オリンピック、ワールドカップ、WBC

オリンピックは、世界で最高のアスリートを集めた最高の大会であるがゆえに、参加する選手たちが全力を出す。そういう観点から見れば、今のオリンピックには不要な競技がずいぶんあるように思う。
サッカー、テニス、そして、野球は、それぞれの競技のなかでオリンピックは最高の試合とは位置付けられていない。冬のオリンピックのスノーボードも、X Gameが最高の大会である。この意味では、これらの競技は、オリンピックには不要である。野球がオリンピック競技からはずされることは当然であり、オリンピックの競技に復活を目指すよりは、サッカーのワールドカップを参考にして、WBCを充実した大会にすることに力を入れた方が建設的だろう。
日韓ワールドカップを見ていて気になったのは、ワールドカップはトップクラスの選手が全力をつくす大会ではなくなってきていることである。サッカーのワールドカップは、チャンピオンズ・リーグが終わった後、6月に開催される。大本命のブラジルは優勝したものの、その他の有力な選手を抱えた国が必ずしも上位にこなかった。明らかに、チャンピオンズ・リーグにコンディションをあわせて、ワールドカップではもう満身創痍の状態になっていた選手も多かった。つまり、ワールドカップよりも、チャンピオンズ・リーグを上位においていた選手がいた、ということである。韓国の試合でのレフェリーのジャッジを指摘する向きもあるけれど、韓国や日本は、なによりもワールドカップに照準をあわせていたということも、今回の結果に関係しているだろう。ワールドカップは、最高の選手が最高のコンディション、モティベーションで臨む大会ではなくなり、試合のレベルは下がっていたのではないか。
サッカーのワールドカップのレベルが下がる背景には、試合過多がある。国内のリーグ戦、チャンピオンズリーグ、カップ戦、国の代表の試合と、強いチームに所属している一流選手であるほど試合が多い。日本でも、横浜Fマリノスは、一昨年のシーズンの試合過多の影響もあって、昨年のシーズンは不調だった。
ロッテ・マリーンズを見ていると、明らかに、去年から今年にかけて試合が過剰になっている。これだけ試合があると、すべての試合で同じようなコンディションを維持することはできない。
松井秀喜には、ニューヨークのポストシーズンの試合で思い切り活躍してほしい。