人間力と感情表現

民主党前原誠司代表が、偽メールの問題で、永田議員に議員辞職を説得することができず、代表を辞任することになった。
客観的に見ると、この状況で、永田議員に「やや理屈にあわないと思う」と言われてしまい、議員辞職を納得させることができないようでは、政治家として力不足だなと思う。この期に及んでは、理屈がどうこうという問題ではなく、人間力の勝負だと思うが、前原代表にはそれができなかったのだろう。
その一方で、私自身も、人間力の勝負にはからきし弱く、誰かを理屈抜きで説得して辞めさせることなどできそうにもなく、その意味では、前原代表に同情する。しかし、それだったら、民主党の代表などに立候補すべきではなかったとも思う。会えばいい人で、見識もある人なのかもしれないと思わせるけれど、政党の党首としては、まだ、準備ができていなかったということなのだろう。政治家としての善し悪しではなく、単純に、自分の意志を貫徹する力で見たとき、レーニン的な政治家小泉純一郎(id:yagian:20051225:1135520990)とは差が大きすぎる。
もう一つ気になることは、前原代表、そして、岡田前代表といい、感情の表現がうまくないことである。公的な場では感情を出すべきではないと思っているのかも知れないけれど、どれだけ正しいことを語っていても、無表情であると信用できないという印象を与えてしまう。また、人間的な魅力も見えにくい。この点でも、小泉純一郎は巧みだと思う。(政治家と感情表現について、この日記でも書いたことがある。id:yagian:20050917:p2)
最近の前原代表を見ていると、肩の荷を下ろして、はりつめたものがややゆるんだようにも見える。もう少し、自分の気持ちを表に出している彼の姿も見てみたい。