英語のレッスンの感想と課題

英語のレッスンをはじめました

語学は基本的に独学をしてきたけれど、スピーキングの能力を高めるために、語学のレッスンを受けることにした。

去年の9月から1月まで中国語のマンツーマンレッスンを受けていたが、これを一時お休みをして、2月から会社から受講料の補助がでるGABAのマンツーマンレッスンをはじめている。なかなか興味深く、楽しめている。

話すことと聞くことの能力差

日本語では、聞くことと話すことの間で能力の差があるという自己認識はない。読み書きについて言えば、人よりはスピードは速いかもしれない、という認識はある。

中級の入口あたりの中国語、初級の手話について言えば、ヒアリングよりはスピーキングのほうが楽である。もちろん、語彙や表現のバリエーションが限られているから、思うことが自由に言える訳ではないけれど、表現できる範囲では言いたいことは概ね相手に伝えることができる。しかし、相手が何を言っているかわからないことが多い。

一方、英語はヒアリングのほうがスピーキングより能力が高い。GABAのレッスンを受けていて、相手の言っていることはほぼ理解できるが、話すほうが思うように行かない。

これは、現在の語学のレベルの問題か、それとも語学の習得プロセスが中国語、手話、英語で異なっているための問題か、なかなか興味深い。

世間知と語学

GABAの先生は、バックグラウンドが多様なところがよい。いままでトライアルを含め4回のレッスンを受けた。最初は、サンフランシスコ出身のチャイニーズアメリカン、二人目はガーナ人、三人目は若い頃にアメリカに移住したパキスタン人、四人目は若い頃金鉱を探索していたオーストラリア人。

チャイニーズアメリカンとは、以前、サンフランシスコで見たジャイアンツの試合について話をした。あの頃はバリー・ボンズがいたなぁ、とか。次にまたその彼のレッスンを取ったら、スーパーボウルの話をしなければ。

ガーナ人とは、家庭内での言語について話をした。ガーナにはローカルランゲージがたくさんあり、両親の言葉が違ったので、家庭内共通語が英語だったという。両親は英語で話をして、先生は両親それぞれの言葉をしゃべれるという。

パキスタン人は、両親が裕福だったらしく、アメリカでの高校時代、マスタングを買ってもらい、同級生がみな乗りたがったという話をしていた。

オーストラリア人によると、金鉱の仕事は遠隔地で、食住の費用は会社持ちで、給料も高く、お金を貯めることができたという。そのあと、バックパッカーとして旅に出て、いまは日本で英語を教えることになった、もう、貯金もなくなったという。これに対して、私は、でも、自由を買えたんだからよかったじゃない、と言った。話が盛り上がり、結局、テキストはやめて、ずっとフリートークをしていた。

考えてみれば、語学の問題以前に、若い頃は初めてあった人を相手に雑談をするなんてとてもできなかった。世界から集まってきた人たちと、それぞれの話題でなんとなく話ができるようになったのは、自分も多少は世間知がついたなぁと思う。外国語でコミュニケーションをするということは、単に言語を学ぶということではなく、さまざまな経験、知識を総動員するものだと思った。

英語の現在地点と課題

レッスンのあと、先生がコメントを書いてくれる。元金鉱探索人のオーストラリア人の先生のコメントによると、長所は "You did well keeping the conversation going and asking follow up questions." で、課題は "Lets work on more natural English expressions." という。これはまさに自分の現在地点だなと思う。

世間知で話は盛り上がる。相手の言っていることは理解できるし、意志を通じさせることはそれなりできる。しかし、表現は不正確でナチュラルさに欠けている。

かんたんなセットフレーズは別として、やや複雑なことを話そうとするとセンテンスが組み立てるのにやや時間がかかる。キーフレーズは頭のなかに浮かんでくるが、英語の語順で必要な単語が浮かんでこない、という状況にある。文章を書くときは、おおむね正しい文法を使えるので、これはまさにどんどん話して、どんどん修正してもらうという訓練を積むべきことだろう。

あと、シンプルな単語や表現に逃げてしまう、ということもある。例えば、仕事では英語を話す機会がない、ということを"I don't have any chances to talk with English speakers for work."と話すと、理解はできるけれど"oppotunities"のほうがより適切、とアドバイスしてもらった。いまひとつレベルアップするためには、スピーキングで使えるボキャブラリー、フレーズを地道に増やす必要はあるだろう。

いまのところは、レッスンはいい気分転換になっているし、まずは、いま契約したレッスンを消化しようと思う。そして、TOEIC Speaking & Writingを受験して、使用前使用後の効果を計測してみる予定である。

去年の抱負の振り返りと新年の抱負:継続と成長

昨年の抱負の振り返り

最近は、このブログはすっかり新年の抱負専用になっている。

さて、去年の抱負と半年経過時の振り返りへのリンクを張っておこうと思う。

 

yagian.hatenablog.com 

yagian.hatenablog.com体調維持

  • 健康維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

去年は、大きな病気をすることもなく、風邪もあまりひかず、精神的な波もあることはあるけれど大きな谷に落ち込むこともなく、一年を通して「それなりのピッチング」を継続することができた。

歳を取るにつれて調整は必要なのだろうけれど、いまはこの生活のルーティーンが体調にフィットしているのだろう。

特に、過去、調子がよいときはやりすぎてしまい、休息を取ることを忘れて下降線をたどることが多かったが、適当に休息を取ることができて、それもよかったと思う。

仕事での挑戦

  • 新しい部署で求められているサービスを安定して提供する
  • チーム・ビルディングを進め、信頼されるチームを作り上げる
  • チームの各メンバー、そしてチームの成長を促す

一昨年10月に新しい組織を立ち上げ、サービス提供を始めた。さらに昨年10月より、その組織に新しいメンバーを迎え、新しいミッションも追加された。

一昨年10月に開始したサービスを安定して提供することができたが、その改善、洗練はあまり思うように進んでいない。昨年10月に追加された新しいミッションについては、まずは立ち上げのための萌芽期の段階にある。

チームビルディングは、悩みながら進めてきたが、まだ相互に信頼しあって、メンバーとチームとしての成長に積極的に取り組む状態にはなっていない。これをどのように実現していくかが大きな課題となっている。

プライベートでの挑戦(フィジカル)

ランニングは、ハイテクハーフマラソン、練馬こぶしハーフマラソンに加え、5月には軽井沢ハーフマラソンも完走した。去年の後半にはトレイルランにも挑戦し、高尾森林マラソンとみたけトレイルランに参加した。

総走行距離を見てみると、去年が502km、一昨年が333kmだった。夏、暑い時期にはランニングのオフを取るが、昨年は5月のハーフマラソンに、10月にトレイルランのイベントに出たこともあり、オフの期間が短くなったため、走行距離が伸びた。

レースにでることはモティベーションを高めることに効果がある。一方で、レースに出るとそれなりに体にダメージがあって、休息が必要になる。年間を通したコンディショニングを考えながら、参加するレースの強度と頻度を調節していく必要があるだろう。

ゴルフは、年間を通じて定期的にラウンドするようになり、一応100を切るラウンドが3回あったという意味では目標を達成した。この100を切るラウンドは、平坦な難易度が低いコースで、また、夏頃の時期だった。

夏以降、傾斜地がある難易度が高いコースのミート率を高めるために、スイングの大きな改造に取り組んでいることもあって、スコアという形の結果は得られていない。まだ、新しいスイングが身についたとまではいえないけれど、ここを乗り切れば夏頃以上のスコアに結びつくはずと考えて取り組んでいる。

体調維持も含めて、動ける身体は年間を通じて維持することができた。

プライベートでの挑戦(インテレクチュアル)

  • TOEIC Speaking & Writing受験
  • HSK5級受験
  • 手話の学習継続

英語は、TOEIC Speaking & Writing受験した。自分の英語の四技能を比較すると、リーディング>リスニング>ライティング>スピーキングの順番で、不得意のニ技能の現在のレベルを確認することができた。中国語について後述するが、まずは中国語の学習を優先させて、英語はスピーキングとリスニングを主体とした自習を継続している。

中国語は、夏にHSK4級に合格した。中級の入り口にたどり着いたところである。そのタイミングで、新しいこと(単語や文法)を覚えることを一旦やめて、HSK4級レベルの知識を流暢に運用できるようになるために練習に注力した。

その一環で、10月から中国語学校へマンツーマンのレッスンに通い始めている。レッスンを通じて新しくできるようになったことがあるかはよくわからないが、中国語でのコミュニケーションに慣れるという意味では絶大な効果があると感じている。この12月に上海に旅行してきたが、必ずしもスムースに中国語でコミュニケーションができるようになった訳ではないけれど、落ち着いて話ができるようになったのは間違いない。

手話は5月から豊島区の手話講習会に通っている。語学を教室で、同級生と一緒に学習するというスタイル自体が久しぶりで新鮮である。みなと一緒に学習を進めていることもあって、ゆっくりとしたスピードで学習している。まだ実用レベルには遠いけれど、楽しめていることが重要だろう。

読書と旅行と巡礼

骨太な読書はあまりできていない。語学に時間を割いていることと、老眼で読書のスピードが下がったことが原因だと思う。語学には時間をかけたいので、読書の量を飛躍的に増やすことは難しいから、本を選んで読んでいきたい。また、老眼対策には、電子書籍をうまく使っていきたい。

去年の読書のなかでいちばんおもしろかったのは、「三体」を始めとする中国SFだった。現代中国はまさにサイバーパンクを書くためにあるような社会状況だから、しばらく中国SFを見守っていきたい。翻訳ではなく中国語で読めるようになったら理想的である。一方、多和田葉子「献灯使」は、高齢化が進み「滅び」が意識されるようになっている日本を象徴するSFで、この両者を読み比べることができたのは、よい読書経験だった。

今年は国内を中心に旅行をした。春は千葉内房、姫路、夏は奈良京都、秋は磐梯山、冬は上海に行ってきた。奈良京都には「インバウンド旅行者の体で」一週間関西に過ごした。特に、奈良盆地を隅々まで足を運ぶことができ、日本古代、特に古墳時代を体感的に理解を深めることができたことが収穫だった。

江戸三十三観音巡礼は、1月に行ってその後はお参りができていない。ゆるゆると継続していきたい。

家のインフラ整備

  • 浴室のリフォーム

浴室と洗面所のリフォームをした。カビとの戦いから解放されて快適である。

その上で固執しない

計画は計画としてそれに固執しすぎないことについては、ある部分固執しすぎ、ある部分は柔軟に対応することができた。

新年の抱負:継続と成長

総論:継続すること

ここ数年は、短期的に達成できる目標ではなく、時間をかけないとたどり着かない目標を掲げている。その意味では、基本的には目標を変えることなく、継続することで着実に成長していきたいと思っている。

以前と比べ、継続することのコツをつかんできて、いわゆる「挫折」することが少なくなってきた。「挫折」していた時代は、自分の意志の弱さを嘆いていたけれど、今は、意志の力を使わずに継続することこそがポイントだと考えている。意志の力を使わずに継続するためには、以下のことを気をつけている。

  • 続けられることを選ぶ(「すべきこと」ではなく「したいこと」を選ぶ)
  • 習慣化する(決まったタイミングで取り組む)
  • 自分の進歩を感じる機会を作る(検定試験を受験する、レースに出るなど)
  • たまには休息する 

体調維持

  • 健康維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

以前、全般的に体調が優れない時期は、体調の波の山と谷の差が大きかった。その波を小さくしていきたい。

自分の性質として、調子の山のときにやりすぎてしまい、その次の谷を深くする傾向がある。やりすぎも、やらなすぎもしないように、平準化されたルーティーンを守ること、また、休むべきときは休むことに注意したい。

仕事での挑戦

  • 新しいサービスを立ち上げる
  • チーム・ビルディングを進め、相互に信頼しあい、成長を助け合うチームを作る
  • そのために自分自身を変化させる

去年10月から新しいミッションとして与えられた新サービスの立ち上げが、今年の仕事での挑戦の中心になる。自分の部署だけで完結するものではないので、いかに他部署も巻き込んでいくのかがポイントである。関係する社内の人たちとコミュニケーションを通じ、彼らの状況を観察し、理解を深めていきたい。

昨年もチーム・ビルディングを目標としていたが、十分進捗したとは言えない。自分のメンバーに対する理解は深まったと思う。しかし、チームビルディングを進めるには、彼らの意識、認識に働きかける必要があり、これは簡単ではないし、時間もかかる。

これまでの状況を振り返ると、メンバーを「対象」として「操作」をしようと考えていたのだと思う。しかし、自分とメンバーは「相互関係」である。相手の意識、認識に働きかけるならば、まず、自分を変化することが必要だということに気がついた。まだ、自分がどのように変化すればわかっていないので、今年はその変化の方向を見定めていきたい。

プライベートでの挑戦(フィジカル)

去年、トレイルランのレースに参加した。今年は、トレイルランを深めるか、ロードの距離を伸ばすか、少々迷っている。トレイルランは変化があっておもしろいが、特に下り道は危険性が高くて、いずれ怪我をしそうな気もする。オフロードを走るのは楽しいので、たまに光が丘公園でクロスカントリーを走ってみようと思う。

ロードでは、ハーフマラソンを走ることになれてきた。どのくらいのペースで走ればよいかわかってきた。今年の下期は、距離を伸ばして30kmレースに参加してみようと思う。

ゴルフの100切りはできたので、次の段階では、平均スコアで100を切れるようになりたい。これが達成できたら、ゴルフはややペースを落としてもよいと思っている。そのためには、スイング改造状態を脱して、安定したスイングを習得する段階に至ること、そして、アプローチとパッティングの改善が必要だ。冬のオフシーズンにしっかり練習をしてスイングを安定させ、春にアプローチとパッティングの練習に取り組み、下半期には平均スコア100を目指したい。

しかし、これまでゴルフは前進してはいるけれど、計画からは遅れている。今年中に目標にたどり着けるかわからないけれど、倦まず弛まず挑戦していきたい。

無理をせず継続することで、動ける身体を維持していきたい。

プライベートでの挑戦(インテレクチュアル)

  • 英語のレッスンとTOEIC Speaking & Writing受験
  • 中国語のレッスンとHSK5級受験の準備、中国語の本を読む
  • 手話の学習継続

去年の後半から中国語のレッスンに通っている。語学上の効果も感じているし、なによりも楽しい。今年は、中国語と交互に英語のレッスンも通ってみようと思っている。英語のレッスンに通い、その後、TOEIC Speaking & Writingを受験をして、レッスンの効果を検証してみたい。

中国語は、今年前半はこれまで習得した単語、文法の復習にあて、後半からは来年のHSK5級受験を目指してあたらしい単語の習得を進めていきたい。あわせて、中国語のレッスンも継続し、特にリスニングを強化する。また、そろそろ中国語の本を一冊通しで読んでみようと思う。

手話は、なかなか実用レベルには到達しそうにないが、まずは講習会から落ちこぼれないように学習を継続したい。講習会は、三年のプログラムとなっている。細く長く、三年間は続けていきたい。

文化の取り組み

グローバリズムの歴史を追いかける、というテーマはこれから一生変わることがないだろう

年末の上海旅行に刺激され、もう少し中国とグローバリズムへの関わりを知りたいと思った。そのためには、中国の歴史、文化(現在の中華人民共和国の範囲ではなく、より広い中華圏について)について基礎知識を習得することが必要だ。今年は、中国を軸としてグローバリズムについて考えてみたい。

最近、読書量が減っている。語学へ時間を投じていることもあるし、老眼で読書のスピードが落ちていることもある。読書へのモティベーションを高めるために会社への読書会に継続的に参加すること、老眼対策のために電子書籍を活用していきたい。

家庭の取り組み

  • キッチンのリノベーションの準備
  • 中華料理のバリエーションを増やす

昨年は水回りのリノベーションが家庭での取り組みとして大きかった。次はキッチン周りのリノベーションが大きなテーマである。今年は、どのようなキッチンにすべきか、しっかり考えて準備をしたい。

自分の料理のバリエーションは、このところ増やすことがなく、きまったものだけ作っていた。今年は中華料理のバリエーションを増やしてみようと思いついた。野菜がおいしい炒めものを作ってみたい。あと、点心もいくつか作れるようになると楽しそうだ。

その上で固執しない

これもこれからずっと不変の目標だが、最終的な目的は見失わず、目の前の計画目標に固執しすぎず柔軟に暮らしていきたい。

上期半年の振り返り

この前書いたブログは新年の抱負に関するものだった。半年経ったところで上期を振り返り、下期を展望しておきたい。

yagian.hatenablog.com

体調維持

当初の目標

  • 健康維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

上期の振り返り

健康維持のためのルーティーン・キープは今年に限らず、永遠の目標である。

大きく体調を崩すことはなかったのでその意味では合格点であるが、1月終わり頃に花粉症、5月後半から風邪をきっかけとして喉の炎症を起こし、体調が優れない時期があった。こまめに医者にかかっているが、5月後半からの不調はやや長引いていしまった。因果関係はよくわからないが、喉の炎症をおこしてだるい時期には、気持ちも低調になり後ろ向きになりがちである。

一定確率で体調を崩すことはしかたないけれども、回復、立ち直りはもう少し早くしたい。体調がよくないときも、やや忙しく動きすぎていたのかもしれない。もう少しはっきりとペースダウンをしたほうがよいかもしれない。

下期の展望

 自分の心身の調子をしっかり観察しながら、早めの対処、ルーティーンの調整をしていこうと思う。特に、不調を感じたとき、早めに緩めていきたい。

仕事での挑戦

当初の目標

  • 新しい部署で求められているサービスを安定して提供する
  • チーム・ビルディングを進め、信頼されるチームを作り上げる
  • チームの各メンバー、そしてチームの成長を促す

上期の振り返り

第一の目標「サービスを安定して提供する」は、おおむね達成できた。

一方、チーム・ビルディングは、必ずしも順調ではない。組織学習、コーチングなどの今どきの理論、方法論を学び、少しずつ適用しているが、うまく反応を引き出せている部分と思うような反応を得られていない部分がある。メンバー、チームの成長についても似た状況にある。学習、成長が進んでいるメンバーと、停滞しているメンバーの差が徐々にはっきりしつつある。

マネージャーとしての自分の振る舞いを振り返ると、傾聴はある程度できているのだろうけれど、メンバーに対するネガティブなフィードバックが適切にできていない。どのように伝えれば相手の理解、納得に結びつくのか確信がもてない。しかし、ネガティブなフィードバックはそもそも難易度が高く、どのようなマネージャーであっても常に確信をもって伝えられるわけではなかろう。腹をくくって思い切りやってみて、相手の反応を見つつ修正を加えていくしかないのだろう。これこそ、自分にとっての最大の学習テーマでもある。

下期の展望

最も重要なことは、メンバーすべてが成長を実感し、よりよいチームになっていくという目標を揺るぎなく示し続けることだろう。時間がかかるかもしれないし、試行錯誤の期間もあるだろうけれど、根気強く取り組んでいきたい。

具体的には、メンバーとのコミュニケーションにおいてはコーチングとフィードバックのバランスの調整すること、業務においてはメンバーが自主的に活動学習するための環境整備を進めていきたい。 

プライベートでの挑戦(フィジカル)

当初の目標

上期の振り返り

この目標は概ね達成できた。

ランニングについては、上記の二つのハーフマラソンに加え、軽井沢ハーフマラソンを完走できた。ハーフマラソンのペース配分、走り方が概ね理解できた。ランニングについては概ね満足している。

ゴルフは、二回100を切ることができた。しかし、満足することができない。レッスンを受けながら、自分なりにスコアを狙うラウンドに向けた計画を進めているが、まだまだ途上にある。

動ける身体を維持するということについては、概ね目標は達成しているが、身体が固くなっているような印象がある。

下期の展望

有酸素運動は、冬から春はランニング、梅雨から夏はスイミングをしている。今は、ランニングの時期は終わり、スイミング中心になっている。去年の夏は、ランニングを完全に休んだため、ランニングシーズンの前半調子を高めるのに時間がかかったので、今年は少しずつ継続的にランニングをしておこうと思う。

ランニングについては、次のシーズンはトレイルランと30kmのレースに挑戦したいと思っている。秋になったらトレイルラン、年明けには30kmレースにエントリーしたい。

ゴルフについては、今の計画を進めていきたい。具体的には、スイングの改造と並行して、クラブのフィッティングを順次進めている途中である。アイアンを新調し、かなりなれてきたところ。次はドライバー、そして、フェアウェイウッドをフィッティングを交換する計画である。クラブが揃い、それらに慣れたところで、ラウンドレッスンをして、傾斜地でのショット、アプローチ、パットの確認をしようと思っている。その後、スコアを目指したラウンドに挑戦したい。今年の冬に間に合えばよいが、どうだろうか。

身体のメンテナンスという意味では、ストレッチを研究してみようかと思う。

プライベートでの挑戦(インテレクチュアル)

当初の目標

  • TOEIC Speaking & Writing受験
  • HSK5級受験
  • 手話の学習継続

上期の振り返り

英語と中国語は、新しいことを覚えるよりは、いままで学習してきたことをしっかりと習得するためのトレーニングに重点を置くことにした。英語はスピーキング、中国語はリスニングとスピーキングに課題があるので、そこを初歩的な教材に立ち返ってトレーニングをしている。ついより高いレベルの教材にトライしてみたくなるが、そこはかなり自覚的に我慢している。

中国語は、今月一つレベルを下げてHSK4級を受験する。来月はTOEIC Speaking & Writingを受験する予定である。

手話はNHK「みんなの手話」に加え、4月から豊島区の手話講座に週一回通っている。ある程度のレベルにまでなれば自習もできるけれど、手話は入門レベルなので教室で習うということの意味は大きいと感じている。

下期の展望

中国語と英語のテストを受けたあと、やや学習方法を見直そうと思っている。まず、下期は自習だけではなく中国語のレッスンを受けようと考えている。おそらく、来年になると思うが、そのあと、英語のレッスンも受けようと思う。リスニングとスピーキングの強化にはレッスンが必要な段階だと感じている。

手話は、手話講座を継続し、地道にレベルアップしていきたいと思う。また、会社でも少しずつ実用的な意味で手話を使っていきたい。

読書と旅行と巡礼

当初の目標

上期の振り返り

読書の量は語学の学習とトレードオフにある。中国語と英語のリスニング、スピーキングに時間を割いている結果として、読書の量は減ることになる。仕事に関わりのある読書は比較的しっかりできたし、エンターテイメントという意味では中華系SFの発見(自分として)があったが、骨太な読書とまではいっていない。時間配分という意味で、この現状はやむを得ないとも思う。

今年の夏の旅行は奈良に行くことにした。自分のなかでは、唐朝の時代、奈良時代は、古代のグローバリズムの時代と捉えている。その意味で、グローバリズムを追いかけるという文脈は継続できている。読書については、上記の通り、今年は中華系SFを発見でき、自分にとってはこれらはディアスポラ文学、グローバリズムという文脈で読んでいる。

江戸三十三観音巡礼は、今年上期はランニングも兼ねて二回行くことができた。

下期の展望

下期の読書も実用的なものが多くなりそうだが、英語の本を一冊しっかり読みたい。また、中国SFの現時点での最高峰「三体」がようやく日本語で出版されたので、これは読まねばならない。

グローバリズムの探求については、夏の奈良旅行に続き、そろそろ中国本土にも行ってみたいという気持ちになりつつある。中国語を試すという意味もある。

江戸三十三観音巡礼は、あともう一回は行ってみたい。おそらく来年には結願できるだろう。

家のインフラ整備

当初の目標

  • 浴室のリフォーム

上期の振り返り

浴室と洗面所のリフォームは完了した。快適になったし、掃除も楽になった。

下期の展望

今年の下期については、家のインフラ整備の計画は今のところ特にない。

最後に残っているのは、キッチンのリフォームである。来年以降、検討する予定である。

その上で固執しない

これもこれからずっと不変の目標だが、最終的な目的は見失わず、目の前の計画目標に固執しすぎず柔軟に暮らしていきたい。

 

今年の振り返りと新年の抱負:メンバーとチーム全体の成長

今年の抱負の振り返り

久しぶりにブログを書く。

今年の抱負の達成状況を振り返り、来年の抱負を考えてみたい。

以下が去年の年末に書いた今年の抱負である。項目別にチェックしてみる。 

yagian.hatenablog.com

体調維持

  • 健康維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

幸いなことに、今年一年を通じて体調を維持することができた。心身の調子がよいことがあらゆるチャレンジの基礎になる。

次の「仕事での挑戦」の項で詳しく書くが、今年の後半は仕事が忙しくなったので、ルーティーンの組み換えをした。今年の前半はジムに通いウェイトトレーニングをしたが、後半は定期的にジムに通うことが難しく自重トレーニングに切り替えた。また、語学の学習もペースダウンし、目標達成までの計画を先延ばしした。そんなふうに固執しすぎず、しかし、諦めることなく細く長く継続することができたのが良い点だと思う。

仕事での挑戦

  • 周囲に信頼される頼られるスターターを目指す
  • チーム・ビルディングは継続、信頼感があるチームを作る
  • 実践的な研修を提供する
  • 簿記二級を受験する(6月)

今年10月から異動をして新しい組織のリーダーになった。7月頃から新組織立ち上げの準備に入り、去年想定していた状況とは大きく変わった。

上記の目標はその当時所属していた部署を前提とした目標だったが、ある意味、それをよりハードルを上げた挑戦をすることになった。今はチーム・ビルディングの日々で、信頼感のあるチームづくりはまだ途上である。新しい業務を担当する新しい部署なので、研修も重要だが、これも実践しながら洗練するプロセスの渦中にある。

簿記二級はぶじ合格した。これで経理の仕事ができる訳ではないが、複式簿記と工業簿記の考え方の基礎を習得したのは今後役に立つと思う。

プライベートでの挑戦(フィジカル)

  • ムリのない範囲でフリーウェイトのトレーニン
  • ハイテクハーフマラソン(1/14)、目白ロードレース(3/4)を完走する
  • スイミングでリラックスする
  • ゴルフで100を切る(レッスンを受ける)

前述のように、今年前半はフリーウェイトのトレーニングをしたが、後半は家での自重トレーニングに切り替えた。タンパク質を気をつけているが、その割に骨格筋率が増えないと思う。体調維持が目的だから、あまり気にせず気長に続けることが重要なのだろう。

ハイテクハーフマラソンで、初のハーフマラソンに参加した。ぶじ2時間を切って感想できた。しかし、前半がオーバーペースで最後の3kmは足がまったく動かなかった。次はフルマラソンと思っていたが、ペースを守ることを覚えないと厳しいと思う。目白ロードレースは5kmのレースなので、気持ちよく走り切ることができた。また、12月にはいちごトレイルランに家族で参加できて、雨が降りアップダウンが厳しいコースでハードだったが楽しむことができた。

ランニングのログを見ると、今年は333km走っていた。今年の夏は暑かったので6月から9月まではほとんど走っていない。4月頃は調子がよく、かなりいいペースで走れていたが、秋からランニングを再開したがなかなか調子が上がらなかった。来年の1月に再度ハイテクハーフマラソンに参加するが、調子という意味では厳しいと思う。

ランニングを休んでいた間はスイミングをしていた。ランニングはタイムを気にしながら走っていることが多いが、スイミングではそんな野心がなく、自分がいちばん気持ちいペースで泳いでいる。その意味で、ランニングに比べるとスイミングはリラックスができる。今、冬は主にランニングをしているが、スイミングをまぜてもいいかもしれない。

そしてゴルフ。今年は本格的にレッスンを受け、練習もかなり熱心に行った。しかし、結果としては、102がベストスコアで100を切ることができなかった。目標は来年に持ち越しである。

プライベートでの挑戦(インテレクチュアル)

  • TOEIC Speaking & Writing受験(下期)
  • HSK5級受験(下期)
  • 広東語学習継続
  • 簿記2級受験(6月)

 インテレクチュアルな目標としては、簿記2級は合格したが、TOEIC Speaking & WritingとHSK5級の受験も延期し、広東語の学習はお休みをしている。

英語も中国語もSpeakingが不十分だと感じている。ハワイに旅行したとき、ヒアリングに比べて話したい言葉がでてこなかった。また、今年の後半は中断しているが、Skype中国語のレッスンで単純な表現がなかなか口からでてこずにもどかしい思いをしていた。英語も中国語も初歩に立ち返って単純な構文の文章、チャンクをすばやく話すトレーニングを地道に続けている。

読書と旅行と巡礼

今年もあまり骨太な読書はできなかった。

そのなかで、いちばん印象的だった本はダニエル・カーネマン「ファスト・アンド・スロー」だった。これは自分の認知のありようを客観的に振り返る非常によい契機になった。

今年の夏には、マウイ島オアフ島に旅行した。キャプテン・クックによるハワイ諸島の「発見」からハワイ王国アメリカ合衆国に併合されるまでの歴史は、グローバリズムの展開を示す一つの実に興味深い事例だ。今回の旅行では、ビショップ・ミュージアムイオラニ宮殿を訪ねて、この歴史について知識を深めることができた。これからも探求していきたい。

江戸三十三観音巡礼は、今年後半はあまり進まなかった。けれども、これも細く長く続けていきたい。

家のインフラ整備

  • 洗濯乾燥機の購入 

今年は電化製品が耐用年数を迎え、必要に迫られリプレースを進めた。

ドラム式洗濯乾燥機、エアコンと冷蔵庫を買い替えた。洗濯乾燥機の購入は家事の効率化にインパクトがあった。洗濯物を干さなくていよくなったのはすばらしい。それまでは、天気予報を気にしたり、浴室乾燥機を使ったり、手間がかかる上、しっかりと乾燥しないことも多かった。多少服が縮むこともあるが、自動で洗濯物が乾燥することで計画的に家事ができるようになった。

その上で固執しない

できること、できないことがあったけれど、最終的な目的は見失わず、目の前の計画目標に固執しすぎず柔軟に生活できたのはよかった。全体としてはいい一年を過ごすことができた。

新年の抱負:メンバーとチーム全体の成長

体調維持

  • 健康維持のためのルーティーンをキープする
  • 疲れたときはムリせずルーティーンを休む
  • 調子のいいときも悪いときもそれなりのピッチング

この目標は来年も変わることがない。

来年一年もまずまずの体調を維持することがすべての基盤となるだろう。

仕事での挑戦

  • 新しい部署で求められているサービスを安定して提供する
  • チーム・ビルディングを進め、信頼されるチームを作り上げる
  • チームの各メンバー、そしてチームの成長を促す

10月から立ち上げた新組織では、まずは、新しいメンバーで年度末に向けて求められているサービスを安定して提供することが短期的目標である。これは、今自分に与えられたメンバーでしっかり実現しなければならない。

中長期的には、メンバーが相互に協力しながら前向きに成長できるチームを作り上げたい。そのことにより、チーム全体としての成長が実現し、周囲からの信頼も獲得できるだろう。

今、組織学習、コーチングなどに関する本を読み、少しずつ実地に適用して、メンバーの反応を見ているところだ。今年一年を通じ、継続してメンバーとチーム全体の成長を促していきたい。

プライベートでの挑戦(フィジカル)

冬から春のランニングシーズンに、ハーフマラソンに二つエントリーしている。これを完走することを目標としている。今年は夏に完全にランニングを休み、調子を戻すことに苦労したので、少しずつでも年間を通して走ろうと思う。また、いちごトレイルランが楽しかったので、来年の後半にはトレイルランにも挑戦したい。

そしてゴルフ。そろそろ上達したい。そして、100を切りたい。そのためには、レッスンと練習を継続とするとともに、コースをラウンドする機会を増やそうと考えている。

来年一年を過ごすなかで、あれもやりたい、これもやりたいと思えるものに出会えると思う。そのときに、躊躇せずに挑戦できる動ける身体を維持することが重要だろう。

プライベートでの挑戦(インテレクチュアル)

  • TOEIC Speaking & Writing受験
  • HSK5級受験
  • 手話の学習継続

仕事では、年度末を乗り切ればある程度時間もできると予想している(そうありたい)。

可能であれば、英語と中国語の学習をペースアップしてTOEIC Speaking & WritingとHSK5級の受験をしようと思う。

新しい組織にろう者のメンバーがいる。今、NHK「みんなの手話」を見ているが、これは継続して、簡単な意思疎通は手話できるようになることを目指していこうと思う。

読書と旅行と巡礼

二年間続けて骨太な読書はできなかった。おそらく、来年の前半は業務に直結するような読書が中心で、なかなか骨太な読書はできないだろうが、後半には手応えのある古典を読む機会を作りたい。

旅行と巡礼についてもテーマは変わらない。これは今後数年続けて探求していきたいと考えている。

家のインフラ整備

  • 浴室のリフォーム

電化製品や家具の置き換えはほぼ完了した。あとは、カビとの戦いに負けてしまっている浴室のリフォームができれば、かなり快適な住居になると思う。わが家のインフラ整備としては、これが大きなテーマになる。

その上で固執しない

これもこれからずっと不変の目標だが、最終的な目的は見失わず、目の前の計画目標に固執しすぎず柔軟に暮らしていきたい。

 

「市場の倫理 統治の倫理」とドナルド・トランプ、ジョン・マケイン、そして、安倍晋三

「市場の倫理 統治の倫理」

 勤務先の会社で「社会科学研究会」という勉強会に参加している。この勉強会では、人文系の一般書を輪読している。今、行動経済学の本を読んでいるが、そのなかで、人間は合理的経済人として行動するだけではなく、社会的な倫理に基づいて行動する、そして、そのほうが望ましい結果がもたらされるという指摘があった。その一節を読み、ジェイン・ジェイコブズ「市場の倫理 統治の倫理」を思い出した。 

市場の倫理 統治の倫理 (ちくま学芸文庫)

市場の倫理 統治の倫理 (ちくま学芸文庫)

 

この本のなかで、ジェイコブスは、社会には「市場の倫理」と「統治の倫理」という二つの倫理体系があり、この二つを混ぜ合わせることで腐敗が生じると主張している。

ジェイコブスは、市場の倫理と統治の倫理の主な特徴を以下のようにまとめている。

市場の倫理
  • 暴力を締め出せ
  • 自発的に合意せよ
  • 正直たれ
  • 他人や外国人とも気やすく協力せよ
  • 競争せよ
  • 契約尊重
  • 創意工夫の発揮
  • 新奇・発明を取り入れよ
  • 効率を高めよ
  • 快適と便利さの向上
  • 目的のために異説を唱えよ
  • 生産的目的に投資せよ
  • 勤勉なれ
  • 節倹たれ
  • 楽観せよ

 

統治の倫理

  • 取引を避けよ
  • 勇敢であれ
  • 規律順守
  • 伝統堅持
  • 位階尊重
  • 忠実たれ
  • 復讐せよ
  • 目的のためには欺け
  • 余暇を豊かに使え
  • 見栄を張れ
  • 気前よく施せ
  • 排他的であれ
  • 剛毅たれ
  • 運命甘受
  • 名誉を尊べ

統治の倫理とジョン・マケイン

アメリカの上院議員ジョン・マケインが亡くなった。

ジョン・マケインは二回アメリカ大統領選挙に挑戦したが、一回目は共和党内の予備選挙ジョージ・W・ブッシュに破れ、二回目は大統領選挙で民主党バラク・オバマに破れた。しかし、上院議員として、特に外交、安全保障政策の領域で大きな存在感を示し、尊敬を集めていた。最近では、共和党員でありながらドナルド・トランプを厳しく批判している。

私は一貫して自分の信念にしたがって発言をする彼に敬意を持っていた。

www.bbc.com

市場の倫理と統治の倫理のリストを見ていると、ジョン・マケインは統治の倫理に忠実だったことがわかる。彼は政治家にふさわしかったし、大統領として仕事をしているところを見てみたかった。

ドナルド・トランプと市場の倫理と統治の倫理の混交

この市場の倫理と統治の倫理という観点からトランプを見ると、どうなるのだろうか。

彼は「ディール(取引)の名人」であると主張している。統治の倫理の第一番目に「取引を避けよ」とある。取引は自己の利益のためにするものだから、自己の利益を超えた理想を目指す統治の倫理とは相容れない。

マケインがベトナムの捕虜になったとき、著名な軍人の息子であることを知ったベトナム軍は彼に対して早期に釈放するという取引を持ちかけた。これに対し、マケインは自分より早く捕虜になった人より先に釈放されることを拒絶した。これは統治の倫理である「取引を避けよ」「運命甘受」「名誉を尊べ」といった項目に当てはまる。

それでは、トランプは市場の倫理に忠実だろうか。それも当てはまらない。例えば、「正直たれ」「他人や外国人とも気やすく協力せよ」といった倫理からは遠く隔たっている。
トランプはいずれにせよ何らかに倫理に従って行動し、生きている訳ではない。だから、典型的な意味での「市場の倫理」と「統治の倫理」の混交による腐敗ではないけれど、「統治の倫理」ではもっとも避けるべき「取引による自己の利益の追求」をしているという意味で、大統領として守るべき「統治の倫理」を守っていないということは明らかだろう。

個人的にトランプの行動でいちばん好きになれないのは、「名誉を尊べ 」といった自己の利益を超えた「高貴さ」を求めるところがないことだ。マケインともっとも相容れなかったのはそういったところなのだろう。一方、反ワシントン、反権威を求めるトランプ支持者は、そういった「名誉」「高貴さ」を踏みにじるトランプに痛快さを感じているのかもしれない。

そして、安倍晋三

安倍晋三は、マケインとトランプのどちらに似ているだろうか。

私は、自己の政治的な利害を追求し、それを超えた「名誉」「高貴さ」に関心が乏しい、それゆえ、底が浅く見える言動、行動が目立つ彼は、トランプタイプだと思う。

スポーツ界とハラスメント

スポーツ界の閉鎖性とハラスメント

最近、スポーツ関係の団体でハラスメントに関わる問題が次々と明るみになっている。

スポーツ界でのハラスメントが多発する構造的な原因のひとつは、チームの移籍が困難なことにあるのだろう。クラブチームであれば選択し、移籍することは容易だろうけれど、学校の部活であれば移籍は難しく、国の代表となると選手がチームを選ぶことができない。

ハラスメントは、逃げ出すことが難しい閉鎖的な環境での権力関係の中で生じる。その意味では、国単位、学校単位のスポーツは、特にハラスメントが生じやすい構造にある。もし、関係者がそのことに自覚的でないと、ハラスメントが生じる危険性が高い。そして、おそらくは、自覚的ではない関係者が多いのだろう。

オリンピックへの疑問

オリンピックへの疑問は多すぎて、簡単に書ききれない。ここでは、国単位で独占的に組織が作られている、という仕組みついて

オリンピック憲章には、オリンピックは国家間の競争ではなく、個人やチーム単位の競争だと書かれているそうだが、実に欺瞞的だ。オリンピックに関わる組織は、国単位の組織が連合して構成されている。個人が直接オリンピックにエントリーすることはできないし、チーム単位の競技では国単位でチームが構成される。

 以前、日本にバスケットボールのプロ・リーグが二つあると日本代表として国際試合に参加できない、とのことで、一つのプロ・リーグに、なかばムリヤリ統合されたことがある。しかし、なぜ、二つあると問題なのかまったく理解できない。二つのプロ・リーグから一つの日本代表が構成できれば問題ないはずだし、リーグごとに二つのチームが国際試合にエントリーしたってよいではないか?

人を閉鎖的に囲い込む環境と選択の自由

この問題は、スポーツ界特有のものではなく、人を閉鎖的に囲い込む環境共通の怖さだと思う。
最近、スポーツ界では声を上げられるようになってきたのはよいことだが、まだまだ声をあげられないことも多いだろうし、スポーツ界以外にも闇の多い分野、組織も多いはずだ。

また、声を上げるのは、声を上げる者に対する負担、リスクも大きい。そもそもハラスメントの罠に落ち込む前に、所属を容易に変えられる仕組みになっていればよかったのではないだろうか。選択の自由と具体的な選択肢の存在によって、パワーハラスメントを防ぐことができたのではないか?

陸上競技や水泳のように、客観的な基準で代表が選出される競技は、いわば人治ではなく法治なので、比較的パワーハラスメントは生じにくい仕組みになっているのだろう。
人治的にならざるを得ない競技でも、できるだけ法治的な仕組みを意識して導入すべきなのだろう。

人治と法治

これは自戒の念を込めて、だが、差別と同じで、権力は無自覚に行使しがちで、権力を行使される側の感じ方には思いが至らないことが多いと思う。

とはいえ、人治的なシステムで権力を握っている人が、自発的に権力を手放して法治的なシステムに移行することは稀なんだろう。そして、人治的なシステムで権力を握っている人は、自分はいいことしていると思っていて、事実、いいかとをしている部分もある。それ故に、法治の導入は難しくなる。

いろいろ考えてみて、解決策にたどり着かない。難しい…

おいしいアメリカ:オーガニックとクラフトビールとコーヒー

おいしいアメリ

夏休みのハワイ旅行で行ったレストランのなかでは、マウイ島の北側、パイアのほど近くにある"Mama's Fish House"が印象に残った。料理もおいしく、立地もよく、ホスピタリティもすばらしかった。

www.mamasfishhouse.com

身近にアメリカの良さを共有できる人が少ないいこともあり、「まずい」という強固なステレオタイプがあるアメリカの食のおいしさについて共感してもらうことがなかなか難しい。

しかし、実際にアメリカに行くたびに「おいしいアメリカ」を堪能しているし、日本でもアメリカ的な食を楽しむことが増えている。

オーガニックとクラフト・ビールとコーヒー

1990年代の初頭、はじめてアメリカに行った時、アメリカの食が一般的においしいとは言えなかった。個人的には、ダイナーの端が焦げたパンケーキと薄いコーヒーは好きだけれども、積極的に他人には勧められない。

しかし、徐々に改善が進み、特に2010年代に入ってからは劇的な変化があったと感じている。この変化を代表するのが、オーガニック、クラフト・ビール、コーヒーの3つだと思う。

ハワイにも、オーガニックを中心として全米展開する食品スーパーマーケットWhole Foods Marketがあり、地元のDown to EarthやMana Foodsという人気店もある。これらの店では、健康や環境配慮だけではなく、おいしさも追求されている。Farm to Tableを標榜するレストランも多く、”Mama's Fish House”では、魚を採った漁師さんの名前が書かれたメニューもあった。

最近、どの州でもクラフト・ビールを作るマイクロ・ブリュワリーがあり、多くの地元のレストランに置いてある。もともとアメリカの料理は、味が濃くてビールとの相性がよいものが多い印象があるが、ビールの選択肢が増え、ビールと食を組み合わせる楽しみが一気に増えた。ビールは鮮度がよい方がおいしい「生鮮食品」だから、大規模なビールメーカーより地産地消に向いていると思う。

そして、町のそこかしこに、おいしいコーヒーを出してくれるインディペンデントのカフェが普通にあるようになった。いわゆるサードウェーブコーヒーは、大企業が仕掛けた一時的な流行ではなく、地に足がついたものだと思う。

ヒッピー文化と多様性

オーガニック、地産地消クラフトビール、サードウェーブコーヒーといった最近のアメリカの食の傾向には、やはりヒッピー文化が底流にあると思う。個人的には、ヒッピー文化にはあまり惹かれないけれど、今のおいしいアメリカは、彼らの文化抜きではありえなかったことは間違いない。

たまに、アメリカのさまざまな起業家へインタビューするポッドキャスト"How I Built This"を聞くことがある。起業家の中で、ヒッピーの両親に育てられた、とか、コミューン育ち、とか、かなり特色のある環境で生まれ育った人たちがいて、彼ら自身はヒッピーではないとしても、その個性ある感覚、世界観、人脈を生かして、特色あるビジネスを立ち上げていたりする。

www.npr.org

多様性の価値、というのはこういうことなのだ、と思う。

おいしいアメリカと階級

Whole Food Marketは高級スーパーという位置づけで、そこで売られているオーガニック食品は高くて、ウォルマートとは客層が違っている。クラフトビールは、もちろん、バドワイザーより高いし、サードウェーブのコーヒーは、ダンキン・ドーナツより高い。

前回のブログで、英語の能力とカースト・階級差を感じるということを書いたけれど、最近の「おいしいアメリカ」も、ある一定の階級以上が享受している、という印象はある。