代償なしで手に入れられるものはない ―うつ病から手に入れたもの―

もともと英語のウェブログ( http://goo.gl/J3DhM )で書いた記事だけど、日本語でも伝える価値があるように思って和訳したもの(自分でだけど)をアップすることにした。

翻訳したものだから、不思議な日本語になっているような気がする。

うつ病になって約4年間になる。今ではほとんど回復したけれど、精神科には通っているし、抗鬱剤睡眠導入剤を飲んでいる。

うつ病が発症したとき、プロジェクトマネージャーとして非常にハードに働いていた。突然、会社に行くことができなくなり、3か月の傷病休暇を取った。結局、翌年もまた3か月の傷病休暇を取り、今いる部署に異動した。

うつ病で多くのものを失った。

上にも書いたように、ほとんど回復したけれど、かつてのように働けるようになったという訳ではない。基本的にプロジェクトマネージャーの仕事は大好きだったし、今でも好きだけれども、もう二度とできないだろう。今でもときどき疲れはててベッドに横になっていることしかできなくなることがある。

しかし、同時に、うつ病によって得たものもたくさんある。

うつ病になる前は、自分のことをよく理解していなかった。もちろん、いまでも完璧に自分のことを理解しているのではないけれど、以前に比べたらはるかによくわかっている。

当時、私はあまりにも自信過剰だった。もし真剣にやろうとすれば、なんだってできると思っていた。しかし実際にはものごとをそれほどうまくやることはできなかったし、自分のしたことにはいつも失望していた。

うつ病によって自分ができることがいかにちっぽけなものなのかを思い知らされた。ときどき、ベッドから這い出ることすらできなくなる。ベッドに横たわっていることしかできなくなる。そして、今はそんな寝ていることしかできない自分も受け入れている。

自分を受け入れるようになると、人が考えていること、感じていることを思いやることができるようになった。うつ病になる以前は、人にも自分にも満足することがなかった。いつも人に過剰なことを要求していたし、そのくせ自分は人の役立つことをしていなかった。今は、まず自分は人にどうやったら役立つことができるのかを考えるようにしている。小さなことでも、なにか役に立つことができたらそれで満足している。見返りがなくてもハッピーになる。おもしろいことに、見返りを期待しないほうがかえって多くのものを得ることができる。

たぶん、うつ病のおかげで、以前よりはプロジェクトマネージャーとしての仕事をうまくできると思うけれど、そのうつ病のせいでプロジェクトマネージャーをすることができない。

つらい代償なくして手に入れられるものはない。けれど、その代償に見合うだけのものを得ることができたと思う。

そして人生は続いていく。