「心の風邪」ではない

今月の文藝春秋(平成20年4月号)に「うつ病50問50問患者と家族の心構え」という記事があり、冒頭に「「心の風邪」ではない。病院に行くのをためらうな」というキャプションがついていた。まったく同感である。
じっさいに自分がうつ病になってみると、「心の風邪」という語感よりはずっと深刻だと感じる。「心の風邪」というのは、ふつうの気分の変化を指し、うつ病は風邪をこじらせて重篤な肺炎になってしまったぐらいが実感である。それぐらいになってもなかなか自分が病気だという確信が得られないところが、この病気のやっかいなところである。しかし、病院に行くことが問題解決の第一歩であることが間違いない。
もしかしたら自分がうつ病かもしれないと思ったら、なるべく早く、ためらわず、精神科の医者にかかることをお勧めする。実際にうつ病になっていたとすれば、医者に行くことを遅らしてよいことはない。体験からも断言できる。