Beckのライブ@新木場Studio Coastに行ってきた
Beckの久しぶりの新譜"Colors"が出るというニュースを聞き、楽しみにして待っていた。そうしていたら、FacebookでBeckが10月に来日するという告知が突然でた。しかも、武道館と新木場Studio Coastというライブハウスの二回公演だという。どんな事情があるのかわからずかなり驚いたが、即座にこれは行かねばならないと思った。
フェスで来日はしていたけれど、単独公演は8年ぶり。私はBeckのライブには行ったことがなかったので、この機会を逃すと次はいつになるかわからない。しかも、ライブハウスでのライブがあるというのだ。
そこで、抽選があたるかドキドキしながら新木場Studio Coastのライブの先行抽選に申し込んだ。その時は武道館のライブでCorneliusが出演するという情報がなかったので、これはもう、ライブハウス一択だなと思った。抽選結果が発表された日、あっさり当選の連絡があって拍子抜けした。Beckの日本での人気、動員力がどの程度なのかちょっとわからないが、緊急来日で告知の時間が足りなかったこともあって、思いの外申し込み人数が少なかったのかもしれない。
Beck”Colors”と80年代と私
ライブが10/24で、新譜の”Colors”のリリースが10/10だった。当日すぐにGoogle Play Musicにアップされていて、さっそく聴いてみた。
1曲目の”Colors”を聴いたオレの第一印象は「これ、Duran Duranか?」だった。最後まで聴いてわかったのは、どうもこのアルバムのテーマは80年代ポップらしい。評判は悪くないようだが、80年代ポップに肯定的なイメージがない私の気持ちは微妙だった。
80年代は私の中学生から大学生の時期に重なる。ポップミュージックをいちばん聴いていた時期だ。まずは当時全盛の日本の歌謡曲からはじまり、洋楽のヒットチャートを追いかけ、そして、徐々に同時代のポップミュージックより60年代、70年代の音楽のほうがかっこいいことに気がつく。ヒットチャートの曲は耳に入ってくるけれど、自分でダビングしたカセットテープでは、もっぱら昔のポップミュージックを聴いていた。
オルタナティブロックと90年代と私
1990年に大学を卒業し、社会人になった。以前ほどはポップミュージックを聴かなくなっていたけれど、80年代とは音楽の流れが変わり、ヒップホップとオルタナティブロックの存在が大きくなっているようだった。
カート・コバーンとノエル・ギャラガーの気持ちはよくわかる。彼らも80年代ポップを聴いて育ち、それにうんざりして、それとは違うオルナティブなロックをやりたいと思ったのだろう。華やかな電子音ではなく、ローファイな荒れた音。鋲のついたジャケットの衣装ではなく、普段着のグランジな服装。私には80年代ロックよりはずっとかっこよく見えた。
地味で辛気臭いオルタナティブロック
しかし、80年代ポップを通過していない若い人にとって、オルタナティブロックは地味で辛気臭く聴こえるのかもしれない。ある若い人が、アメリカのロックは暗いという印象を持っていたが、80年代ポップを聴いてこんなに明るい曲があるのか、と思ったという話を聞いたことがある。
たしかに、80年代を通過してきた私にとってはオルタナティブロックはかっこよいけれど、はじめから「オルタナティブ」なロックを聴いてきた人にとっては、80年代ポップが新鮮に感じられるのだろう。
Beckのライブで聴き比べる
Beckのライブでは、"Colors"からの曲もかなり演奏していたし、90年代のオルタナティブロックっぽい曲も演奏した。
私には、やっぱりオルタナティブロックっぽい曲の方がかっこよく響く。しかし、"Colors"からの曲は、たしかにカラフルで華やかだった。ライブハウスで聴くんだったらぜったいオルタナティブロックだけれども、スタジアムだったら”Colors”の曲も盛り上がっていいかもしれないと思った。
"Colors"から一曲紹介したい。モンティ・パイソンのテリー・ギリアム風のPVの"Wow"という曲。耳なじみはいい。
アンコールで演奏してくれた、私の大好きな”Where It's At”。
私はやっぱりオルタナティブロックが好きだ。