中学生の卒業文集の作文。


僕は人間にとても興味がある。
人間は地球上の最も複雑な生物だ。明るい人、暗い人、温かい人、つめたい人、ぶりっ子な人……。人間の複雑さは人間の言語ではとても言い表すことなどできるものではない。
しかし、そのように複雑な人間が集まると、単純なものになってしまう。
例えば、人間が軍隊に入ると、だれもみな同じ歩調で整然と行進する。しかし普段では、みなが自然に行進しだすなどということは絶対にありえない。池袋駅のラッシュアワーの中で偶然みなの歩調があって行進になってしまうなどということはない。
軍人の中にも虫も殺せない人もいるかもしれない。しかし集団となると人殺しを平気でやってしまう。
複雑な人間が集団になると単純になってしまうところに興味がある。人間の集団について調べる学問の中に経済学がある。そこで僕は経済学を将来やりたい。

人間の集団も巨大なものになるとたくさんの細胞が集まると一つの生き物になるように、生き物のようになってしまうらしい。例えばアメリカ合衆国ソビエト連邦は人間の力をこえた化物になってしまっている。もちろんそんな化物に夢をぶちこわされてはたまらない。その2つの国が人間の理性の手にとりもどさなければならぬと思っている。

最後のまとめはずいぶん大げさだけれども、興味、関心のありどころは、もう、このころから今となにも変わりがない。