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Is there Tokyo's Woody Allen or Spike Lee?

メグ・ライアンが主演した数多くのロマンティック・コメディのなかの一本に「恋人たちの予感」という映画がある。メグ・ライアンのロマンティック・コメディだから、大傑作とかそれを見ると人生が変わるとかそんなおおげさな映画ではないけれど、気に入っていてDVDを持っている。

この頃のメグ・ライアンはコケティッシュでコメディエンヌの座を独占していたぐらいかわいいかったし、この映画での相方のビリー・クリスタルも好きだ(私はトム・ハンクスよりも彼の方がコメディアンとしてはおもしろいと思う)し、ノーラ・エフロンの脚本もよくできている。「アパートの鍵を貸します」みたいに、いわゆる"well-made"なコメディだと思う。
しかし、この映画のなんといっても良いところは、ニューヨークの移り変わる季節の美しい風景だと思う。DVDの付録に監督のロブ・ライナーのインタビューが付いているけれど、そのなかで、「ニューヨーク中をウディ・アレンがまだ撮っていないいい場所を探してロケをしたんだ」と語っていた。それだけのことがあると思う。
映画を見ながら知っている場所が映るとそれだけでうれしくなってしまう。それが自分の好きな土地だったらなおさらである。
ニューヨーカーはウディ・アレンがいて幸せだと思う。「アニー・ホール」や「マンハッタン」を見ていると、ある時代のニューヨークの風景、ファッション、空気感が確実に、しかも、甘く美しく映画として記録に残されていて、好きなときにそれを見ることができるというのはすばらしいことだと思う。


ウディ・アレン(は存命だけれども)のニューヨークはもはやノスタルジックすぎるかもしれない。しかし、今はスパイク・リーがいる。ウディ・アレンとは違う切り取り方で、しかし、ニューヨークを記録し続けている。



このウェブログの題名は「山の手の日常」だけど、私は東京山の手を愛している。山の手ゆかりの文学者や文学作品はたくさんあるけれど、ウディ・アレンスパイク・リーのように、「山の手の日常」を映画にしてくれる人は思いつかないし、そんな作品もない(あえて言えば「モヤモヤさまぁーず」がそれか?)。残念な気分になってしまう。