時事

原子力発電について

最近はこの日本語版ウェブログと英語版ウェブログ(http://goo.gl/J3DhM)を隔日で書いている。今日は日本語版を書く日ではないのだが、昨日「NHKスペシャル シリーズ原発危機 第1回「事故はなぜ深刻化したのか」「ETV特集「続報 放射能汚染地図」」を見て、原…

菅直人、小沢一郎、鳩山由紀夫

菅直人に対する不信任決議をめぐる騒動が一応の決着を見た。 結局、菅直人、小沢一郎、鳩山由紀夫の三人の民主党内での権力闘争に、色気を出した自民党が利用されたということだろう。震災対策には何の関係もない。 不信任決議を否決できたという意味では菅…

三陸海岸大津波

つれあいが買った吉村昭「三陸海岸大津波」を読んだ。過去、三陸海岸を襲った明治二十九年、昭和八年、チリ地震津波について、過去の証言を丹念に集めた作品である。 今回の大震災と津波の直後は品切れになっていたようだが、今は増刷されて入手可能になって…

総理大臣の仕事

浜岡原子力発電所への運転停止要請について次のようなツィートがあった。 @ToruTAKAGI: 菅首相の浜岡全停止要請、正しい決断だ。原子力政策を安全委や安全保安院に任せてきた結果、原発が爆発した。彼らが全くアテにならないことが明らかになったのだから、…

場当たり的対応

もうすでに各所でさまざまな批判がされているから屋上屋を架すことになるけれど、一昨日の記事に書いたこと(id:yagian:20110505:1304578609)と関係が深いので、いちおう書いておこうと思う。 福島第一原子力発電所の事故への対策について、内閣官房参与を辞…

日本的組織とリーダーシップ

まず、この文章を読んでいただきたい。 それに加えて大地震に対する日本政府の危機処理能力は、信じがたいほどお粗末なものだった。彼らは驚愕に文字通り立ちすくみ、敏速で適切な対処をすることに失敗した。いくつかの国から派遣申し込みのあった救助チーム…

インドから日本への仏教の旅

一昨日、日本人の持つ無常観や諦観についての記事(id:yagian:20110502:1304285422)を書いた。 それに対して次のようなツィートがあった。 @kamechiyosaburo: @yagian 諸行無常の感覚や諦念ですが、「諸行無常といい、そして神を持たず、なおかつ虚無感に走ら…

諸行無常と諦念

英語版のウェブログ(http://bit.ly/fgWkuK)で、こんな記事(http://bit.ly/jK068B)を書いた。 日本語に翻訳するとこんな内容になる。 風をあつめて父親から、終戦の日はとても暑く、日差しが眩しかったと聞いたことがある。その時、東京には何もなかった。東…

匪賊とテロリストと社会環境

エリック・ホブズボーム「匪賊の社会史」を読んだ。現代社会のことを考える上でも、日本の歴史を見直す上でも、非常に参考になる視点を提示している本だと思う。 「匪賊」ということばがなかなかイメージしにくいが、原題は"Bandits"である。ホブズボームは…

J. G. バラードと強迫観念

J. G. バラードの「人生の奇跡」「太陽の帝国」「女たちのやさしさ」を読み終えた。 「人生の奇跡」は遺作となった自伝であり、「太陽の帝国」と「女な血のやさしさ」は自伝的小説である。 バラードは1930年に上海の租界で生まれた。租界は、事実上の帝国主…

多様性を楽しむ

最近、lang-8 (http://goo.gl/fuyN) にハマってる。 lang-8は、外国語学習者のためのSNSである。日本語話者としての私は、日本語学習者が書く日本語を添削し、英語話者が私の英語を添削してくれる。 lang-8では、思いもよらなかったような人と知り合うことが…

福島第一原子力発電所事故の教訓を国際的に共有すべき

REAL-JAPAN.ORGというウェブサイトで勝間和代が「原発事故への提言 − リスクがリスクを招かないようにしたい」という文章を書いていた。(http://goo.gl/eW4FS) 以下は、勝間和代の文章に対するコメントである。 今回の福島第一原子力発電所の事故を契機に考…

あなたのような人にしか東京は救えないのです。

ニューヨークタイムで、村上春樹の短編「かえるくん、東京を救う」と今回の地震に関する批評を読んだ。(” Super-Frog” By JOEL LOVELL March 22, 2011 http://goo.gl/ZiS6k) 「かえるくん、地球を救う」は、1995年の阪神淡路大震災をテーマにした短篇集「神…

アメリカの理想と欲望

ガブリエル・ギフォード下院議員の狙撃事件で、その原因の一つとなったとしてサラ・ペイリンが批判されている。 アメリカという国は、理想主義と本音が相克している国だと思う(ちなみに、日本は理想主義がなく、本音のみの国である)。 前回の大統領選挙で…

ティーパーティー・ムーブメントとネオコン

いつも読んでいる「溜池通信」 (http://tameike.net/) というウェブサイト(まだウェブログ化されていない!)に、毎週、一本レポートが掲載されるのだが、今週は「中間選挙後のオバマ政権と米国外交」 (http://tameike.net/pdfs8/tame457.PDF) というタイトル…

インターネットの暗箱

最近、CNN Anderson Cooper 360°のことばかり書いているような気がするが、目の付け所が面白くて、英語が充分理解できなくてもついつい見てしまう。 しばらく前のAnderson Cooperでは、幼児性愛を推奨するかのような書籍について取り扱っていた。西欧諸国で…

インターネットとプライバシー

昨日の会社からの帰り道に聴いたCNN Anderson Cooper 360°のPodcastは、ミシガン州の法務次官補Andrew Shirvellが解雇されたというニュースだった(http://goo.gl/NXUud)。 Andrew Shirvellは、以前もAnderson Cooper 360°に取り上げられていた。彼は、ミシガ…

「いまここなる」現実の重視

丸山眞男「忠誠と反逆」を読み終わった。昨日の日記(id:yagian:20101107:1289082990)の続きを書こうと思う。 まず、例によって引用しようと思う。丸山眞男は、日本の「古層」にある歴史意識について、次のように書いている。 こうして「いまここなる」現実の…

「正義は力なり」と「力は正義なり」

先週は、会社から帰ってくる時間が遅く、読書の時間があまりとれなかった。昨日の午後は、久しぶりにゆっくりと本が読めた。 今、丸山眞男「忠誠と反逆」を読み進めている。 私ごときが言うのはおこがましいけれど、丸山眞男は頭がいいと感心する。自分が頭…

アメリカの本音と建前

アメリカの中間選挙の大勢が判明した。 (http://projects.usatoday.com/news/politics/2010/elections/) 世論調査などで予想されていた通り、下院は共和党が過半数を占め、上院は僅差で民主党が過半数を守る見込みである。 2年前、オバマ大統領が当選し、熱…

アメリカの学校でのゲイに対するいじめの問題

最近、通勤のときに、アメリカのニュースの情報収集(といっても、仕事にアメリカのニュースが直接役に立つわけではないので、アメリカ好きの私の趣味のようなもの)と英語のヒアリングの練習(これもまた、今は仕事で英語は使っていないので、海外でコミュ…

サラ・ペイリンとティー・パーティー・ムーブメントとは何か

最近、通勤の時にアメリカのニュース番組のPodcastを聴いている。今のいちばん大きなニュースは中間選挙の動向である。 民主党は劣勢を覆そうとして、バラク・オバマとミシェル・オバマが接戦の選挙区を精力的に回って応援演説をしている。ビル・クリントン…

「公正としての正義」とポピュリズム

ジョン・ロールズ「公正としての正義再説」を読んでいる。 ロールズは、民主主義国家の基礎となる正義の原理を探求し、次の二つの原理を提唱している。 一つ目は、基本的自由をすべての人に平等に与えること。二つ目は、所得と富の平等な配分を求めるが、社…

不確実性は今なお続く

いま、村上春樹「夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです 村上春樹インタビュー集1997-2009」を読んでいる。 いつも、気になったことが書いてあったページの端を折りながら本を読んでいる。この本は折ったページが多すぎて、端が膨らんでしまった。それだけイ…

異文化との共存

Podcastで、CNN Anderson Cooper 360 (http://ac360.blogs.cnn.com/) を見ていたら、 911にコーランを焼却するということを宣言しているフロリダの小さな教会の牧師に対し、Anderson Cooperが相当厳しく詰問調のインタビューをやっていた。 「海外に派遣され…

小沢一郎の政治主導

菅直人と小沢一郎の民主党代表選挙が行われている。 小沢一郎は、国会議員票、組織票を固めて優位に立っているという。世論調査では、小沢一郎の支持率は低いが、彼の豪腕政治家ぶりに今の日本の停滞状況を打破してくれるのではないかと期待する声も聞く。ま…

現代日本の政治思想

ハーバード大学サンデル教授の政治哲学の講義をTV番組にした「ハーバード白熱教室」(http://www.nhk.or.jp/harvard/)を見ていると、身近で具体的な問題が政治哲学と深いかかわりがあることがわかる。それでは、現代日本の政治において、政治哲学はどのような…

属国

日本経済新聞を読んでいたら、こんな記事があった。 米中の閣僚が一堂に会し、経済や安全保障分野の懸案を議論する初の「戦略・経済対話」が28日、2日間の日程を終えて閉幕した。貿易不均衡を是正して持続可能な経済成長を実現するため、マクロ経済政策で協…

小確幸

今回の東京都議会選挙で、誰に投票しようかと迷ったけれど(id:yagian:20090706)、結局、投票したい候補者がいなかったから今回は棄権した。 昼、つれあいとスーパーに買い物に行ったついでに、フレッシュネスバーガーで昼食をとった。つれあいがサルサバーガ…

東京都議会選挙

来週の日曜日の7月12日は、東京都議会選挙の投票日である。 私の選挙区では、自民党、民主党、公明党、共産党、幸福実現党から立候補している。私自身は、創価学会員でもなく、共産主義者でもなく、幸福の科学の信者でもないから、投票する可能性があるの…