雑感

ミナサン、減税はおキライですか?

TPP参加をめぐる賛成派の主張も反対派の主張も本質をついてないため、隔靴掻痒の感がある。 関税の引き下げは減税である。したがって、その関税の対象品目を購入する人のすべてに利益をもたらす。 ミナサン、減税はおキライですか? 一方、関税の引き下げに…

「グローバル人材」とは(なんじゃらほい?)

最近「グローバル人材」という言葉をよく目にするが、強い違和感を感じる。 なぜ「グローバル」がカタカナで、「人材」が漢字なんだろうか。「グローバル人材」に対応する英語があるのだろうか、それともよくある「和製英語」的な言葉なのだろうか。「グロー…

福島第一原子力発電所事故に関する個人的総括

東日本大震災から2年が経過して、福島第一原子力発電所事故に関するさまざまな調査結果、書籍などが発刊された。3月11日以来、集中的にそれらの本を読んでみた。その印象を簡単にまとめたいと思う。 いちばん説得力があると思ったのは、国会東京電力福島原子…

為末大「走りながら考える」

為末大のTwitterをフォローしていて、彼のつぶやきには共感するところが多かった。本屋で彼の本が平積みになっているのを見かけて手にとった。 いつも気になった言葉があったページの角を折りながら本を読んでいる。この本のずいぶんたくさんのページの角を…

岡野友彦「院政とは何だったか」

岡野友彦「院政とは何だったか」を読んだ。 院政とは何だったかよく理解できずにいたので、題名に惹かれて手にとって見た。歴史学の最先端では異論もあるようだけれども、中世日本の権力構造の中での院政の位置づけについて概括的に把握できたように思う。 …

文系理系廃止論

日本の教育制度において一部の人は問題だと考えているようだが、あまり一般的に論じられることが少ないことがらの一つに、文系と理系の区分がある。私は、文系と理系の区分は即刻撤廃すべきだと思っている。 Wikipediaに「文系と理系」というエントリー(http…

すべてはクリント・イーストウッドの映画から学んだ

英語版のウェブログ(http://goo.gl/EuVns)でクリント・イーストウッドの同性婚に関するインタビューを取り上げたエントリー"Let's Spend A Little More Time Leaving Everybody Alone: Clint Eastwood and Me"(http://goo.gl/tkTyX)を書いた。日本語話者にも…

己惚れと自己弁護と自己宣伝

稲本が自分のブログ「おれと写真」(id:yinamoto:20130223)の冒頭に次のように書いている。 おれ様はこういう人間であるという例によってのおれおれ話である。 ちょうどiPhoneにインストールした豊平文庫(青空文庫リーダーとしては使いやすいと思う(http://go…

オリンピックとレスリング

レスリングがオリンピック競技から外れる可能性が高まったということで連日ニュースに取り上げられている。私自身あまりオリンピックには興味がないというバイアスがあるけれど、オリンピック競技であることにこだわり過ぎるのもよくないのではないかと思う…

正統と味

今日はなかなか充実した休日を過ごすことができた。 昼過ぎにバスに乗って団子坂下まで行き、やなか珈琲店でミルクコーヒーとホット・サンドウィッチ食べた。その後、団子坂を登り、谷中を散策し、芸大を通りぬけ、東京国立博物館の王羲之展に行ってきた。そ…

捕鯨の是非について

昨日のエントリー(「捕鯨、漂流、近代世界システム」id:yagian:20130104:1357304798)で捕鯨について触れたので、私が現代の捕鯨の是非についてどのように考えているか書いておこうと思う。 すでに国際的なコンセンサスができていることは、持続可能ではな…

捕鯨、漂流、近代世界システム

テレビをザッピングしていたら、NHK-BSで「最強の戦国武将は誰か」というテーマの番組をやっていた。せっかく「戦国時代」というおいしい時代を取り上げるのに、いいかげんこういう切り取り方をするのはやめればいいのに、と思ったのでチャンネルを変えた。 …

よかった探しリース2012

←左手:右手→ 久しぶりに結城さんの「よかった探しリース」(http://www.hyuki.com/ring/)に参加してみようと思う。 詳しくは「よかった探しリース」のページを読んでいただきたいが、ひとことで言えば、今年一年で「よかった」ことをみんなで共有しようとい…

TOEICで915点をとる方法

久しぶりにTOEICを受けてみたのだが、最近、英語でウェブログを書いたり、なるべく英語の本を読んだりしていることもあって、915点をとることができた。TOEICの受験対策について書いたウェブサイトはたくさんあるけれど、考えてみれば、日本語でTOEICの受験…

満鉄の料金表が語る歴史

私の英語版のウェブログ(http://yagian.blogspot.jp/)の固定的な読者の一部は日本に興味がある外国の人である。彼らの書いているウェブログを読んでいると、日本について興味深い事実を発掘していたり、それに対する深い考察が書かれていたりする。実際、日…

PCの死

今回も英語版ウェブログ(http://goo.gl/fTolx)の邦訳です。 今、家ではMac OS 10.5 LeopardでiMacを、会社ではWindows XPでLenovo ThinkPadを使っている。「なぜアップル製品を使っているのか」(http://alturl.com/grxdv)というエントリーで書いたように、基…

野田総理大臣の撤退戦

私はリバタリアンなので、日本国内では(おそらく世界的に見ても)政治的なマイノリティだと思う。日本にはリバタリアンを代表する政党はないので、選挙で投票する時は毎回苦慮するし、多くの場合は投票した候補者は落選し、政党は議席数を大きく減らす。 こ…

理想主義と現実主義:アメリカ大統領選挙

今回も英語版ウェブログ(http://t.co/1HMtpZn6)の邦訳です(最近そればっかですなぁ)。 オバマが大統領選挙に勝った。「オバマ大統領とミット・ロムニー」というエントリーで「日本人の観点からは、オバマ大統領はアメリカ人に過小評価されている」と書いたこ…

作文革命

今回も英語版ウェブログ(http://murl.kz/46YqB)の邦訳です。 日本語のウェブログを15年間、英語のウェブログを2年半書き続けている私にとって、文章術にはとても興味がある。アトランティック・マガジンウエブ版に「作文革命」という興味深い記事が載ってい…

「ヘタうま」と「ウマへた」

今回も英語版ウェブログ(http://goo.gl/AltqE)の邦訳です。 日本語に「ヘタうま」という、うまく英語に翻訳することができない言葉がある。「ヘタうま」は、「へた」と「うまい」という単語を結合した言葉で、「へた」というのは、技術が優れていない、素朴…

日本の起源

CIAのウェブサイトに"The World Factbook"というページがあり、世界各国の概要がまとめられている。日本の概要はこのページである(http://murl.kz/1i4Ub)。これがなかなか興味深い。 まず、Background(来歴)という項を翻訳してみようと思う。 1603年、数十…

アメリカの捕鯨と日本の近代化

最近読んだ「リヴァイアサン:アメリカにおける捕鯨の歴史」(Eric Jay Dolin's "Leviathan: The History of Whaling in America.")という本が非常に面白かったので、英語版ウェブログに掲載した感想(http://goo.gl/IdlF5)の和訳を転載したい。また、この作者…

「自由の性質」と「政治におけるリーダーシップへの要望」

これまでドラッカーは読んだことがなかった。読まずになんだかリーダーシップに関するノウハウ集を書いた人という印象を勝手に持っていた。 今、"The Daily Drucker"という本をKindleでぽつぽつ読んでいる。1月1日から12月31日まで毎日一編づつドラッカーの…

ヒップホップと作者の死

今日も英語版のウェブログ"Hip Hop and the Death of the Author"(http://murl.kz/McEyB)の翻訳である。 私は、1970年代はロックの黄金期であり、現在ではロックは死んでいると思っている。そのことは「世界のすべてのバカ男子のための歌」というエントリー…

翻訳不要論

インターネットで英語非母語話者と英語でコミュニケーションをしていると、彼らの日常には英語が入り込んでいることを感じる。 日本の英語教育についてさまざまな批判がなされている。私は語学教育の専門家ではないので、国際的に見て公教育における英語教育…

尖閣諸島紛争の意味と中国のインターネット事情

中国の反日デモも急速に収束したようだ。あれだけ急速に収束してしまうと、かえって政府のデモをコントロールしているという事実が顕になってしまうが、中国政府としてはそれで良いのだろうか。それとも、それぐらいコントロールできるという実力を誇示した…

Fukushima 50と非国民

福島第一原子力発電所の事故の直後、アメリカでは発電所の事故拡大を防ぐために発電所にとどまった東京電力の職員たちをFukushima 50と呼び、その英雄的な行動を報道していたという(http://goo.gl/6xP3e)。 なぜFukushima 50がアメリカで報道された理由につ…

因果系宇宙に生まれて

私は北区出身ということもあり、清野とおる「東京都北区赤羽」をいまさらながら読んでみた。 清野とおるが冒頭で書いているように、北区は荒川区とならんで東京23区の辺境で、その住民以外は誰も関心を持っていなかった。正確に言えば、清野とおる自身がそう…

なぜ日本人はこんなに英語が下手なのか

インターネットで"Why are Japanese so bad at English?"(http://goo.gl/X52V9)という記事を見つけた。冗談交じりに書かれているが、論旨には概ね賛成できるので、翻訳してみようと思う(ジョークはうまく翻訳できなかった…)。あと、英語版のウェブログに、…

日本語で読む、日本語で書く、英語で読む、英語で書く

当初はどのくらい続くかなと自分でも危ぶんでいたけれど、英語のウェブログ(http://goo.gl/EuVns)も、2年半ほど経ち、いまではすっかり習慣になった。 この日本語のウェブログと英語のウェブログを交互に書くようにしている。はじめは、英語のウェブログを辞…