新聞の片隅から(3)

日経新聞の夕刊にいくつかのコラムが連載されているが、木曜日の小泉武夫の「食あれば楽あり」が楽しい。ただ、食のおいしさについてだけを書いている。それがとにかくおいしそうで、自分でも食べたくなるのである。

 フライパンでカリカリになるまで焼き、軽くコショウを撒いたものをビールのつまみにしたらば、ビールに合ってとても美味であった。噛むと、香ばしい匂いが鼻から抜けてきて、カリカリシャリシャリとした歯応えの中から、濃厚なベーコンの味と脂肪のコクなどがジュルジュルと湧き出てくる。それを口に残しながらビールを啜ると、シュワーとする泡、ビール特有のほろ苦みなどがベーコンと一体になって美味であった。
日本経済新聞夕刊 2008年10月23日 17面 「食あれば楽あり ベーコン」 小泉武夫

引用したのは今日のコラムの1/5ぐらいの分量であるが、ほかも同じようにベーコンをいろいろな方法でおいしくたべる記述が続く。
カリカリシャリシャリ」「ジュルジュル」といった擬音を目にしていると、自分の口につばがたまってくるのである。