まだ死んではいない

ヤンキース対レンジャース四連戦の最初の二戦をテレビで見た。いまのヤンキースの良さと悪さを凝縮したような試合で、見ていて非常に疲れた。しかし、苦闘している今シーズンのヤンキースを最後まで見続けるのもファンとしての責務のようにも思う。
昨シーズンは、アレックス・ロドリゲスの調子がなかなかあがらず、なかなか打順が決まらなかった。しかし、今年は、ゲイリー・シェフィールドとアレックス・ロドリゲスが調子よく、打順も安定している。この二戦とも、先行されてもあわてず、じっくりボールを選び、ピッチャーが疲れたところの集中打で逆転するという強かった頃のヤンキースの野球ができていたと思う。
疑問があるとすれば、カノーを2番に使っているところである。シェフィールドとロドリゲスの前を打つとなると、どうしてもつなぎ役をしなければならなくなる。しかし、彼のバッティングを見ていると、つなぎ役をやるような器用さはないように見える。あの若さでヤンキースのレギュラーに成るぐらいだから、学生時代、マイナーリーグでは、ほとんどクリーンアップを打っていて、細かいバッティングを要求されることはなかったのではないだろうか。カノーが、ランナーが溜まった場面で出てくると、コーチのサインを理解するので精一杯という感じで、落ち着いたバッティングができない。バントも下手である。7番か8番ぐらいで自由にバッティングさせた方が結果がいいのではないかとも思う。バーニー・ウィリアムスの体調がよければ、彼を2番に入れてもいいし、松井を2番にすることもありうる。ようやくジオンビーの調子があがってきたから、松井の後の5番は彼に任せることができるだろう。
あと少々気になったのは、ホームランは打ったものの、ジーターが集中していないような表情をしていて、守備でも生彩を欠いていた。もしかしたら体調があまりよくないのかもしれない。
しかし、打線は、悪くはない。問題はなんといってもピッチャーである。第一戦では、ランディ・ジョンソンが腰痛で先発できず、プロクターが急遽先発した。プロクターは好投して5回を2点で抑えていたのだが、リリーフピッチャーが総崩れで、最後になんとかマリアーノ・リベラが抑えて逃げ切った。第二戦は、先発のアル・ライターが不調で、5回で5点取られた。この試合は、リリーフ・ピッチャーが点を取られず、リベラを出さずに逃げ切ることができた。
レンジャーズもヤンキース同様に、先発、リリーフともにいいピッチャーがいないから勝つことができたけれど、プレーオフに進出するような投手陣が安定したチームが相手だとかなり厳しそうである。これだけ先発投手が崩壊すれば、野茂が一軍で先発するチャンスもでてくるかもしれないのがひとつの楽しみになる。
いずれにせよ、もう、トレードでピッチャーを補強することはできない。ワールドチャンピオンになることは期待できないけれど、このような厳しい状況で、ヤンキースのメンバーがどれだけ踏ん張ってくれるか、シーズンの最後まで見とどけようと思う。