自意識過剰

少なくなったといっても、散歩をしていると、あちらこちらで野良猫と出くわすことになる。
雑司が谷商店街の続きの道にある駐車場で、妙な格好をしている猫を見つけた。後ろ足の片方を頭の後ろにあげて、まるでヨガのポーズをしているようだった。何をしているのだろうと眺めていたら、そのままの格好で、フーッと威嚇の声をあげた。
たぶん、この猫を股をなめていたのだろう。その瞬間にわれわれに見られているのに気が付いて凍り付いてしまい、そんな姿を見られたくないから威嚇したのだろう。
犬は、猫のように自意識過剰ではないから、妙な姿を見られたからと言って、その姿勢で固まってしまうことはないし、こっちを見るなと威嚇することもない。しかし、猫は、自意識過剰なあまり不思議な行動をしてしまうことがある。そこが猫のおもしろいところだ。
その猫が、見られることをいやがっていることは分かったけれど、不思議なポーズがおもしろく、かえって意地悪な気持ちになり、わざとじっと見つめてしまった。