イチローはいらない

ヤンキース対ツインズのプレーオフ第一戦は、サンタナに完封され、2対0で負けた。
中継を見ていないから、状況はよくわからないけれど、いいピッチャーがでてくれば、ヤンキースでも打てないときもある。それより、ムッシーナがそれなりに投げたということが収穫である。
最近ヤンキース戦以外の試合を見ているときは、どうも、ヤンキースのスカウトになったような気分で、この選手はほしい、この選手はいらないというような視線で見ていることが多い。そんな視線で見てみると、いまのイチローだったらヤンキースにはいらないなと思う。
年間最多安打の記録を作った時の記者会見で、イチローは「これまでの僕の野球人生の中では、最高に熱くなりました。(試合後にチームメートから)ビールを掛けられましてね、まさか最下位のチームで、ビールを掛けられるとは思わなかったです(笑)。」(http://www.major.jp/news/news.php?id=2004100254)と語っている。
そうか、1996年に、阪神淡路大震災のあとに「がんばろう神戸」をキャッチフレーズに日本一になったあの時より、今回の方がイチローは熱くなったのかと、と思った。
今年のマリナーズは弱かったから、イチローは自分の記録をねらうしかなかったということは理解できる。しかし、そうでなくとも、彼は、チームプレーよりは個人の成績を中心に考えているようにも思う。
先ほどのインタビューのなかで、「Q:ボールを見極めればフォアボールも増えるが。」という質問に、「A:僕はつまんない野球が嫌なので、それは自分のスタイルに合わないと思っています。ゲームに勝つには、そういうことも必要だと思いますけれど。」と答えている。
イチローほどの力があれば、単打のみをねらうのではなく、ボールを見極めて甘いボールをしっかり打って長打を増やす、そうすればフォアボールも増えて出塁率もあがるはずで、チームから見れば、そういうバッティングをしてほしいのだろうと思う。利己的だとまではいわないけれど、イチローは、そういうチームに貢献するバッティングがつまらないからいやだという。
ヤンキースのバッターは、ジーター、ロドリゲスジオンビー、シェフィールド、松井、ポサーダと、皆、ボールをよく見て、長打もフォアボールも多いバッティングをする。松井がいい場面でフォアボールを選んで出塁するシーンがよく見る。
そのようなバッティングが、チームにとってはいちばん貢献できるのだと思う。ヤンキースでは、そのような選手でなければ、結局、使われなくなって、トレードに出されてしまうことになる。
かつては、ヤンキースイチローをとらないかなぁ、と思っていた時期もあった。しかし、いまでは、イチローは、ヤンキースのチームカラーにはあっていないように思う。イチローは、自分のバッティングを追求できるチームにいて、自分の思うにバッティングを追求するのがよいと思う。それには、今のマリナーズは悪くない。
ヤンキースヤンキースで、あくまでもワールドシリーズ優勝を目指して、チームとしての野球を追求してほしい。