バリ旅行:四日目水田の道を歩く

「バリ旅行:旅の準備」(id:yagian:20100813:1281688165)「バリ旅行:一日目東京からウブドへ」(id:yagian:20100814:1281737193)「バリ旅行:二日目ウブドを歩く」(id:yagian:20100815:1281874220)「バリ旅行:三日目バリの文化に触れる(id:yagian:20100815:1282479801)」「バリ旅行:三日目バリの文化に触れる(承前)(id:yagian:20100815:1282567387)」の続きです。

プールサイドで

今日がバリでの最終日。飛行機の出発の時間は深夜の0:25で、ホテルに迎えの自動車がピックアップに来るのは夜の8:25だから、一日中ゆっくり遊ぶことができる。チェックアウトの時間は12:00だから、午前中はホテルでゆっくりすることにした。
早めに朝食を食べて、「悲しき熱帯」を持ってプールサイドに行く。バスタオルを借りて、ビーチチェアを確保する。まず、プールに入ってゆっくりとクロールで泳ぐ。プールの壁を蹴り身体をまっすぐ伸ばして水を切って進んでいく。プールの水は冷たく、気持ちがいい。
プールから上がってビーチチェアで寝そべって本を読む。空にはツバメのような鳥が飛んでいる。陽の光で皮膚がちりちりする。
ウブドには圧倒的に西洋人の観光客が多いが、プールでも西洋人が多い。さまざまな言葉が聞こえてくる。ウェイターがちょっと甘いアイスティを持ってきてくれる。それをすすりながら、今日でバリ旅行が終わってしまうのがさびしい気分になる。

水田の道を歩く

部屋に戻ってスーツケースに荷物を詰めて、ベルボーイを呼び、ロビー棟に行ってチェックアウトする。
ホテルのシャトルバスに乗って、午後はウブドの町で過ごすことにした。
昼食にナシ・チャンプルーを食べる。チャンプルーは、インドネシア語でも「混ぜる」という意味のようで、沖縄料理のゴーヤ・チャンプルーと同じである。なぜ、インドネシア語と沖縄方言に同じ言葉があるのだろうか。
その後、ウブドの町から5分ほどはずれたところまで歩くと、そこは水田景観になっている。

日本の水田は耕地整備が進み四角くなっているけれど、バリの水田は自然なカーブを描いていて美しい。水田の中に牛小屋がある。おそらく、水田を耕すのに使われているのだろう。
あぜ道が散歩のルートになっていて、観光客が歩いている。さすがに日差しが強くて外を歩くのは少々消耗する。疲れたころ道端にカフェがあって、繁盛している。
ちょっと心配だったけれどおいしそうに飲んでいる人がいたので、スムージーを注文した。マンゴー味のスムージーをすすりながら、水田を眺めていた。鶏が走りまわり、白鷺がついばんでいる。

プリ・ルキサン美術館(http://www.mpl-ubud.com/)

水田の道を歩いた後、プリ・ルキサン美術館に行った。
バリアートの絵画が年代順に並べられている。くすんだ色あいの絵が多い。神話をテーマとした絵や村での暮らしを描いた絵が多い。
町にもバリアートの絵を売っているギャラリーがたくさんあるけれど、プリ・ルキサン美術館には素人目にもレベルが違う絵が並べられている。
暑さに疲れ、天井の扇風機の風を受けながら椅子に座って絵をぼんやりと見ている。疲れた気分を癒してくれるやさしい感じの絵が多かった。

おみやげを買い、バリ・マッサージで疲れを癒す

美術館を出た後、ウブドの町でおみやげを買う。
お菓子は会社へのおみやげにはちょっと危険な感じがしたので、"Kou"という小さなお店で自然系のせっけんを買う。バリは海外の観光客に対しては癒しのイメージを売っているから、オーガニック系のカフェやおみやげものがたくさんある。
ぶらぶら歩いていると、かわいらしい小さなアクセサリーの店があり、そこで夫婦でおそろいのハスの花のペンダントを買った。
雑貨を売っているちょっと気の利いた小さな店が並んでいるから、雑貨好きの人にはたまらないだろうと思う。
その後、予約をしておいたウブド・ボディワークス・センター(http://www.ubudbodyworkscentre.com/)に行った。私はバリ・マッサージを、つれあいはクリームバスを選んだ。京都の町屋のように、間口は狭いけれど奥に向かって長く、中庭を囲んで建物が建っている。中庭ではなぜかコウモリが飼われていた。
1時間しっかりとマッサージをしてもらった。お腹もかなり強い力で、胃をつかまれているかのようにもまれる。マッサージの前には食事はしない方がいいと思う。
マッサージの内容はホテルのスパとは変らないしっかりとしたものだった。値段は110,000ルピア(約1,100円)だった。もし、バリに長期滞在していたら、通ってしまったと思う。
会社の仕事で固まった身体が、プールでの水泳とバリ・マッサージの効果でずいぶんやわらかくなったように感じられた。

サテでビールを飲む

最後の夜は、バタン・ワル(http://www.baligoodfood.com/Batanwaru.asp)というオーガニック・カフェに行った。
ここの料理はなかなかおいしかった。海老の炒め物と甘めの味噌をつけたサテ(串焼き)をつまみにして、やっぱりビンタン・ビールを飲む。
ウブドのカフェやレストランの多くは、屋根だけで壁がなく、半分オープンのスタイルになっている。夕方になると風が涼しく気持ちがいい。冷房の人工的な冷たい風ではなく、自然の風に吹かれながらビールは特においしく感じる。

熱帯の高原

熱帯の高原は、世界のなかでもいちばん気持ちよく、すごしやすい地域かもしれない。
日差しは暑いけれど、日陰に入ればさわやかで、朝夕は涼しく夜はぐっすり寝ることができる。そして、その気候が一年中続く。建物は、その気候を最大限に活かして、風が吹き抜けるように作られている。
同じ熱帯でも、バンコクは戸外は灼熱で、室内は冷やしすぎの冷房で、身体にはやさしくない。ウブドは冷房がほとんど必要ない気候である。ビーチリゾートも悪くないけれど、ちょっと山に入ったところの方が過ごしやすい。

帰国

食後、白タクを拾ってホテルに戻り、JTBの送迎車にピックアップしてもらってデンパサールの空港に向かった。時間には余裕があったけれど、ドライバーがすごい勢いで車とバイクを抜かして飛ばしたおかげで、1時間弱で空港に着いた。
チェックインと出国手続きをした後、空港税を払い、最後に残った小銭でコーヒーを飲みながら飛行機の出発を待った。帰りの飛行機は深夜便なので、映画も見ずに、導眠剤を飲んで寝ることにした。

今度はバックパッカースタイルで

今回の旅行では、氷の入っている飲み物を飲んだりしたけれど、幸運だったのかお腹を壊すこともなかった。
ウブドは、のんびりとしていて、住んでいる人もどこか余裕があり、きちんと生活をしているような雰囲気があった。物乞いがいないことも印象的だった。今度は、バックパッカースタイルで訪れて、リゾートではなく、庭を鶏が走っているような民宿に泊まって、バリの生活に触れるのも楽しいかもしれないと思った。
いい夏休みを過ごすことができた。

バリ島ウブド 楽園の散歩道 (地球の歩き方GEM STONE)

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ロンリープラネットの自由旅行ガイド「バリ島&ロンボク」

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