不思議な人

この前の箱根旅行(id:yagian:20101220:1292849045)では、会社から勤続20周年記念でもらった旅行券があったので、少々はりこんでいい温泉旅館に泊まった。
平日にこんな旅館に泊まるのはどんな人だろうと興味津々だったけれど、期待に違わず正体不明な人が多かった(自分たちもその一員だったけど)。いちばん不思議な人について書こうと思う。
大浴場を出たところに休憩室があって、マッサージチェアが置いてある。そのマッサージチェアに座ったところ、隣でフットマッサージを受けている女性がいた。私よりちょっとだけ若いと思う。マッサージをしていたのは、シンガポールから来た高名な中国人のマッサージ師だという。その女性とマッサージ師は、日本語と英語をちゃんぽんで話をしていた。
彼女が言うには、この旅館に来るまで、家で掃除をしていて疲れたという。私は、だから、温泉に入ってマッサージを受けているのかと納得した。
しかし、彼女は次のように話し続けた。「私、貯金ができないの。でも来年は貯金することが目標なの。だから掃除をしてきたの。」と。んん、掃除と貯金とどういう関係があるのか不思議に思った。
彼女は言った。「お金を節約するために、ハウスキーパーさんを呼ばないことにして、自分で掃除することにしたの。」たしかに、ハウスキーパーさんを呼ばないのは節約になるけれど、それだったらこんな高級旅館に来て、しかも、マッサージを頼むのをやめた方がいいのでは。
貯金をする理由は、彼女のお姉さんの神社(お姉さんと神社の関係がよくわからなかった。神主さんなのか、オーナーという意味なのだろうか。)が、60年に一回屋根を葺き替えるのだという。それに寄進をしたいとう。今回を逃したらもう寄進をするチャンスがないからだという。
姉が神社を持っているという女性は、いったい何者なのだろうか。思わず彼女の話に聞き入ってしまった。