付記

A Moveable Feastのふじたさん(id:foujita:20040906)からのご紹介で、]はてなダイアリーの一冊百選を書きました。
ふじたさんからメールをいただいたとき、どの本を取りあげるべきか、あれこれ迷いました。
これ「一冊」というからには、古びることない古典、もしくは、古典になるだろう本がよいだろう。「推薦する」という意味では、絶版、品切れになっていない入手しやすい本、できれば、文庫本がいい。けれど、夏目漱石村上春樹では、あまりに多くの人に読まれていて、いまさら自分が紹介する意義がない。森鴎外の「渋江抽斎」は自分にとってはまさに「一冊」であるけれども、普通の人が読み通すのは難しいだろう。
古典的な価値があり、岩波文庫に入っており、平易で読みやすく、それでいて含蓄があって、再読に耐える本ということで、「忘れられた日本人」を選ぶことにしました。
もし、「忘れられた日本人」を読み、宮本常一という人に興味を持たれたら、彼の自伝的随筆「民俗学の旅」(講談社学術文庫)(ISBN:4061591045)をおすすめします。
また、宮本常一の師であった渋沢敬三は、宮本常一に劣らず興味深い人物です。彼の著作は、残念ながら入手が困難な状態にあります。「渋沢敬三著作集 第3巻」(平凡社)(ISBN:4582429432)に収録されている「犬歩当棒録」という随筆は、なかなか味わい深いものです。よければ、図書館で探してみて下さい。
また、2004/9/23の日記(id:yagian:20040923#p2)にも「忘れられた日本人」に係わる感想を追記しました。
さて、次の一冊百選は、結城浩さん(id:hyuki)にお願いしたいと思います。ぜひ、お楽しみに。