Musical Baton

最近、すっかりさぼっていてたいしたことを書いていないのに、左近さんからトラックバック(id:summercontrail:20050616)が入っていてなんだろうと思ったら、Musical Batonという音楽に関する質問をウェブログからウェブログへバトンのようにつないでいく企画だった。
以前、はてなダイアリーの一冊百選という企画がまわってきて、宮本常一「忘れられた日本人」(岩波文庫)について書いたことがあった(id:yagian:20040829#p2)。いつもはそのときの気分で題を決めているけれど、たまには決められた枠で書くのも悪くなかった。だから、Musical Batonを書くのもおもしろそうじゃないかと思った。
編集画面を開いてリンク元を見てみると、なぜか結城さんの日記(http://www.hyuki.com/d/200506.html#i20050616)からじゃんじゃん人がやって来ている。なにごとか、と思ってリンクをたどってみると、こちらからもMusical Batonが回ってきている。これではますます書かないわけにはいかない。
□Total volume of music files on my computer (コンピュータに入ってる音楽ファイルの容量)
2.67GB
音にうるさいというほどではないけれど、家にいるときはたいていCDで音楽を聴いている。コンピュータに音楽を落とすのは、通勤中に聴きたい曲をMP3プレーヤーにコピーするためである。正確に言えば、この容量には、落語と語学学習のCDも含まれているけれど、わざわざ分けて容量を調べるのもめんどうなので、そのままにしている。
□Song playing right now (今聞いている曲)
Jack Johnson "Sitting, Waiting, Wishing"
Jack Johnsonのことは知らなかったけれど、J WAVEでかかっているのを聴いて、いっぱつで気に入ってしまった。最近いちばん聴いている曲。この文章は、わざわざCDでこの曲を聞きながら書いている。われながら律儀。
□The last CD I bought (いちばん最近買ったCD)
Jack Johnson "In Between Dreams" (asin:B0007GAEVW)
J WAVEで聴いて気に入ってすぐにCDがほしくなり、amazonから配達されてくる時間も惜しくなって、さっそくCD屋に行って買ってきてしまった。Jack Johnsonは、もともとハワイ在住のサーファーだったというが、たしかに、ハワイの田舎道をドライブしながら聴いてみたくなる(そのうち、じっさいにそうすると思う)。
□Five songs(tunes) I listen to a lot, or that mean a lot to me (よく聞く、または特別な思い入れのある5曲)
さてはて、どうしたものか。本にしても、映画にしても、いちばん好きなものは何かとか、トップ5はどれかとかいわれても、なかなか選べるものでもない。あれこれ考えると、とても5曲に収まらなくなる。その時々の気分、季節、天候によっても聴きたい曲も変わってくる。
そんなわけで、自分なりのテーマを設定して、そのなかから5曲を選んでみようと思う。Jack Johonsonの音楽はハワイの香りが心地よいが、そのように土地の香りがするところに思い入れがある曲を選んでみる。
はっぴいえんど「風をあつめて」
会社からの帰り、家の近くの夜道を歩きながらこの曲を聴いていると、道の雰囲気と自分の気持ちとぴったりあって気持ちがいい。松本隆の歌詞は、ちょっと気取りすぎのような感じもあるけれど、都会の風景をうまく切り取っている。細野晴臣のぼそぼそとした歌い方も、曲によく合っている。
矢野顕子「中央線」
原曲はThe Boomの曲だけれども、矢野顕子の"Super Folk Song"でしか聴いたことがない。むかし、高円寺界隈に住んでいた頃、帰宅の途中、夜の青梅街道を歩きながらポータブルCDプレイヤーでこの曲を聴いていた。中央線は、まっすぐ伸びる高架の上を「夜を越えて」走っていくように見える。この曲を聴くたびに、高円寺時代のことを思い出す。
椎名林檎罪と罰
「頬を刺す朝の山手通り」という歌い出しを聴いた途端、渋谷の裏手のあたりの山手通りの風景が目に浮かんだ。自分の勝手な思いこみだけれど、山手通りのどの交差点のどの角でたばこを踏み消したのかリアルに想像できる。
The Beatles "Penny Lain"
ジョンの曲の歌詞は観念的すぎて、自分にはくさく感じられることがある。ポールの曲の歌詞は具体的で、即物的にすら感じられることもあるけれど、ジョンのようなくささはなし、かえって深みが感じられるときもある。ペニー・レインは、ポールが幼い頃暮らしていた街の風景の思い出を素朴に歌ったもので、ポールのリバプールの街角への思いが素直に伝わってきて気持ちいい。
ビギン「オバー自慢の爆弾鍋」
沖縄のホテルのバーで飲んでいたら、ビギンのこの曲が入ったCD(「ビギンの島唄 於茂登岳男2」asin:B000066ISN)がヘビー・ローテーションで、というか、単に延々とリピートしてかけられていた。すっかり気に入ってしまい、翌日、国際通りのOPAに入っているタワーレコードに行って買ってきた。沖縄の人の複雑な気持ちがぎっしりと詰まっている曲だと思う。
□Five people to whom I'm passing the baton (バトンを渡す 5 名)
5人にバトンを渡そうと思っても、このウェブログを定期的に見ていて、自分もウェブログを書いている人は、そんなに多くないだろうし、しかも、左近さんと結城さんの二人は指名できない。その上、バトンをまわそうと思った人のウェブログを見てみると、もう、バトンが回っていたりする。5名のノルマは果たせそうにない。というわけで、バトンを回すのは一人にしようと思う。
稲本(id:yinamoto:20050616)だったら、どんな5曲を選曲するかな。