読書感想文

川上弘美「古道具中野商店」を読み終えた。
この本の読書感想文を書こうと思っているけれど、どうも言葉が出てこない。
読書感想文を書くということは、読書に触発されて自分のなかに生まれた言葉を書き連ねることだろう。この本を読み、気持ちが揺り動かされたのだけれども、それが言葉という形にならない。
ページの隅を折り、赤線を引きながら批評的に読めば、ウェブログ一回分の感想文は書けそうな気はするけれど、この小説を批評的に読むのはあまりおいしい読み方ではないように思い、ただ、小説の流れに身を任せて読んだ。
電車のなかでこの本を読んでいたら、乗り越しそうになってしまったぐらいだから、それだけ小説の中の世界に没頭できたということだ。この小説によって気持ちの揺り動かされ方は、ゆったりと穏やかで、心地いい。
そんなこの小説は好きだ。そして、川上弘美の小説はこれからも読み続けようと思う。
今はこれ以上、うまく言葉にならない。

古道具 中野商店 (新潮文庫)

古道具 中野商店 (新潮文庫)