こたつのなかでひとりくよくよ悩む

こんな夢を見た。
祖父の家でひとりこたつに入っている。実際にはその家はもう壊されてしまっている。
気になっている女性が部屋に入ってきて、こたつの上に本を二冊置いた。それは、まだ二日前に貸したばかりのJ. G. バラードの小説だった。
彼女に気に入ったかと尋ねたら、彼女は無表情で気に入ったと答えた。そして、そのまま部屋から出て行った。
こたつのなかでひとりくよくよ悩んでいた。
彼女はほんとうに気に入ったのだろうか。そもそもたった二日で読めるのだろうか。本当に読んでくれたのだろうか。普通の女性にJ. G. バラードの小説のような本を貸していいのだろうか。私がJ. G. バラードの小説のような本が好きだということを、彼女はどう思ったのだろうか。