インターネットとプライバシー

昨日の会社からの帰り道に聴いたCNN Anderson Cooper 360°のPodcastは、ミシガン州の法務次官補Andrew Shirvellが解雇されたというニュースだった(http://goo.gl/NXUud)。
Andrew Shirvellは、以前もAnderson Cooper 360°に取り上げられていた。彼は、ミシガン大学の学生自治会の会長でありゲイであることを公表していたChris Armstrongの個人攻撃をしてた。彼を人種主義者として攻撃するウェブログを作り、デモンストレーションを行い、彼の家の前でラウドスピーカーで批判を叫び、彼をビデオで撮影していた。
そのことをAnderson Cooper 360°が報道し、Andrew Shirvell自身にインタビューを行った。彼は、あくまでも個人としての政治的活動であり、Chris Armstrongを個人攻撃しているわけではないと主張していた。当初、ミシガン州の法務長官は、Andrew Shirvellの活動はプライベートのものであり、言論の自由の観点からも彼を罰することはできないと言っていた。しかし、今回、彼の行動は、ストーキングまがいであり、Chris Andersonを個人攻撃することに法務長官のオフィスの機材を使ったことを理由に解雇された。
以前、このウェブログでAnderson Cooper 360°が、一種の吊るし上げをしている怖さがある番組だと書いた(id:yagian:20101102:1288644078)。しかし、このAndrew Shirvellは公人であるし、その行動も悪質だから、意義があることだと思う。
それよりも、怖いと思ったのは、Andrew Shirvellが、Chris AndersonのFacebookのページとその友人のページを探っていたということである。Facebookには、実名や個人情報を公開している人が多いし、その対象となる個人だけではなく、友人も芋づる式に辿られてしまう。アメリカでは、個人のプライバシーを守ることへの意識が高いのではないかと想像するが、その一方で、匿名で書き込みをすることが多い日本に比べ、アメリカではインターネット上でも実名を公開することが多いという。こういうストーキングの被害を見ると、その対象となる個人だけではなく、友人までも被害を広げてしまう可能性があるFacebookのようなSNSに実名を出すことは怖いと思う。
私自身、インターネット上は、yagianという人格で書き込みをしている。もちろん、リアルの世界での知人は、yagianの正体を知っているわけだけれども、インターネット上だけの知り合いは、実名を知らない。もちろん、本気になって検索されてしまえば、実名を知られてしまうとは思うけれど。