名著のエッセンスを3分で理解できる(かも?):読書ノートの棚卸し

読書メーターとGoodReads

あれこれ本を読み散らかしているけれど、読みっぱなしだとあっという間に内容を忘れてしまう。 どんな形でもよいけれど、その本の内容を自分なりに咀嚼してアウトプットすることが重要なんだと思う。

とはいえ、すべての本についてしっかりとしたアウトプットを作るのも難儀なので、読書メーターに記録して、かんたんな感想を書いている。

bookmeter.com

読書メーターは洋書が扱いにくいので、GoodReadsも使っている。GoodReadsは推薦図書が大人っぽくて気に入っている(あまり読めないけれど)。

www.goodreads.com

アウトプットすることが重要なので、別に公開する必要はない。けれど、インターネット上の読書記録の仕組みを使えば、あとあと検索することも楽だし、もしかしたら誰かが読書する本を選ぶ時に参考になるかもしれない。それに、虚栄心も満たされるということもある。

読書ノートを取りながら読む

ふつうの本は読書メーターの感想欄ぐらいでよいのだけれども、手応えのある本をきちんと読むには、もう少ししっかりとした読書ノートを取りながら読まないと、理解できなくなる。

今年は古典を読もうと思っているので、読書ノートを書く機会も増えるだろうと思う。さっそく、第一弾としてデカルト方法序説」の読書ノートを公開した。

このエントリーの下の方に「要旨」を箇条書きで書いている。読みながら一章(「方法序説」では「一部」という呼び方をしている)ごとに要旨をまとめている。そして、読み終わった後、要旨を読み直しながら全体の感想を書いている。

何かをきちんと理解しようと思えば、自分で原著、原資料にあたるのが、結局は近道だけど、要旨のところを眺めてもらえば、名著のエッセンスを3分で理解することができる(かも?)。少なくとも、この本を自分で読んでみようか、その判断材料ぐらいにはなると思う。

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レヴィ=ストロースミシェル・フーコー

 私の大学時代には「ニューアカ」というものが流行っており、フランス現代思想の本が売れたりしていた。しかも、大学の専攻が文化人類学だったから、レヴィ=ストロースは必読だった。

レヴィ=ストロースミシェル・フーコーは、なにか心に引っかかるところがあったけれど、当然ながらあまり理解できなかった。特に、レヴィ=ストロースでは、彼の理論の中核にある「構造」の概念がぼんやりとしたままだった。

 社会人になってずいぶん経ってから、レヴィ=ストロース「野生の思考」を読み返してみた。彼の「構造」の概念を理解するには、参考書を読むよりも、「野生の思考」をじっくり読むのがいちばん近道のように思った。自分が理解したことを「レヴィ=ストロースの「構造」とは何か」にまとめた。自画自賛だけど、けっこうわかりやすく書けているんじゃないだろうか。

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ミシェル・フーコーはとにかく難解で、読み通すには忍耐が必要だ。「言葉と物」と「監獄の誕生」を読んだ時は、一章ごとに要旨をTwitterで書いていった。途中で挫折するとかっこわるいから、それを頼りに読み進めた。

要旨と言っても、よく理解できない部分が大半だから、なんとか理解できたところをひろって辻褄があうように並べただけである。それでも、薄らぼんやりと彼が言いたいことの(ごく)一部が伝わってくるような気がする。

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明晰な丸山真男

ミシェル・フーコーは、語っている内容も難易度が高いのだろうけれど、語り口も難しい。しかし、丸山真男は難易度が高い内容を、じつに明晰に書いてあり、読んでいて爽快な気持ちになる。特に、「日本政治思想史研究」は好きな本だ。 

 日本の近代化、民主化の歴史をたどるときには、賛成するにせよ、反対するにせよ、ひとつの基準として彼の本を読まないわけにはいかない。

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アメリカのリベラリズム

今年は近代化、民主化に関する思想を、デカルト、ルソー、カントにさかのぼって読んでみようと思っている。

その大きな動機のひとつとして、以前、アメリカのリベラリズムをめぐる議論、ジョン・ロールズマイケル・サンデルの本を読んだことがある。結局、彼らの議論は西洋哲学の歴史のなかに位置づけられることができるので、彼らに先行する思想を読んでいなければ、十分に理解できないことがよくわかった。

その時はさかのぼる読書まで手が回らなかったけれど、ここで基礎を固めて、再度ジョン・ロールズ「正義論」に挑んでみようと思っている。

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グローバリゼーションの歴史 

ここ数年、大航海時代にはじまる「近代世界システム」の拡大の歴史について、本も読み、旅行で現地を訪問している。

グローバリゼーションを考える上で、イマニュエル・ウォーラーステイン「近代世界システム」の第一巻から第四巻までは必読だけれども、第一巻を読んだところで、これは世界史の基礎を固めないと、読み進んでも理解できないと思い、一時停止している。今年から来年にかけて、ウォーラーステインに再挑戦してみようと思う。

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