原典が先か入門書が先か

このところ、わからない、わからないと、うんうんうなりながらフーコーの「臨床医学の誕生」「監獄の誕生」「言葉と物」を読んだ。
原典を読むのも少々疲れたこともあって、中山元フーコー入門」を手に取った。
自分が読んだ本を解説した部分を読むと、頭にすらすらと入ってくる。この要約は、原典のあの部分のことを書いているのだなとわかる。もやもやしたものが整理されて、しっくりする感覚がある。また、この部分は、自分の理解とちょっと違うなぁと思うところもあり、自分なりの理解が深まっていく。
一方、まだ読んでいない本を解説した部分を読むと、書いてあることは一応理解はできるけれど、今ひとつ腑に落ちない感じがする。たぶん、わからないながらも原典を読むことには意味があるのだろう。
入門書に書かれていることは、いわばあらすじである。原典には寄り道の部分がたくさん書かれている。寄り道の部分はなかなか理解しにくいけれど、それを読むことによって、あらすじを頭で理解するだけでなく、腑に落ちるのだろう。入門書を読むと、腑に落ちない部分を確認するために、原典にあたりたくなる。
しかし、原典から読んだ方がいいのか、入門書から読んだ方がいいのか、なかなか難しいところではある。
原典から読むのは、やはり敷居が高い。わからないところを我慢して読み進めなければならない。しかし、入門書から読んでしまうと、入門書を書いた著者の読み方に拘束されてしまうように思う。
これから、フーコーの主著の読破を目指して読み進めたいと思う。原典を先に読んだ本と、入門書を先に読んだ本で、理解にどのような違いがあるのか、確認しながら読んでいこうと思う。

臨床医学の誕生

臨床医学の誕生

監獄の誕生―監視と処罰

監獄の誕生―監視と処罰

言葉と物―人文科学の考古学

言葉と物―人文科学の考古学

フーコー入門 (ちくま新書)

フーコー入門 (ちくま新書)