ターニング・ポイント

思い出してみると、この苦しさはうつなのではないかと思って精神科に行こうと思った瞬間がターニング・ポイントだった。
その瞬間まで、精神的な状況も仕事の状況も悪くなる一方だった。精神科に行ってうつだと診断してもらってから、精神的な状況も仕事の状況もよい方向に向きを変えた。
精神科でうつと診断してもらい、すぐに傷病休暇に入ることになった。それまで抱えていて滞っていた仕事のすべてを引き継いでもらい、2か月ぐらいで片がついた。自分の精神的な状況は、すぐによくなる、というわけにはいかなかったけれど、精神科にかかる直前のあの状態に再び落ち込んだことはない。ゆっくりとだけれども、よい方向に向かっている、と思いたい。
川田亜子の自殺のニュースを見て、彼女はこのようなターニング・ポイントをつかむことができなかったのだろうと残念に思った。その一方で、自分はたまたまターニング・ポイントをつかむことができて幸運だったけれども、もっと状況が悪くなった可能性もあったとも思う。
専門の医者にしっかりと診断してもらう機会を作ることが必要である。自分で危ないと思ったとき、また、周囲に危ないと思われる人がいたとき、ぜひ、専門の医者に行くように勧めてほしい。
しかし、精神科の外来は混んでいることが多い。実は、私が精神科に行こうと思い、病院を訪れた時には、予約は2週間後でなければとれないと言われた。とても2週間は保たないと思い、コネを使ってすぐに診察してもらった。もし、診察まで2週間かかっていたら、どれだけ状況が悪くなっていたかと思うとぞっとする。うつと診断してもらい、休暇に入るというところまで救急で対応してもらえないだろうか。