トラブル・メーカー対トラブル・メーカー

中村紀洋オリックスの契約交渉が決裂して自由契約になったという。
それにしても、中村紀洋オリックスも契約上のトラブルが多い。そんなトラブル・メーカー同士が交渉すれば、決裂するのもやむをえないかもしれない。
2002年末、中村紀洋ニューヨーク・メッツとの契約が、ほぼ合意しつつも決裂したときの交渉の裏側を取材したドキュメンタリーを見た覚えがある。中村紀洋が雇っていた代理人が、MLBでの代理人の経験がなく、交渉の方法や契約のルールの知識が欠けていたようだった。中村紀洋が交渉決裂した理由として、最終的な合意に至る前にメッツのウェブサイトに契約について書かれていたことを挙げていた。しかし、MLBの各チームのウェブサイトは、球団が管理しているわけではなく、独立したジャーナリストが書いた記事が掲載されている。そのことすら、代理人が理解していないとすれば、交渉がまとまらないことも当然である。
どうも今回のオリックスとの交渉においても、中村紀洋と代理人との意思疎通がうまくいっていないように見える。すぐれた代理人を雇えないのは、中村紀洋に問題があるのか、それとも、偶然なのだろうか。
また、オリックス中村紀洋の扱いにも問題があると思う。中村紀洋ドジャーズから帰国したとき、オリックスは1年間2億円+インセンティブの条件で契約した。そのとき、オリックス中村紀洋に何を期待したのだろうか。たしかに、2006年のシーズンは、中村紀洋が怪我で満足な成績を残せなかった。しかし、その程度の成績にとどまることは想定内だと思う。それを、今回の交渉では、はじめから放出もやむなしと考えているかのような条件を提示した。前年の契約の条件は、オリックスはどのように考えて設定したのだろうか。球団側も、一貫性に欠けていると思う。
今になっては、と思うけれど、全盛期にあった2002年にいい代理人を雇ってMLBに行ければよかったのだろうけれども。