MMAはいずこへ

大晦日はつれあいの実家に行っていたとはいえ、紅白歌合戦フィギュアスケートを見て、「K−1 Dynamite!!」はザッピングもしなかった。「PRIDE男祭り」は地上波で放送されず、それを見るがためにCSに加入する気持ちもわかない。
秋山−桜庭戦の論争にもさほど興味がわかない。あくまでも勝つことを追求するアマチュア出身の秋山であれば、ありうることかもしれない。しかし、ヌルヌルがあろうがなかろうが、今のコンディションの桜庭では秋山に勝つことは難しいだろうし、そんなことをせずにすっきりと勝ってみせればいいんじゃないかと思う。魅せて勝つことを目指す桜庭にとって、特に、自分のコンディションが不十分なことを自覚している時に、タックルに行った足がすべることに過剰反応してしまった可能性もあると思う。しかし、私にとっては、たいした問題ではない。重要なことは、秋山にさっぱり心惹かれないことだ。
K−1 Dynamite!!」(http://www.k-1.co.jp/database/20061231rslt.html)と「PRIDE男祭り」(http://www.prideofficial.com/)の対戦表をながめていて、新陳代謝が進んでいないと思う。去年スターに上り詰めたという選手がおらず、将来を期待できる選手がいない。
思い出してみれば、初回のDynamite!が国立競技場で開催されたのが2002年の夏。そのとき、桜庭とミルコ・クロコップがメインイベントで、ボブ・サップアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ相手に出世試合をし、そのとき、ボブ・サップのセコンドに、ジョシュ・バーネットがいた。そして、吉田秀彦ホイス・グレイシー戦でプロデビューした。 この時点から、新しいメンバーが加わっていない。
おととしの大晦日では、五味隆典対桜井マッハ速人、山本キッド対須藤元気が、初回のDynamite!以降の新顔だった。しかし、彼らも、2002年には修斗パンクラスでにスターになっていた。須藤元気は引退し、彼らもキャリアと年齢を考えれば、最高のコンディションできる試合はもうそれほど残されていないだろう。将来、日本の総合格闘技界のピークは、Dynamite!とPRIDEのヘビー級トーナメントとミドル級トーナメントがピークだったと回顧されるようになるのではないだろうか。
そう考えると、年齢は若くないけれど、総合に転向してから2年でコンディションもよさそうに見える秋山成勲は貴重な選手であるはずだ。その肝心な秋山に惹かれないのである。私だけではなく、あまり人気も盛り上がっていない。そして、K−1では、秋山が光るマッチメイクが想像できない。今、試合を見てみたい選手は、五味隆典ぐらいしかいないが、彼も、ウェルター級トーナメント以上に輝くマッチメイクは難しそうだ。
これは、PRIDEやK−1というプロモーションが行き詰っているのか、それとも、MMAという興行、競技が行き詰っているのだろうか。
今は、MMAより、長谷川穂積のアメリカ進出が実現するか見守っていく方がわくわくする。