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The US Marine Corpsと橋下市長

時事 雑感

野中郁次郎「アメリカ海兵隊」を読み、橋下市長の従軍慰安婦に関する発言について考えてみた。
ここでは、橋下市長が米軍普天間飛行場司令官に「合法的に性的なエネルギーを解消できる場所が日本にはある。真っ正面から風俗業を活用してもらわないと、海兵隊の猛者の性的なエネルギーをコントロールできない」と語ったという話に限定して書こうと思う。
日中戦争、太平洋戦争の旧日本軍については、戦場における相手国の市民、相手国の捕虜、さらには、植民地の市民、日本の市民、旧日本軍のそれ自体に所属する兵士に対する非合理的で非倫理的な行動と体質について批判されてきた。一般的な日本人にとって軍隊とは、その存在を認める人にとってもあくまでも必要悪であり、その悪を少しでも小さくすることが課題という認識だと思う。橋下市長も軍隊に対してそのように考えているのだろう。
しかし、the US marine corpsはきわめて誇り高い部隊である。the US armed forcesのなかでももっとも厳しい訓練を経た最精鋭と自他共に認めている。the United Statesの歴史のなかでも重要で厳しい戦いに勝ってきたという過去もある。
そのthe US marine corpsの司令官に対する「真っ正面から風俗業を活用してもらわないと」という提案は、相手にとっては想像すらできないほどの侮辱と受け止められただろう。司令官の立場から見れば、友好的な会合だったはずの場でこれほどの侮辱をする意図がまったく理解できない、ということになる。
橋下市長はこの発言が侮辱となるという認識がなかったのだろうか。おそらくはなかったのだろう。そうだとすれば、あまりにも認識不足だと思う。
おそらく、海外から来た政治家が皇太子と友好的に面会し、唐突に「男子の跡継ぎがいない現状を考えれば、真正面から側室を活用しなければ(もしよければ、わが国の女性を提供する)」と提案するようなものだろう。それと同じ程度の侮辱である。
日本国内ではthe US marine corpsの兵士が「猛者」で「ならず者」というimageがある。もちろん、the US marine corpsの兵士が性犯罪を含めた問題を起こしていることは事実である。また、その誇りの高さに応じた内実があるのか、という問題もあるだろうし、また、the US国内からもthe US marine corpsへの批判もある。
だからといって、公人としてこのような侮辱をすることが許されるものではなかろう。仮にそれが無知に基づくものだとしても。

アメリカ海兵隊―非営利型組織の自己革新 (中公新書)

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