小沢一郎の政治主導

菅直人小沢一郎民主党代表選挙が行われている。
小沢一郎は、国会議員票、組織票を固めて優位に立っているという。世論調査では、小沢一郎の支持率は低いが、彼の豪腕政治家ぶりに今の日本の停滞状況を打破してくれるのではないかと期待する声も聞く。また、小沢一郎は、菅直人を官僚主導と批判し、真の政治主導を実現すると主張する。
しかし、彼の「豪腕」や「政治主導」とはどのようなものなのだろうか。
私個人は、小泉純一郎竹中平蔵構造改革路線を支持している。グローバル化が進むなか、日本がそれに適応するには、構造改革が必要だと考えている。そして、小泉純一郎こそが「豪腕」であり、「政治主導」だったと思っている。
小沢一郎は、小泉純一郎のような構造改革路線を実現することはないと思う。彼は、あくまでも組織票に立脚しており、その数が彼の「豪腕」の源泉になっている。そして、「政治主導」を実現しても、彼の権力は組織票の背後にある利益団体への利益の配分に行使されてしまうだろう。小沢一郎輿石東の連携に見られるように、小沢一郎と利益団体の関係は政策的な一致ではなく、お互いの利益のための野合であり、醜い限りである。
小泉純一郎の権力は、国民の支持に立脚していた。だから、国民全体のための政治主導を実現できた。今の小沢一郎にはそれは期待できない。