2004-09-01から1ヶ月間の記事一覧

猫を猫として

保坂和志「書きあぐねている人のための小説入門」(草思社)(ISBN:4794212542)を読んだ。題名が「小説入門」となっているけれど、内容は保坂和志が考える小説作法である。この本からは、彼の小説への志の高さが感じられて気持ちがよかった。 冒頭に小説の定…

予想外

村上春樹もふくめ現代の日本の小説を読もうと思い、すこしずつ読んでいる。なかなかおもしろい小説が多いと思う。 最近では、村上春樹「アフターダーク」(講談社)(ISBN:4062125366)、保坂和志「プレーンソング」(中公文庫)(ISBN:4122036445)、車谷長吉「…

それで少しでもやさしうすると、女はついて来る気になるんじゃろう。

佐野真一「旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三」(文藝春秋)(ISBN:4163523103)を読んだ。 佐野真一は、かつて宮本常一がフィールドワークをした土地を訪ね、また、宮本常一のアサ子未亡人から未公開の書簡を借り、いくつかの新しい事実を掘り出している。そのな…

彼岸

今日は曇りということもあり涼しくなった。 まだ、ゴルフ熱(id:yagian:20040919)はさめておらず、実家の父親を誘って王子にあるゴルフ練習場に行ってきた。 ゴルフクラブを担いで雑司が谷霊園前から王子駅前まで都電に乗った。休日のためか、かなり混んでい…

プロレスの経験とプロ野球の今後

ここ15年ぐらいのプロレス衰退の経緯を見てきた目で見ると、いまのプロ野球は、10チームに削減して1リーグ制にしても、将来は暗いと思う。 結局のところ、巨人以外の球団は、巨人戦の放送権料をあてにしており、その分配の方法をめぐって綱引きをしてい…

もうすぐお彼岸

粘っこい汗が乾燥してくれず、しかし、冷房のスイッチを入れるほどでもない、はっきりしない蒸し暑い一日だった。汗が乾かず、気持ちが悪い。蒸し暑さに負けて、一日、だらだらと過ごしてしまった。

ゴルフと英語

ゴルフと英語は似ている。 昨日、会社の人たちと伊豆へゴルフに行った。 それほどゴルフ好きというわけではないので、普段はさっぱり練習などをしないし、自分から積極的にゴルフへ行くこともない。一応、ゴルフクラブのセットは持っているから、年に数回お…

イブラヒム・フェレール

久しぶりにMP3プレーヤーを引っ張り出してきて、会社への行き帰りの電車の中で音楽を聴いた。 コンピューターからファイルをコピーするのも面倒なので、そのときプレーヤーに入っている曲をそのまま聴いていた。 入っていたのは、奥田民生にMR. Children、そ…

打合せ

関わっている仕事の本数が増えたせいで、社内、社外の打合せの予定で、あっという間にカレンダーが埋まってしまう。 きちんと打合せをして、アイデアを出し合い、意識をすりあわせることはもちろん大切だ。 メールで打合せを省略することもある。しかし、た…

秋空、稲穂、蕎麦、藤沢周平

山形からの帰りの新幹線の中でこの日記を書いている。めずらしくビールは飲んでいない。 昨日は、最終の新幹線で山形へ行き、駅に直結したホテル・メトロポリタン山形に泊まった。今朝は、山形駅から9時過ぎの列車に乗り、寒河江という町で仕事をした。帰り…

そうしないわけにはいかなかったのだ

今、山形行きの新幹線の車中にいる。 村上春樹「アフターダーク」(講談社文庫)(ISBN4062125366)を読み終わり、モバイルパソコンの蓋を開けて、感想を書こうと考えているところだ。 福島駅で列車が切り離され、山に向かって坂道を上っている。まわりは真っ…

はてなのテーマ

稲本(id:yinamoto)がはてなに引っ越したのに刺激され、ウェブログ*1のデザインをいじってみた。自分でhtmlを打っていたころとちがって、簡単にデザインが変えられるのがウェブログのよいところである。 このウェブログの場合、文章が長いときがあるので、と…

解放感

ここしばらく気にかかっていた大きな会議が終わった。 十分満足できる出来ではなかったけれど、なんとか乗り切ることができて、とりあえずほっとしている。 最近、ずっと気分が重かったのは、この会議が気にかかっていたかららしい。あんがい単純な理由であ…

渋沢敬三

昨日、休日出勤のついでに、区立図書館によって「渋沢敬三著作集 第3巻」(平凡社)(ISBN:4582429432)を借り、「犬歩当棒録」を読み返している。 渋沢敬三のような人を見ていると、社会には一定割合、貴族とか生まれながらの金持ちという人たちが存在した方が…

愚痴になってしまうけれど

この前後の日記を読み返してみると、今の自分の日記に比べると緊張度が高く密度の濃い文章を書いていたし、文体の実験もあれこれやっていた。日記を書くことに、それなりに時間をかけていたし、集中力や意欲も高かった。 最近、日記に限らず、いろいろなこと…

911

911の時の日記を読み返してみた。 http://www.lares.dti.ne.jp/~ttakagi/diary/diary/0109.htm#20010912 今もこれに付け加える感想は特にない。

付記

小説を読むと、映画版「存在の耐えられない軽さ」もよくできていることがわかる。ダニエル・デイ・ルイス、ジュリエット・ビノシュ、レナ・オリンは、それぞれのキャラクターを深く理解して演じているように見える。 「存在の耐えられない軽さ」の感想として…

使命

ミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」(集英社文庫)(ISBN:4087603512)を読み終えた。 知的で密度の高い小説だから、じつにさまざまなことを考えさせられる。感想を書き出したら切りなく書けそうに思うが、今日は一つだけに絞って書こうと思う。 トマ…

出社拒否症

最近、やらなければならない仕事は山積しているが、というより、山積しているほど、出社拒否症気味になる。ぐずぐずしている場合ではないほど、ぐずぐずしていたくなる、というのは、いったいどうしたことなのか、素朴に疑問に思う。 夜、布団に入ったとき、…

存在耐えられない軽さ、アフターダーク

映画は見たことがあったが、小説は3年ぐらい積ん読にしていたミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」(集英社文庫)(ISBN:4087603512)を読み始めた。 映画では登場人物の行動だけが提示される(だったと思う)が、小説では語り手がたびたび登場して、…

イチローはどこに行くのか

MLB

先週の土曜日、イチローが5打数5安打をした試合を見た。 トップスピンをかけて高く弾むゴロを打ち、ヒットを量産していた。しかし、そのようなことより印象的だったことは、マリナーズのなかでは、まるで、イチローが一人で野球をしているように見えるとい…

停電

家に帰ってテレビを見ると、サッカーワールドカップ予選、日本対インド戦の中継をしていたが、なんと、試合が停電で中断しているという。 たしかに、スタジアムは薄暗い。インドの観客たちは慣れているのか、達観したように、騒ぎもせずにおとなしく待ってい…

]はてなダイアリーの一冊百選

はてなダイアリーには、いろいろな人が紹介しあって持ち回りで書く同人誌というか、サークルというか、そんな「はてなダイアリークラブ」という企画があるようだ。 今回、そのなかのはてなダイアリーの一冊百選という企画に声がかかり、宮本常一「忘れられた…

偉い人は偉い

どうにも倦怠感が抜けず、身体がずっしりと重い。こんな時に会社に行くのは辛い。 朝、寝床で宮本常一の「民俗学の旅」(講談社学術文庫)(ISBN:4061591045)を読み、元気をかき立てることにした。宮本常一も偉いし、渋沢敬三も偉い。偉い人は、ただでさえ偉…

オチ

日記を書いていると、最後に、なにかまとまりが悪い感じがして、あれこれ考えた結果、むりやりオチつけてしまうことが多い。 例えば、昨日の日記(id:yagian:20040904#p4)の最後の一文、 「ヤンキースを見ているこちらも、だんだん辛くなってきた。」 その前…

昨日は一日中だるく、本を読みながら家でぐずぐずしていた。 窓を少し開け、ソファに寝ころんでいると、いろいろな音が聞こえてくる。 3階のわが家の窓からは、電線が目の前に見える。子どもらしい小柄なすずめが何羽か留まっていて、高い声でさえずってい…

悪循環

MLB

今朝、ヤンキース対オリオールズ戦をじっくりと見た。ヤンキースの選手たちは、元気がなく、沈鬱な、救いのない試合だった。 今日の先発のケビン・ブラウンは、あいかわらず右肘がまっすぐ伸ばせない。そして、一塁のベースカバーに入るときに、つまづいただ…

フリーエージェント

球団数を2つ減らして1リーグに統合するという提案は、経営に行き詰まった銀行の救済合併のようなもので、見る側の都合は考えられていない。 しかし、2リーグ制を維持しようという選手会の主張も、雇用を確保したいという労働組合らしい主張であって、これ…

ストックホルム症候群

ペットが飼い主になつくのは、一種のストックホルム症候群なのではないか。

基礎トレーニング

一昨晩、半徹夜をしたところ、昨日の夜にはすっかりぐずぐずになった。 今年の夏、家族で食事をしたとき、兄が「ジャーナリストはアスリートだ」と言っていた。偉そうな言いぐさだなと思ったけれど、言っていることは正しい。 かつて将棋界には破滅型の勝負…