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「あふれる"ポエム"」「パワースポットブーム」「前向きソング」

NHKクローズアップ現代」で「あふれる“ポエム”?! 〜不透明な社会を覆うやさしいコトバ〜」(http://goo.gl/qsq5O3)という特集を見た。
このなかで取り上げられていた「居酒屋甲子園」というイベントや、やけに「前向き」な居酒屋に対して、Internet上で違和感を表明する書き込みがされている。そのような状況に対して、「居酒屋甲子園」の主催団体がコメント(http://goo.gl/4mIRhZ)を出している。
確かにNHKの「居酒屋甲子園」の取り上げ方は、guestの阿部真大のcommentも含め、批判的だったと思う。それを割り引いたとしても「居酒屋甲子園」や従業員が"be happy"と唱和する居酒屋には異様な印象を受けたのは確かである。その居酒屋は、率直に言って、問題の本質から従業員の目を逸らす目的で会社ぐるみの「自己啓発セミナー」的な洗脳をしているように見えるし、「あふれる"ポエム"」は自分の頭で考えること妨げるという意味でfacismだと思った。
しかし、「あふれる"ポエム"」は「居酒屋甲子園」に限った話ではなく、身近なところにあふれていると思う。おそらく、NHKも「居酒屋甲子園」は特徴的な事例であって、一般的な現象だと言いたいのだと思う。
私が「あふれる"ポエム"」現象に似ていると感じるのは「パワースポットブーム」である。
伊勢神宮遷宮というきっかけもあり、昨年は参拝者がずいぶん増えたと聞く。これは、伊勢神宮に限ったことではなく、全国的に神社への参拝者は増えているようである。これには、縁結びなどに効き目があるという噂が立った「パワースポット」へ人が押し寄せる現象が背後にある。関東近郊では箱根の九頭龍神社が「効能のあるパワースポット」と認識されているようで、その参拝風景をTVで見たことがあるが、「居酒屋甲子園」と同様に少々異様である。
居酒屋甲子園」にせよ、「パワースポット」にせよ、そこに参加している人がどこまで本気なのかが気になる。
クローズアップ現代」で阿部真大が言いたかったことは、"be happy"と唱和して瞬間的に高揚するのではなく、現実を直視して改善しなければ幸福にはなれない、ということだと思う。私もそのとおりだと思う。同じように「パワースポット」に通ったところで現実には恋愛ができるようにはならない。恋愛を成就させるためには、当然のことながら、現実的な行動が必要である。
もちろん、現実逃避が必ずしも悪いとは思わない。常に厳しい現実を見続け、実際的な行動をし続けることは辛い。時にはFunky Monkey Babysのliveで甘い「前向きソング」を歌ってもいいだろう。しかし、それはそれとして、厳しい現実があり、それに対して実際的に行動をすることも必要である。
"be happy"と唱和している居酒屋の従業員や「パワースポット」めぐりをしている人たちは、これはあくまでも一時的な現実逃避だということは自覚しているのだろうか。しているならばそれもいいかもしれない。もし、自覚していないのであれば、それはけっして確かな幸福にはたどり着けない安易な道なのだ。