよくなくて引きこもっていたが、久しぶりに外に出ようという気分になったので、図書館まで散歩をかねて行ってきた。久しぶりに本やCDをたくさん見たので、思わずたくさん借りてしまった。 論語を読む参考にしようと思い、津田左右吉…

2500年前のブロガー

昨日に続いて論語から気に入った節を引用したい。 子曰、學而時習之、不亦説乎、有朋自遠方来、不亦楽乎、人不知而不慍、不亦君子乎、 子の曰わく、学びて時にこれを習う、亦た説(よろこ)ばしからずや。朋(とも)あり、遠方より来たる、亦た楽しからずや…

必ず鄰あり

「せっかく」というべきか、なかなかとることができない長期休暇中を有効活用して、普段はなかなか読めないような古典を読もうと思い立った。ほんとうは、「有効活用」などということは考えず、ただのんびりした方がよいのかもしれないが、ついつい読書リス…

天下の難事は必ず易きより作こる

窓をいっぱいに開け、雨上がりの夕方の風に吹かれながらビールを飲んでいる。 結城さんのウェブログ(http://d.hatena.ne.jp/textfile/20070728/jkondo)を経由して、「自分はもうこれ以上は仕事できない、というところから5回くらいは壁を越えられる気がする…