地球温暖化問題を学習してみる

ここしばらく地球温暖化問題について書こうと考えながら、なかなか着手できなかった。
私は、地球温暖化問題に対する対策について疑問を感じている、という意味では温暖化問題懐疑論者ということになると思う。地球温暖化問題について書くとするならば、その対策についてなぜ疑問を感じているのか、誰にでも理解できるようにわかりやすく書きたいと思った。そう考え、構想を練っていると、自分の地球温暖化問題に対する知識に欠落が多すぎることがわかり、書き始められなかった。
それだったら逆転の発想で、立派な文章を書いて読者を説得しようとするのではなく、自分もいちから地球温暖化問題を学習するつもりで、調べながら書いてみようと思った。その結果、自分の疑問が解決されて地球温暖化問題対策の推進論者になってもよいし、やはり疑問は疑問のまま残されて地球温暖化問題の懐疑論者のままであってもよいと思う。
地球温暖化について学ぶためのテキストとして、次の四つを取り上げてみようと思う。
まず最初、IPCC「第四次評価報告書統合報告書 政策決定者向け要約」(以下、「SPM」と略す)*1
IPCC(Intergovernmental Panel on Climate Change:気候変動に関する政府間パネル)とは、人為的な気候変動のリスク、つまり地球温温暖化に関する最新の科学的・技術的・社会経済的な知見をとりまとめて評価し、各国にアドバイスすることを目的とした政府間機構で、科学者が中心メンバーになっている。その報告書は地球温暖化問題に関するサミットや気候変動枠組条約における締約国会議(COP)での議論の基礎となっている。
「第四次評価報告書」は、2007年11月に承認されたIPCCの最新の報告書である。現在、地球温暖化問題に関して最も正統的な知見という意味で、この報告書を取り上げる。
二冊目はラジェンドラ・パチャウリ「地球温暖化 IPCCからの警告」。この本は、IPCC議長であるパチャウリ氏へ、第四次評価報告書を取りまとめた後に行ったインタビューである。SPMは、ぎりぎりまで切り詰めた文章で書かれている。その背景、行間を知るために参考になる。
そして、懐疑派の本を二冊。ビョルン・ロンボルグ「地球と一緒に頭も冷やせ」、赤祖父俊一「正しく知る地球温暖化」。
まずは、SPMに何が書かれているか、それを追いながら、あわせて懐疑論者の論点も紹介していきたい。
長くなりそうなので、今日はここまでにして、明日以降、徐々に書き進めていきたいと思う。

ラジェンドラ・パチャウリ―地球温暖化 IPCCからの警告 (NHK未来への提言)

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正しく知る地球温暖化―誤った地球温暖化論に惑わされないために

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