シカゴ

TUTAYA DISCASでDVDをレンタルしている。予約リストを設定すると、上位のものなかから在庫があって発送可能なDVDが送られてくる。予約リストの上位に人気のDVDを並べていたため、とりあえずと低い順位に並べておいた「シカゴ」と「アナライズ・ミー」が送られきた。
昨日の夜、まず、「シカゴ」を見てみた。人に勧める気にはならないけれど、私の好みにぴったりあった楽しい映画だった。
ブロードウェイ風のミュージカルが好きだ。ゴージャスでありながら軽く、コメディでありながら真実に触れるような、しかし、けっして深刻ぶらず、ウィットがあって明るい、ひとことで言えば、大人っぽいミュージカルが好きだ。アンドリュー・ロイド・ウェーバーのロンドン風のミュージカルは、私にとっては大仰すぎる。
留置所のなかで、6人の女たちが自分の人殺しの事情を歌う「セル・ブロック・タンゴ」のシーンがいちばん好きだ。女たちの自分勝手な言い分が、タンゴのリズムとダンスと相まって、爽快である。牢屋の格子をイメージしたデザインしたセットとダンサーの衣装も美しい。そもそも、牢屋のなかの殺人犯の女性の独白というこんな極端な設定をミュージカルのシーンにしようというウィット過剰な感覚が好きだ。
レネー・ゼルウイガーの歌とダンス、キャサリーン・ゼタ・ジョーンズのダンス、リチャード・ギアの歌は、いささかおぼつかない。舞台で見るときは迫力のあるダンスと歌は不可欠だと思うけれど、映画では彼らのおぼつかない歌とダンスもかえってチャーミングでいいと思う。ウディ・アレンの「世界中からアイ・ラブ・ユー」で、歌やダンスが素人の俳優たちを使ってミュージカルを作っていたけれど、かえって楽しいミュージカルとなっていたのを思い出す。