出張

土曜日、名古屋まで出張である。
出張というからには仕事ではあるけれど、こちらから積極的にプレゼンテーションをする必要がなく、話を聞いていればよい仕事なので気楽である。休日ということもあり、スーツ、ネクタイではなく、半袖の襟が開いたシャツを着て、裾はパンツの外に出している。
つれあいによると、どんなに忙しい時のどんなに厳しい日程の出張でも、いやいや出発したことはけっしてないし、たいてい出発したときよりも元気になって帰ってくるという。たしかに、考えてみれば、会社に行くのはおっくうなときも多いけれど、出張に行くときにはそんなことはない。
家を出るとき、「まあ、出張は仕事だから」と言いながら、ことさらにきびしい表情を作ろうとしても、どこか浮かれている。昨日、会社で、への字口で「土曜日に出張が入ると、来週きつくなるんだよな」と言いながらも、目尻が下がっていたに違いない。