冬支度

この週末は冷たい雨が降り、すっかり冷え込んだ。
ジムへ水泳に行ってきた。冬用の分厚いジャケットを着て家を出ると、吐いた息が白かった。ふつうの人が水泳気分になる気候ではない。オリンピックの記憶も薄れてきているのだろう。夏場に比べるとプールはずいぶん空いていた。自分のペースで気持ちよく泳ぐことができる*1。プールから上がり、ジャグジーで身体を十分暖める。ロッカールームでジャケットを着ると、自分の身体の暖かみがジャケットの中にこもる。厚着のぬくもりが心地いい。
最近はすっかりさぼっていたのだけれど、久しぶりに料理を作りたくなった。寒くなってきたので、しっかりと肉の味がする料理が食べたい。落合さんの本*2をひっぱりだして、ミートソーススパゲッティを作ることにした。野菜を刻み、挽肉を炒め、ワインのアルコールを飛ばし、つぶしたホールトマトを入れる。
ソースを煮詰める間、久しぶりにウィスキーを飲んだ。テーブルの上にショットグラスを二つ並べ、マッカランを注ぐ。くすんだ香ばしさが口の中に広がり、身体が暖まる*3
ミートソースは、挽肉をあまりかき混ぜず、ごろごろした固まりが残るように仕上げる*4。フライパンの上でスパゲッティとミートソースをあえる。肉のかたまりをかみ切ると、肉汁が口に広がる。下味の塩こしょうが足りず、少々味が薄かったような気がする。自分で料理を作ったときは、つれあいの食べている様子が気になる。彼女はぜんぶきれいに食べたので、安心した*5
食事が終わってソファーに寝ころびながら本を読む。つれあいはソファーの足下の絨毯の上で丸くなっている。酔いが回っていて、気がつくと同じページを何度も読んでいる。布団に潜り込んだ後、記憶が残っていない。
明け方、遠くで雷の音が聞こえた*6。目が覚めると、枕の下に本が転がっていた。

*1:この時期、土曜日の朝に水泳をしに来る人は、ある程度泳げる人ばかりなので、泳いでいて前の人が詰まることがない。

*2:「ラ・ベットラの定番スパゲティ ふたりでごはん」(幻冬舎)(ISBN:4344000854)。落合さんのレシピで作ると、料理初心者の私でもイタリア風にできあがるので気に入っている。

*3:夏の間は強い酒はあまり飲まないので、ウィスキーを飲むのが久しぶりだった。それだけに、ウィスキーがひとしおおいしく感じられた。

*4:というのが、落合レシピの指示。こうした方が、トマトに肉の味が負けないのがおいしいと思う。

*5:つれあいの作る料理もなるべく気持ちよく一気に食べたいと思うけれど、体調によってはそうもできないことがあるのがちょっと申し訳なく思うこともある。

*6:この季節に落雷というのも珍しいような気がする。