バリ旅行:旅の準備

夏休みにバリへ旅行してきた。
私の勤めている会社は、お盆時期に全社一斉夏季休暇になる。以前は、各自が仕事を調整して他の人とずらして夏休みを取っていた。しかし、仕事に余裕がある人が夏休みを取り、仕事が忙しくていちばん夏休みを取らなければならない人が夏休みを取らないことが多かった。そこで、夏休みの取得率を上げるために、会社を一週間クローズしてしまい、なかば強制的に夏休みを取らせるようになった。
毎年確実に夏休みが取れるようになったのはよかったのだけれども、夏季休暇がハイシーズンになってしまったため、旅行をするには値段も高く、早めに予約しないとホテルや飛行機がちょっと都合が悪くなってしまった。
4月頃になると、つれあいとその年の夏休みの旅行はどこに行こうかと相談し、5月の連休明けに予約をする。去年の夏の旅行は北海道だったから、海外で南の方に行こうということになった。
南の島は大好きで、沖縄やハワイにつれあいをなかば無理矢理連れて行っていた。最近では、つれあいも南の島に慣れてきて、自分なりの楽しみ方を見つけているようだ。しかし、盲点のようにこれまでバリには行ったことが無かった。海を楽しむのだったら八重山の方がきれいだろうし、リゾートでのんびりするんだったらハワイに行った方がよさそうだし、アジア的喧噪だったらタイで十分楽しんだことがあると思っていた。ただ、頭の片隅ではバリは気になっていて、たまにウェブサイトでリゾートホテルを検索したりしていた。
沖縄もハワイもいいし飽きたという訳ではないけれど、最近、新しい国に行くというちょっとした冒険心を満たすことしていなかったことに気がつき、バリに行こうかという話になった。バリのリゾートは、ホテルにすべてがそろった大型の高級ビーチリゾートホテル、サーファーやバックパッカーが安宿に長期滞在してナイトライフを楽しむビーチだけではなく、ウブドという内陸にあるバリの文化や生活が残された地域に小さめのリゾートホテルが点在している地域がある(バリのリゾートエリア: http://www.balibali.jp/info/bef08.html)。ビーチリゾートだったらバリに行こうと思わないけれど、ウブドだったらおもしろいかもしれないという気持ちになった。
最近、ホテルを探すときには、だいたいそのホテルのウェブサイトから感じられる雰囲気で判断している。その判断で、まちがったということはあまりない。それぞれのホテルの個性や目指す方向は、どことなくウェブサイト作りにも反映されるのだと思う。特に、ウェブサイトにお金をかけられない個人経営の小規模なホテルの場合には、ホテルのオーナーの性格までわかる。
今回は、団体客がこない、高級すぎない小さめの落ち着いたホテルがいいなと思っていた。Alila Ubud(http://www.alilahotels.com/ubud)のウェブサイトを見て、シンプルでおしつけがましくないところ、緑に囲まれた写真に心が惹かれた。そのあと、ホテルの評価サイトやAlila Ubudに泊まった人のウェブログをチェックして、ウェブサイトから得た第一印象にまちがいがなさそうだということを確認して、ここに泊まることを決めた。
5月の連休明けには、Alila Ubudのウェブサイトの予約のページではお盆時期は満室になっていた。どこかAlila Ubudの部屋を取れる代理店はないかとインターネットで探すと、JTBでAlila Ubudと飛行機のパックがあったので、すかさず予約した。JTBはサービス過剰で少々押し付けがましいという印象があるけれど、ホテルの部屋を押さえているという点ではさすがで、去年の北海道旅行でも他では満室だったウィンザーホテル洞爺(http://www.windsor-hotels.co.jp/toya/)も、JTBのウェブサイトからは予約できた。最近では、価格も他の代理店とあまり差がなくなってきた。
ホテルと飛行機が取れたので、夏休みまでゆっくりと旅行の計画を練ることを楽しめばいい。まず、バリ島の基礎情報を押さえるために、ロンリープラネットの「バリ島ロンボク島」を買った。ロンリープラネットのガイドブックは、日本のガイドブックとは違って写真は少ないし、地図も小さくて読みにくいけれど、とにかく情報量が多くて、その内容も比較的信頼できるから、いちおう一冊は買っている。バリの雰囲気をつかむために、山下マヌーの「一週間バリ」を買った。山下マヌーは、書く対象の観光地といいかんじの距離を保っていて、のめり込みすぎず、しかし、しっかり楽しんでいるという感じで、自分たちの旅行のスタイルに近いと思う。あと、ウブドについて詳しい情報ということで「バリ島ウブド 楽園の散歩道」というウブドだけのガイドブックを買った。カラフルな写真と地図がたくさん載っていて、ウブドに行くのが楽しみになってくる。ウェブサイトからもいろいろな情報が得られるけれど、断片的なものが多く、体系的に書かれているガイドブックを買う意味はまだまだあると思う。
旅行自体だけではなく、旅行に行く前にあれこれ想像しながら計画を建てることも楽しみである。だから、ガイドブックを見ながら、現地で何をしようか考え、計画表を作ったりする。けれども、いかに情報量が多いロンリープラネットのガイドブックを読んでも、現地で半日待ち歩きして得ることができる情報量の方がはるかに多い。計画は建てても、現地に行ってからはそれを捨てて、臨機応変に行動した方がいい。JTBからはオプショナルツアーが書かれたパンフレットが送られてくるけれど、それが目的ということを除けば、現地に行く前にオプショナルツアーを予約するのはやめたほうが賢いと思う(以前、ドルフィンスイムを目的にハワイのカハラホテルに泊まった時は、日本からアクティビティを予約して行った。これはその例外。http://jp.kahalaresort.com/)。現地のインフォメーションセンターやホテルのコンセルジュに相談してから決めた方が満足度が高いし、せっかく自由を楽しむために旅行をするのだから、自分で自分を縛ることはない。その日、その日の気候や体調を見ながら何をするか決めればいい。現地に行ってからガイドブックを読み直すと、東京にいたときには理解できなかった部分が理解できるようになる。思わず現地のホテルやカフェでガイドブックを読み込んでしまうことも多い。
旅行の一か月前になると、成田空港に飛行機の出発時間の3時間前に到着する成田エクスプレスを予約する。以前、東京シティエアターミナルでチェックインできたころは、仕事で海外出張するときによく利用していた。チェックインしてしまえば、多少バスが遅れても飛行機は待ってくれるはずだし、箱崎より先はあまり渋滞していなかった。今は、行きにリムジンバスを利用することはない。スカイライナーも速くなったけれど、池袋から座って行ける成田エクスプレスは少々時間がかかっても楽なので選んでしまう。
以前は、ソフトバンクの携帯電話を利用していたので、ボーダーフォン時代の遺産のおかげか、自分の携帯でそのまま海外でローミングできた。今はAUに乗り換えているので、成田空港で海外用の電話をレンタルしてチップを入れ替えることになる。前回、LAに旅行した時は、予約せずに成田空港のAUのカウンターに行ったら、在庫が無く借りられなかった。今回は、事前に予約を入れることにした(しかし、予約のとき、日付を一か月間違えてしまい、結局予約なしで借りることになったが…)。海外旅行中、携帯電話を使うことはあまりないし、必須だとは思わない。今回も、ローカルのスパに予約を入れるのに一回使っただけだった。これも、携帯電話がなくても、ホテルの電話やコンシェルジュを通して予約することができる。日本から電話がかかってくることもなかったし、仮に緊急事態で連絡があっても旅先では何ができるということもない。しかし、なにかトラブルがあったときに、ホテルや現地のエージェントに連絡ができるのが心強いので、二人で一台携帯電話をレンタルすることにしている。
前日になり、荷造りをする。今回は、暖かいところへの旅行だから、あまり荷物は大きくならない。飛行場からホテルの往復はJTBの送迎が付くので、バックパックではなく二人で小型のスーツケースを持って行くことにする。Tシャツ、短パン、水着、下着をまるめてスーツケースに放り込み、パスポートをチェックして、財布から不要なカードを抜き、あっというまに旅の準備が終わってしまう。そして、旅行に持って行く本を選ぶ。海外のリゾートに行くと、プールサイドで分厚い本を読んでいる外国人をよく見かける。しかし、さすがにハードカーバーはかさばるので、小さい本から選ぶ。けれど、旅先で本を読み尽くしてしまい、読む物がないという状態は避けたいから、ある程度の長さのある本になる。今回は、熱帯に行くので、熱帯つながりでレヴィ=ストロース「悲しき熱帯」を選んだ。つれあいは、バリをフィールドにしていた文化人類学者クリフォード・ギアツの「文化の解釈学」を選んだ。
さて、あとは成田空港に行くだけである。

ロンリープラネットの自由旅行ガイド「バリ島&ロンボク」

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1週間バリ

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バリ島ウブド 楽園の散歩道 (地球の歩き方GEM STONE)

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悲しき熱帯〈1〉 (中公クラシックス)

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悲しき熱帯〈2〉 (中公クラシックス)

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文化の解釈学〈1〉 (岩波現代選書)

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