モスクめぐり

昨夜は、時差もあり、夕食を食べてすぐに前後不覚でねむり込んでしまった。そもそも食欲があまりわかなかった。
朝、Sokullu Mefmet Pasa Mosqueへ行く。タイルがすばらしく美しい。美しさだけだったら今まで行ったところではNo.1ではないだろうか。
Mosqueのおもしろい所は、外側は石の地はだそのまま、いってみればコンクリートうちっぱなし風で、内部はタイルとステンドグラスで壮麗にかざってあることだ。だから、外から見るMosqueはあんがい地味で、キリスト教の特にゴシックのように外から見ることをあまり意識していないように思える。
アヤソフィアへ行く。とにかく巨大な空間である。空間の作り方はモスクと似ており、というより、モスクがアヤソフィア的な空間の作り方をしていたせいで、似ている。だから、Mosqueへの転用は簡単であろう。
モザイクは、近くで見ると、不定形の石の集まりにすぎないが、遠くから見ると微妙な表現がなされていることがわかる。とにかく、タイルのブルーのモザイク画の金色の表現のちがいがおもしろい。
アヤソフィアの天井にある、もっとも中核的な場所に、アラビア文字が飾ってある。本当にすばらしいモザイク画がかかれていたと思われる。
アヤソフィアは、現在使われていないためか、全体的に、遺跡的な雰囲気があります。

イスタンブールのいろいろなモスクを紹介している渋沢幸子、池澤夏樹イスタンブール歴史散歩」(新潮社とんぼの本 ISBN:4106020289) という本を片手に、旧市街をうろついていた。Sokullu Mefmet Pasa Mosqueは、それほど大きくもなく、観光ルートになっているわけではないけれど、タイルの装飾が非常に美しかった。京都でも、清水寺金閣寺銀閣寺のようなお寺ではなく、ひっそりと、しかし、お庭が美しいこじんまりとした禅寺がある。そんなたたずまいのモスクだった。
アヤソフィアは、イスタンブールコンスタンチノープル時代にキリスト教の聖堂として建設され、オスマン・トルコ帝国に占領されたあと、モスクに転用されたものである。イスラーム建築に関する本を読んでみると、モスクの建築様式は多様であって、イスタンブールのような巨大ドームは、そのなかの一つの類型ということのようだ。イスタンブールのモスクは、アヤソフィアに代表される東ローマ帝国の聖堂建築の様式をそのまま活用したということなのだろう。