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悪趣味な日本の私

雑感

日本のwebsiteのdesignに関する記事をいくつかinternetで見かけた。確かに、英語圏のwebsiteに比べ、良きにつけ悪しきにつけ独特だと思う。
代表的なwebsiteを二つほど比較してみよう。

Yahoo!Japan (http://www.yahoo.co.jp/) / Yahoo! (http://www.yahoo.com/)
楽天市場 (http://www.rakuten.co.jp/) / Amazon.com (http://www.amazon.com/)

Top pageの情報量は日本のwebsiteの方が多いが、情報の優先順位を考えて整理されているようには見えないし、色使いは統一性に欠けている。率直に言って、日本のwebsiteはdesignに欠けているように見える。
私はAmericaのprofessional sportsが好きなので、定期的にteamやplayerの成績をcheckしている。NFLMLBNBAのそれぞれのwebsiteもdesignに優れ、情報量も多く使いやすいのだが、複数のprofessional sportsの成績を横断的にcheckするにはYahoo!のinterfaceは使いやすい。一方、Yahoo!Japanの「スポーツ」は、そもそもYahoo!Japanとはinterfaceが違う「スポーツナビ」に飛ぶという時点で使いにくいし、「スポーツナビ」のdesignも決して優れている訳ではない。
日本のwebsiteのdesignが混沌としているのは、日本語表記の特質、技術的制約、websiteを作成する業界の事情など、いくつかの原因が複合しているのだろう。しかし、それらのうちのもっとも重要な理由のひとつは、日本のuserの多くが洗練されたdesignを好まない、という事情があるのではないだろうか。
楽天市場のinterfaceを見ていると、「ドン・キホーテ」の店内を思い出す。「ドン・キホーテ」は意図的に混沌とした店内を作っており、また、そのような混沌を好む客を集めている。楽天市場の洗練されていない色使いは意図的なものであり、楽天市場の多くの客が混沌としたwebsiteを好むという背景があるからではないだろうか。
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日本のwebsiteのdesignについて書かれた記事のなかで、日本には洗練されたdesignの伝統があるにもかかわらず、なぜ、websiteは混沌としているのか、という疑問を呈示するものがあった。確かに、日本のhigh cultureには、きわめて洗練されたdesignを生み出した「雅」や「侘び寂び」という美意識がある。しかし、日本の大衆文化には、こうした洗練を積極的に嫌う悪趣味指向があるように見える。
現代日本の大衆文化の大きな潮流は「オタク」と「ヨサコイ」に代表されると思う(id:yagian:20120115:1326588191)。
「オタク」は、かつては大人へ成熟するなかで関心を失うべきもの、とされていたモノやコトを積極的に評価するという側面があり、high cultureの洗練に対するantithesisとなっている。
かつては「ヤンキー」と呼ばれていた大衆文化の潮流を、私は「ヨサコイ」と呼んでいる。現代の「ヨサコイ」の代表としては、「ヨサコイ祭」やExileを想像していただければよい。彼らの嗜好には、洗練されたdesignに不可欠なsimpleさやbalanceといったものが欠けている。一種baroque的な誇張、grotesqueさを好む傾向がある。私は「ドン・キホーテ」的な混沌を支えている基盤はこの「ヨサコイ」文化にあるのだと考えている。
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Europeのhigh cultureのように洗練により高い価値を置く文化が、日本の大衆文化のような悪趣味指向の文化を見ると、その独自性が関心を惹くことがある。洗練は時として退屈なものである。punk fashionが一種の刺激としてhigh fashionに要素の一部として取り入れられたように、日本的混沌がartisticな視線で評価されることがある。もちろん、どこの文化にも洗練を嫌う悪趣味指向の人たちがいるし、そういう人たちにとっては日本的混沌が心地よいということもあるだろう。
海外で日本文化に興味を持つ人には、日本のhigh cultureの「雅」や「侘び寂び」の洗練に惹かれる場合と、日本の大衆文化の洗練へのantithesisである悪趣味指向に惹かれる場合の両方があるのだろう。「クール・ジャパン」(私が嫌いな「カタカナ語」のひとつ!(id:yagian:20131129))は、主として後者の悪趣味指向への海外からの関心を拡大しようと考えているのだろう。
しかし、antithesisである悪趣味指向は一種のspiceであって、世界市場のなかでは主流にはなれないのだと思う。「クール・ジャパン」が、世界のなかで一部の熱心なfanがいるminorを目指しているのであれば、ある程度の成功はありうる。その方向で合意ができているのだろうか。
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私の個人的な趣味としては、この悪趣味指向は嫌いである。「ドン・キホーテ」では買い物はしないし、楽天市場Yahoo!Japanも使わない。
しかし、Europeのような悪趣味指向が抑圧されている文化を見ていると、大人が「モノノフ」であることを公言できるような自己肯定的に悪趣味でいられる日本の自由さは悪くないとも思う。
そんな、悪趣味な日本の私。