属国

日本経済新聞を読んでいたら、こんな記事があった。

米中の閣僚が一堂に会し、経済や安全保障分野の懸案を議論する初の「戦略・経済対話」が28日、2日間の日程を終えて閉幕した。貿易不均衡を是正して持続可能な経済成長を実現するため、マクロ経済政策で協調することを確認。米国は過剰消費の是正、中国は内需拡大を進める考えを表明した。
(日本経済新聞2009/07/29夕刊一面)

貿易の不均衡は、当事国のどちらか一方だけが原因となって引き起こされるものではない。輸入国側の消費の過剰と輸出国側の内需の不足があいまって引き起こされる。だから、今回の米中戦略・経済対話で、「米国は過剰消費の是正、中国は内需拡大を進める」という、それぞれの国がそれぞれの対策を進めるという考えは理にかなっていると思う。
しかし、日米で貿易の不均衡が問題になったときに、アメリカからこのような冷静な議論がでてきただろうか。日本の輸出や内需拡大が問題とされ、アメリカの過剰消費が問題とされることはなかった。
このような違いがあるのは、アメリカから見て中国は対等な交渉相手であり、日本は属国と見られているからだろうか。