北陸旅行

一昨日から1泊2日で福井県と石川県に行ってきた。
羽田空港から小松空港に飛び、そこから福井駅までバスに乗った。福井駅から、単線に一両編成の電車が走っている素朴な雰囲気のえちぜん鉄道に乗って永平寺口駅へ行く。暖房もない木造の狭い待合室で永平寺行きのバスを待つ。永平寺は、福井県では代表的な観光地のはずだけれども、その玄関口である永平寺口駅は観光地といった雰囲気はほとんどない田舎の小さな駅である。
永平寺行きのバスが山の中に向かって進んで行くにしたがって、道の脇の雪が深くなってくる。永平寺の門前に着くと、ささやかな門前町がある。ここも大寺院の門前町という華やかさはない。永平寺のまわりには雪が2mぐらい積もっている。建物と建物の間はわたり廊下でつながっていて、雪を踏まずにお参りができる。永平寺の建物のなかには暖房の設備はなく、天井の高い空間はひんやりとした空気で満たされている。そのなかで、修行僧が儀式の練習をしていた。永平寺は、観光の場ではあるけれど、現世利益を提供するお寺ではなく、禅の修行の道場である。そんな厳粛な雰囲気があった。
永平寺からバスと電車を乗り継いで、加賀山代温泉べにや無何有という宿に泊まった。食事がとてもおいしかった。特に、日本海の海産物、寒鰤、甘海老、のどぐろ、ずわい蟹がよかった。山の中の温泉も風情があっていいけれど、食事は海が近い温泉の方がおいしい。ちらつく雪を眺めながら露天風呂に入った。温泉は寒い所、寒い季節がいい。芯まで冷えきった身体を浴槽に沈めると、手足の先の毛細血管に血が巡るじんじんした感覚が気持ちいい。
翌日、山代温泉の街を散策する。落ち着いたしっとりた温泉街である。江戸時代に九谷焼を再興した吉田屋の窯跡(九谷焼窯跡展示館)があり、現在もいくつもの九谷焼の窯元がある。やきもののことはあまりよくわからないけれど、九谷焼窯跡展示館のボランティアの方に親切に説明してもらい、九谷焼のことがなんとなく理解できた。直感で気に入ったうずらの絵が入っている五彩の皿を買った。
越前と加賀は隣り合っているけれど、越前は素朴で、加賀はあか抜けていた。