メメント・モリ

職場復帰に向けた最後の休養ということで、軽井沢に来ている。今日は、善光寺にお参りをして、小布施葛飾北斎の肉筆画を見てきた。
釈尊の教えの核心を自分なりにまとめると、生きとし生けるものはみな、生き、老い、病み、死ぬという苦しみから逃れることができないという事実を直視することだ。言葉にするのはたやすいことだが、実践することは難しい。
二度目の休職になってうつ病からはたやすく逃げ出すことはできないことを悟ってから、自分にとってほんとうに大切なことについて考え直し、生活の上での優先順位を変えた。病を直視した生活ができるようになってきた、ということなのだと思う。
釈尊の悟りは、つねに生老病死をリアルに体感し、いつ死んでもかまわない生き方をし続けることだろう。それにはほど遠いけれど、この病気のおかげでほんの少しだけだけれども悟りに近づいたのだと思う。
そんなことを考えながら善光寺の仏様を拝んでいた。