極限状態

結局、福岡への2泊3日となった。最近、国内出張では、離島にでも行かない限り、2泊以上することはあまりないから、珍しい長期の出張である。
今、東京に向かう飛行機の中でこの日記を書いている。移動の疲れと、ビジネスホテルで寝泊まりする疲れのせいか、身体の芯からだるくなっている。風邪をひいてしまったのかも知れない。なんとか明日、金曜日を乗り切って、週末は休養しようと思う。
予想していたとはいえ、今年のアメリカン・リーグリーグチャンピオンシップは過酷だった。
三連勝したときは、神がかったように打線が好調だったし、シリングの怪我という幸運もあったから、一種のフロックだったのだろう。冷静に戦力を比較すれば、これだけ接戦に持ち込めたということで、上々の結果だったと思う。とことん闘ってくれたヤンキースのメンバーの姿を思うと、今年は十分やったと思う(と書いて、自らを慰める)。
日本シリーズワールドシリーズなどを「短期決戦」という決まり文句で語ることがあるけれど、七試合も戦うとなると、先発ピッチャーのローテーションも二巡するし、とても「短期」の闘いとはいえないと思う。今回も、ヤンキースの打線の勢いは三試合続いたけれど、後半戦はまったく別の展開となってしまった。選手や監督にとっては、山あり谷ある。その上、延長戦が続き、ピッチャーの起用はまるで高校野球のような密度の濃い総力戦である。りで、ずいぶん長く苦しい闘いではないかと想像する。
それにしても、たった二泊の出張で体調を崩しているという自分に比べ、ポストシーズンも含めて全試合に出場している松井秀喜はなんとタフなことよ。疲労の蓄積がピークに達していると思えるこの時期、後半に失速したとはいえ、あれだけのパフォーマンスを示した両チームの選手たちにはおどろくばかりである。
昨日の日記(id:yagian:20041020#p3)にも書いたけれど、ヤンキースレッドソックスもすべてのピッチャーを使い尽くしている。シリングも、あとどれだけ投げられるかわからない。カージナルスアストロズの対戦もかなり厳しいようだけれども、レッドソックスに比べれば消耗度は小さいように見える。
こうなったらレッドソックスに世界一になってほしいという気持ちもあるが、田口くんにもがんばってほしい。また、アストロズのバグウェルの豪快なバッティングフォームとハードボイルドな佇まいはずっと気になっていたけれど、彼に、世界一になるおそらく最後のチャンスだから、これをつかんでほしいという気持ちもある。
羽田空港からの帰り道、身体がつらいのでなんとか座って帰りたいと思い、遠回りだけれども、京急で品川に出て、山手線で目白に行き、タクシーで帰ってこようと思った。思惑通り、始発の京急も、品川での山手線も座ることができた。しかし、新宿駅で「白河第一国民学校同窓会 於:京王プラザホテル」と書いた紙袋を持ったおばあさん方が大量に乗ってきた。さすがに立たないわけにはいかない。ドアの脇に手すりにしがみついて耐えていた。
家に着くと、つれあいが今日の試合について報告してくれた。いつもは、まぶしいかのように目を細めてクールにプレーしているジーターが、今日はバッターボックスで目を剥いていて、目が緑色だったことに気がついたという。そして、球場中が"Let's go Yankees"の大合唱だったという。
もう、今年のヤンキースは、ここまでやってくれたので、十分だ、と思った。