オタクじゃないけど

ひさしぶりに安野モヨコ「監督不行届」(祥伝社 ISBN:4396763549*1を読んだら、あまりにおもしろくて何度も爆笑してしまった。
このマンガは、安野モヨコが「「日本のオタク四天王」と呼ばれる男」である庵野カントクとの結婚生活のについて、夫のオタクぶりにつっこみをいれつつ書いている。このなかにでてくる庵野カントクの行動を見ていると、自分にも思い当たるところがあまりにも多すぎて、笑える。
つれあいによると、結婚してはじめて、私がオタクだったことがわかったという。私は、自分のことは、オタクではないと思っている。オタク的な領域にはあまり興味がないし、ひととおりの知識しかないから、とてもオタクなどとは名乗れない。しかし、対象はオタクの人たちとは違っているけれど、気質、行動様式はオタク的なところもあるかもしれない。「監督不行届」での庵野カントクの行動を見ていると、似ているところが多すぎる。
このマンガのあとがきで、庵野カントクがこんなことを書いている。

 いわゆるオタクの内包的な特徴を挙げると、内向的でコミュニケーション不全、つまり他者との距離感が適切につかめないとか、自己の情報量や知識量がアイデンティティを支えているとか、執着心がつよいとか、独善的で自己保全のため排他的だとか、会話が一方的で自分の話しかできないとか、自意識過剰で自分の尺度でしか物事をはかれないとか、ナルシスト好きだとか、肥大化した自己からなりきり好きであこがれの対象と同一化したがるとか、攻撃されると脆い等々、とかくネガティブイメージの羅列になってしまうのですが、そこらを有りのままに描いているのがいいですね。

庵野カントク、自分のことをよくわかっていらっしゃる。しかし、おおむね、自分にもあてはまる。つれあいが私のことをオタクというのもまとはずれではないのかもしれない。