「ぼんれい」

先週、とある打ち合わせで、お客さんの担当者が「地図の凡例」のことを「ぼんれい」と発音した。
その瞬間に、「えーと、はんれいですか」とでも言えばよかったのだが、相手がお客さんであったこともあり、つい訂正する機を逃してしまった。お客さんの上司も同席していたから、彼が訂正してくれればよかったのだが。その後も、その担当者は「ぼんれい」を連発した。
そうなると、こちらが「凡例」を「はんれい」と発音することが憚れ、かといって、「ぼんれい」というわけにもいかない。その打ち合わせでは、「凡例」という言葉が、その担当者以外にとってNGワードになってしまった。
仕方がないので、地図の凡例の部分を指さして「えーと、ここがですね」などといって、NGワードの地雷を避けつつ、その打ち合わせを切り抜けた。
しかし、しかし、よくよく考えてみると、次の打ち合わせでも「凡例」はNGワードのまま、ということなのだろうか。もしかして、その人が何かのきっかけで「はんれい」と発音することに気が付かない限り、一生NGワードのままということなのだろうか。
次回の打ち合わせは、その担当の方をつれて、外部の人にインタビューする事になっている。インタビューの相手の前で、「ぼんれい」って言ってしまったらどうしようか。私が、なんとか機会をとらえて先に「はんれい」って言った方がいいのだろうか。
それより、なにより、その担当者の上司の人が、「はんれい」と読むんだよと、注意してくれないだろうか。上司の人に密かにメールで書いた方がよいのだろうか。
困った、困った。何で日本語では、ひとつの漢字に読みがいろいろあるのだろう。ややこしいったらありゃしない。