イチローはどこに行くのか

先週の土曜日、イチローが5打数5安打をした試合を見た。
トップスピンをかけて高く弾むゴロを打ち、ヒットを量産していた。しかし、そのようなことより印象的だったことは、マリナーズのなかでは、まるで、イチローが一人で野球をしているように見えるということだった。解説者も同じことを言っていたけれど、観客も同じような印象を受けただろうと思う。
マリナーズにはイチロー以外に見るべき選手がいないことも確かである。しかし、彼が一人で野球をしているように見える理由はそれだけではない。イチローがいくら打っても、チームの他の選手を勇気づけているようにさっぱり見えないのである。マリナーズの選手たち、そして、スタジアムのファンも「ああ、また、イチローがヒットを打っているなぁ、すごいなぁ。」と言いながら傍観しているように見える。
その翌日、ヤンキースでは、ジーターが一番に入り、連敗を止めた。彼が先頭に立ってヒットを打ち、盗塁すると、チームもファンも盛り上がり、勢いづく。イチローと対照的である。
イチローは、オリックスでも一人で野球をしているように見えた。マリナーズに移籍したときは、そのイチローもチームにとけ込もうと努力しているようだったけれど、マリナーズ在籍四年目にして、また、孤高の存在となってしまった。
イチローは、これからもマリナーズで孤高の存在でありつづけるのだろうか、また、新しい環境を求めて移っていくのだろうか。