"It's the lie that everything's gonna be OK, but you don't have to be alone."

ジョディ・フォスター監督、メル・ギブソン主演の映画「それでも、愛してる」を見てきた。
ネタバレを気にしながらあらすじを要約するのもめんどうなので、トレイラーを引用する。

メル・ギブソンがうつになった中年男を演じている。主人公はビーバーのぬいぐるみを手にはめて、彼のキャラクターを通して話すとアグレッシブになれる。そのことによって一見、うつの問題が解決したかに見えたけれど、しかしそれは最終的な解決にはならない。
この映画の最後にこんなセリフがでてくる(正確じゃないけれど、意味は合っていると思う)。

It's the lie that everything's gonna be OK, and nothing is resolved. But you don't have to be alone.
みんな大丈夫なんてウソ。解決することなんかない。でも、ひとりきりじゃないんだよ。

メル・ギブソンは、ビーバーのぬいぐるみでうつの問題が解決したような気になる。しかし、それは現実から目をそむけていただけで、ほんとうの意味では解決してなかった。
この歳になると(ならなくても)、いろいろな問題を抱えながら生きている。それらの問題をきちんと直視して、現実を見つめればかんたんに解決しないということがわかる。解決するぐらいだったら悩みはしない。
問題を抱えながら生きて行かなければいけないけれど、誰でも問題を抱えているという意味では同じである。だから、自分だけが問題を抱えていると考えなくていい。
新宿の映画館の帰り道の地下鉄の中で、そんなこと考えていた。