K-Popと私

今日の夕食の時、白ワインを飲みながらテレビをザッピングしていた。あいかわらず日本のテレビはおもしろい番組がなくて、KBS-WorldでMusic Bankを見ていた。
あらかじめ断っておくけれど、私はK-Popやその他の韓国の音楽界のことはよく知らないので、これから書くことはあくまでもごく限られた見聞に基づく感想である。
日本にいるとK-Popのガールズグループやボーイズグループが次々とデビューするけれど、正直にいってどれも似ていて区別がつかない。ガールズグループはミニスカをはいて足を強調し、ボーイズグループは素肌にベストを着て肩の筋肉を強調して、ダンスをしながら似たような歌を歌い、サビにくるとラップが入る。
Music Bankという番組は韓国でいちばんメジャーな音楽番組らしく、その時のチャート上位のグループが出演しているらしい。日本に進出するK-Popが同じようなガールズグループやボーイズグループばかりなのかと思っていたが、Music Bankもそんなグループに席巻されていて、正直言って途中で飽きたし、食傷した。
もちろん日本のチャートだって、AKBとジャニーズとExileK-Popに占拠されているから、似たようなものだと思う。私自身、多少は日本のポップミュージックも聴くけれど、古い音楽かそれともさっぱりチャートに顔をださないものばかりである。韓国もいわゆる"K-Pop"以外の聴くに足るポップミュージックもあるのだろうけれど、日本デビューはしないし、Music Bankにも出演しないのだろう(それを探すほどの熱意はないけれど)。
そんななかで、多少はアンテナに引っかかったのは、G.NAである。

ほんとうにスタイルがいいし、1970年代峰不二子的セクシー風味がファッショナブルだと思う。結局、K-Popのガールズグループやボーイズグループは「衣装」を着ていて、「ファッション」がない。G.NAの韓国芸能界、音楽界での位置づけはまったく知らないけれど、ファッション・リーダー的なポジションに立てるのではないだろうか(すでにそうなのかもしれないけれど)。
あまたいるガールズグループのなかで、やはり少女時代は抜きん出て完成度が高いと思う。メインボーカル三人のスピンアウト企画であるTwinkleは、彼女たちの曲ではいちばん好きだ。ものすごく反感を買いそうな気がするけれど、K-Popのガールズグループは少女時代でもう十分という気がする。

Music Bankで気になったのは、ほとんどのグループ、歌手はいわゆる「ショービズ」として歌やダンスをやっていて、自己表現としての音楽をしている人がいなかったことである。自己表現としてのロックもフォークもヒップホップもなかった。
今回のMusic Bankには出演していなかったけれど、K-Popのなかでめずらしく自己表現としての音楽をしているIUは気になっている。少女時代の出世曲のGEEをアコースティック・ギターだけで歌っているIUはなかなかいいと思う。


IUは今年日本デビューをしたらしいけれど、どのくらい売れているのだろうか。あまりアイドル売りをしないで、デビューしたての頃のaikoのように売りだしてほしいと思う。

K-Popの将来がどうなってもあまり関心はないけれど、さすがにもっと多様性が必要なのだろうなと思う。韓国でも日本でも、さすがに今の路線は飽和しているのではないだろうか。
といいながら、私がK-Popのアイドルでいちばんのお気に入りは少女時代のSunnyちゃんだったりするのだが…